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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十話 誕生日にはポインセチアを添えて
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きらびやかな二人

「これはこれは、なんとも有意義な話が聞けましたな」

「そう仰っていただけて光栄です」

「失礼ですが、お名前をお聞きしても?」

「一色隊所属の二階堂湊人と申します。ぜひともご贔屓に」

「はっはっは、わかりましたぞ。何かありましたら、ぜひともお願いいたしましょう。そういえば、一色隊は若い女性が治められていると聞いたような……」

「はい。あちらにいるのが隊長の一色透花でございます」

「ほう……。あの女性が……」


 湊人は、有力者たちとのパイプ作りに勤しんでいた。

 自分の名前を売るだけではなく、隊長である透花の紹介までするのだから見事なものだ。

 透花を紹介された者たちは、必ず同様の反応を返す。


「なんとも、美しい方ですな……」


 透花は、会場にいるどんな令嬢よりも美しかった。

 振る舞いもとても優雅であり、同性でも思わず見惚れてしまうほどだ。

 それは、普段から彼女を見慣れている隊員たちにとっても同じようだ。


「透花さん、綺麗だよね……」

「うん! とうかねえはいっつもきれいだけど、今日はいちだんときれいだよ!」

「………………………………♪」

「透花さんを堂々とエスコートする虹太くんもすごいですよね」

(……正直、見直したかも)


 柊平たちのグループでも、同じような会話がされていた。


「こうやって改めて見ると、あいつって美人だよな。普段は近すぎてあんま意識しねーけど」

「今日はドレスを着てますし、いつもよりも化粧バッチリっすからね! でも、透花さんはそんなのなくてもいっつもキレイっすよ! 髪もサラサラですし、肌もツヤツヤっす!」

「……椎名はすごいな。隊長の隣に立って、ああも立派に立ち回れるとは……」


 隊員たちから、虹太への認識が改められた瞬間だった。

 噂をされていることなど気付かない虹太は、くしゃみが出そうになるのを懸命にこらえながら透花をエスコートしていたという――――――――――。

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