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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第二十七話 アフリカンマリーゴールドの先にあるもの
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憂鬱な時間

「………………………………」

「心、お前、さすがに一気に掻っ攫っていきすぎだろ……」

「蒼一朗さん、いいですよ。まだまだたくさんありますから」

「……ほら、ちゃんと野菜も食べるんだぞ」

「しゅうにい! わかってるよ! みうもやまとくんもいい子だもん! ねー!」

「………………………………♪」

「うまっ! なんだこのタレ! めちゃくちゃうまいっすよ!」

「晴久くん特製だからね。芸が細かいよねぇ。焼きおにぎりやピザまであるよ」

「理玖、大丈夫? 食べられるものある?」

「……野菜を中心に食べてるから、大丈夫だよ」


 俺たちは今、バーベキューをしてるよ~。

 みんなは楽しく食べてるけど、俺はバーベキューって苦手なんだよね……。


「虹太くん、全然食べてないみたいですけど……」

「……平気だよ♪ じゃあ、この肉を貰っちゃおうかな~」


 晴久くんが、俺に声をかけてくれる。

 こういう行事好きそうなのに、こんなに静かにしてたら心配にもなるよね~。


「あっ、そのお肉は……!」

「……って、にがっ! 何これ!? ほぼ炭じゃん!!」

「おい、食う前にちゃんと見ろよな。どう見ても焼き過ぎてたやつだったろ」


 蒼一朗さんに言われて、俺は初めてそれが焼き過ぎてたものだって気付くんだ。

 ……場の雰囲気を壊さないために、なんとか誤魔化さないと。


「……そんなのわかってるよ~。ちょっと、みんなを驚かせようと思ってさ! 驚いた~?」

「お前、あんま変なことするなよ。大和や美海が真似したら大変だろ」

「ごめーん。でも、二人とも賢いから大丈夫だと思うよん☆」


 ……ほんとは、わざとじゃないんだよ。

 だって俺は、色がわからないんだから――――――――――。

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