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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第二十五話 チューリップを隠さないで
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守りたかったもの

 僕はその後、透花さんと柊平さんに家まで連れて帰ってもらった。

 村の人たちは色々言ってたけど、透花さんには逆らえない不思議な雰囲気があったんだ。

 家までの道のりで、金髪の男の人と合流する。

 ……理玖さんは、少し離れた場所から僕たちの様子を見てたらしい。


「お母さん……! 美海……!」


 家の中に入ると、二人は村の人たちによって捕まっていた。

 さっきと同じように、透花さんは彼らを無視して柊平さんに縄を解くように指示する。

 そして、そのまま村の人たちを家から追い出してしまった。

 僕は、急いでお母さんと美海に近付く。

 二人は、恐怖で震えていた。


「心……! よかった……! 無事だったのね……!!」

「おにいちゃん……! こわかったよ……!!」


 僕は二人を抱き締めながら、透花さんたちに助けてもらったことを説明した。


「そう、そんなことがあったの……。息子を助けていただき、ありがとうございます。なんとお礼を申し上げたらいいのか……」

「お気になさらないでください。私が勝手にやったことですから」

「本当に、ありがとうござ……」

「お母さん!」

「おかあさん!」


 途中で、お母さんは気を失ってしまった。

 僕は、必死にその体を支える。


「……ベッドまで運んで。僕が診る」

「……わかった。失礼します」


 柊平さんがお母さんを抱き上げ、理玖さんと一緒に寝室に入っていく。

 美海も、泣きながら後を追っていった。

 僕は体が動かなくて、その場に座ってることしかできなかったんだ――――――――――。

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