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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第二十五話 チューリップを隠さないで
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それは英断なのか

 僕の村は、火山の麓にあった。

 村ができてから、噴火したことはないらしい。

 ……その火山が、この年は今にも噴火しそうだったんだ。

 村の人たちは、口を揃えて僕のせいだと言った。


「あんな異端な子がいるせいで、神がお怒りなのだ! 今すぐ追い出さなくては!」

「いや、追い出すだけでは足りないだろう。生贄として、神に捧げるのだ……!」


 この頃の僕には、もう抵抗する気力なんてなかった。

 お母さんは村を出ることを提案してくれたけど、そんなの無理だと思い込んでたし……。

 僕は、生贄になる代わりに村の人たちに一つだけお願いをした。


「……お母さんと妹は、みんなと変わらない見た目をしてる。僕が死ねば、もう迫害される理由はない……。二人に危害を加えないなら、僕は生贄になってもいいよ」


 村の人たちは、これを快く受け入れてくれた。

 これで、僕が死んでも二人の安全は保障される……。

 ……お父さんに言われたから、二人を守ろうと思ったんじゃない。

 僕自身が、二人を守りたいと思ったからこその決断だった。

 こうして僕は、次の満月の夜に生贄になることが決まったんだ――――――――――。

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