至福の時間を邪魔するもの
僕は、透花さんの別荘の自分の部屋でうとうとしてた。
クーラーが効いててとっても気持ちいい……。
ああ、このまま寝たら幸せなんだろうな……。
そんなことを考えながらベッドに横になっていると、突然お腹が重くなる。
「ぱかお、急に乗ったらびっくりするよ……」
(だってシン、寝ようとしてただろ! オレは暇なんだ! 遊んでくれよー!)
僕のお腹には、ぱかおが乗っていた。
部屋は涼しいけど、ぱかおはあったかくてこれも気持ちいいな……。
「他の人に遊んでもらって……。僕、眠くてそんな元気ない……」
そう言って目を閉じたけど、ぱかおは引き下がらなかった。
(オレはシンと遊びたいんだよー!)
「でも、僕は寝たい……。もう、体動かないよ……」
(じゃあ、おしゃべりならどうだ!? 動かなくていいだろ!)
「おしゃべり……。それなら別にいいけど……」
(オレ、前からシンに聞きたいことがあったんだ!)
「なに……?」
(シンは、どうしてグンジンになったんだ? グンジンって、大人がやるものなんだろ? シンやハヤテみたいに、普通のガッコウに通いながらやってる奴はいないって聞いたぞ!)
「……説明してもいいけど、長くなるよ。僕、おしゃべり苦手だし……」
(どれだけ長くても平気だ! シンがおしゃべり苦手なのは知ってるし!)
「わかった……。じゃあ、話すね……」
こうして僕は、自分の過去についてぱかおに話し始めたんだ。