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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第二十一話 カリンの花を君にあげる
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その約束を大切に思うのは、あなただけではないんだよ。

 ……ここまで思い返す間に、手元にあった花冠は完成していた。

 ふと視線を前に向けると、彼女がこちらに歩いてくるのが見える。


「理玖、私も一緒に休憩していい?」

「……好きにすれば」

「じゃあ、お言葉に甘えて」


 彼女は、僕の隣に座った。

 特に話したいこともないので、僕は黙っている。

 ……沈黙は嫌いではないけれど、過去のことを思い出していたのでなんとなく気まずい。

 しばらくすると、僕はゆっくりと立ち上がった。


(……もう、昔のことなんて覚えてないよね)


 彼女の頭に花冠を乗せる。


「……あげる」


 そして、再び向日葵畑に向かった。

 ……視界の端に見えた彼女の顔が赤かった気がしたけれど、きっと僕の勘違いだろう。

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