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一色隊のメガネ諜報部員、二階堂湊人
午後の情報処理能力と医学・薬学の試験でも、一色隊の面々は素晴らしい成績を収めた。
まずは、情報処理能力のテストである。
「噂で聞いたんだけど、あいつって相手の顔か名前が分かれば家族構成から勤務先まで調べられるって話だぜ……」
「は!? マジで!? 何それ怖すぎなんですけど……」
「ふふっ、この成績なら透花さんにも満足してもらえるかな?」
「湊人さん、相変わらず凄腕っすね!」
「……でも、この僕でもどうしても調べられないことがあるんだよね」
「えぇぇ!? そんなことあるんすか!?」
「……君のことだよ、颯くん。いくら調べても、なんのデータも出てこないんだもの」
「それは俺も知りたい内容っすよ……」
情報処理能力テスト成績一位、二階堂湊人。
それは、他者を寄せ付けない圧倒的な一位だった。
「彼がうちに来てくれたら、即戦力として使えるのに惜しいですね」
「そうだな。あれだけ素早く的確な情報処理が行えれば、戦場での被害も相当減らせるだろう」
湊人は、通信専門部隊の隊員に目をかけられていた。