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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第二十一話 カリンの花を君にあげる
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向日葵畑にて

 僕たちは、向日葵畑に来ていた。

 どこまでも続く黄色い花は、とても美しい。

 このような景色は滅多に見られるものじゃないから、みんなのテンションも高い。

 僕も、それは同じ気持ちだけど……。

 ……ここは、日差しが強すぎる。

 僕は、少し離れた場所にある木陰で休むことにした。

 座って、特にやることもないのでその辺の野草を摘んで花冠を作り始める。


「おねえちゃん、これあげる!」

「まあ、ありがとう。あなたが選んでくれたの?」

「うん! ぼくが、おねえちゃんのためにえらんだんだよ!」

「とても綺麗ね。大事にするわ」


 ふと、僕の耳にこんな会話が聞こえてきた。

 そちらを見ると、小学生くらいの少年が年上の女性に向日葵を手渡している。

 ここの向日葵畑は、数本までなら摘んで持ち帰ることができるのだ。

 ……状況から察するに、姉弟ではないだろう。

 少年にとって、女性は憧れの存在に見える。

 大方、長期の休みにしか会えない親戚だろうか。

 汗をかきながら花を渡す姿は、とても眩しいものだった。


(……僕が彼女に出会ったのって、あのくらいの年齢の時だったかな)


 花冠を編みながら、自分の過去に思いを馳せた――――――――――。

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