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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第二十話 イベリスの誘惑
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もう我慢できない!

 さいみつ体験の後は、移動してろうそく作りをやることになったぞ!

 オレは参加できないから、みんなのを見て回ってるんだ!

 こういうのって、個性が出るから面白いよな!

 不器用なコウタのはボコボコだけど、几帳面なシュウヘイのはまっすぐだ!

 でも、一番すごいのはソウイチロウだな!

 ソウイチロウは見かけによらず、手先が器用なんだぜ!

 まるで売り物みたいに、キレイに飾り付けてる!


(あれ……? このニオイ、なんだ……?)


 みんなのろうそくを見ていると、オレの鼻にすっごくいいニオイが届く。

 さっき食べたはちみつよりも甘くて、濃くて……。

 とにかく、とってもいいニオイなんだ!


(シン! シン! いいニオイだな! 見に行ってみないか!?)


 鼻のいいシンなら気付くと思って声をかけたんだけど……。


「………………………………」


 シンは、こっちを振り向きもしない。

 目の前のろうそくに集中して、オレの声もいいニオイも届いてないみたいだ。

 ……そうだ、シンってこういう奴だったよな。

 集中力がすごいから、その間は周りの声が聞こえなくなるんだっけ……。


(シン! おーい! こんなにいいニオイなのに、なんで気付かないんだよー!)


 諦めずに声をかけたけど、シンが気付いてくれる気配はない……。

 どこからこんなにいいニオイがするのか、気になるのに……!


(……もう我慢できない! オレ、見に行ってくる! ちゃんと声はかけたからな!)


 痺れを切らしたオレは、最後に一言かけるとその場を離れた。

 このいいニオイの出所を突き止めてやるぜ!

 こうしてオレは、甘いニオイに釣られて走り出したのだった。

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