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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第十八話 セロシアに火を灯そう
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未来の仲間たち

 ……僕は、自分の目の前で起こった出来事が信じられませんでした。

 どうして、見ず知らずの僕なんかを庇うような真似をしたんでしょう……?

 そのせいで、彼女は……。

 僕の体は、情けないことにガタガタと震え始めます。

 ……自分の死には全く恐怖を感じませんでした。

 ですが、自分のせいで他人が死ぬことはとても恐ろしいと思ったからです。


「……今すぐ、彼女のことを探してきて!」


 彼女と一緒に来ていた男性三人の内、一人が口を開きます。

 金髪が美しい、細身の男性でした。

 それは、他の二人へと放った言葉のようです。


「……こんなことを言うのは失礼かもしれないが、大丈夫ではないのか?」

「ああ、そうだな。あいつ、人間離れしてるから……」


 涼やかな目元の人、そして鍛えられた体を持つ人がそれぞれ答えます。


「……彼女だって人間だよ。弱点くらいある。確かに、このくらいの高さから落ちるくらいなら平気だろうね。でも、下は海だ。……彼女は、泳げない」

「なっ……!?」

「それを早く言えよ!!」


 それを聞いた二人は、慌てて駆け出します。

 金髪の人も、二人の後を追います。


「……待ってください!」


 気付くと、僕はそう叫んでしました。

 先に走り出した二人は、既に見えません。

 金髪の人が、うっとうしそうに僕の方を振り返りました。


「……なに」

「あ、あの……! 僕も一緒に行ってもいいですか……!?」


 僕じゃ、なんの役にも立てないのはわかってます。

 それでも、このままここで震えているだけなんて、できないんです……!


「……勝手にしたら」


 金髪の人は、そう言うと先に行ってしまいます。

 僕は、ガクガクと震える足をなんとか動かし彼の後ろをついていきます。

 これが、後に仲間になる柊平さんと蒼一朗さん、そして理玖さんとの出逢いでした――――――――――。

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