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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第十八話 セロシアに火を灯そう
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僕の女神様との出逢い

(女神様、でしょうか……)


 透花さんを見た瞬間、そう思いました。

 僕は自分でも気付かない間に、天国に来ていたのでしょうか……。

 そう感じるほどに、透花さんは神秘的で美しかったんです。

 ……ですが、僕が彼女の問い掛けに答えることはありませんでした。

 声をかけられたことに驚き、崖から足を踏み外してしまったからです。

 ギリギリの場所に立っていたので、僕の体を浮遊感が襲います。


(ああ、僕、死ぬんですね……)


 死を覚悟して目を閉じた瞬間、僕の手が温かなものに包まれます。


「危ない……!」


 ……それは、透花さんの手でした。

 その華奢な体の、どこにこれほどの力が眠っているのでしょう。

 彼女に手を引かれたおかげで、僕は崖から落ちませんでした。

 ……しかし、その分の反動が彼女にはかかります。

 彼女の体は崖から投げ出され、そのまま海へと落ちていったのです――――――――――。

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