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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第十七話 水中のジニア
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沈む

 浅瀬で大和、美海と遊んでいた透花は、自分の左足に違和感を覚えた。

 どうやら、攣ってしまったようだ。


「……大和くん、美海ちゃん。柊平さんか蒼一朗さんを呼んできてもらえるかな」

「………………………………?」

「どうしたの、とうかねえ」

「ちょっと足が痛くなっちゃって」

「え!? たいへん! ちょっと待ってて! すぐに呼んでくるからね!」

「………………………………!!」


 二人は、浜辺にいるであろう柊平と蒼一朗の元へ駆けていく。

 その姿を見送ると、透花は足の筋肉をゆっくりと伸ばし始めた。


(まさか、足が攣っちゃうなんて……。情けないけれど、パラソルまで連れて行ってもらって休憩しよう。楽しくて、少しはしゃぎ過ぎちゃったかな)


 そんな彼女を、不幸が襲う。

 もう片方の足も、痙攣を起こし始めてしまったのだ。

 そこに、運悪く大きめの波が押し寄せてきた。

 攣った足では耐えることができず、透花の体は波に攫われてしまう。


(まずい……!)


 急な出来事だったため、透花は思わず水中で息を吐き出してしまった。

 酸素を失ったことにより、意識が徐々に薄れていく。

 彼女の体は浮き上がることなく、静かに沈んでいくのみだ。


(水を通して見る空って、こんなに綺麗なんだ……)


 こう思ったのを最後に、透花の意識は途絶えたのだった――――――――――。

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