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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第十七話 水中のジニア
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Summer Vacation!

 この日、一色隊は大和、美海を含む全員で海に来ていた。

 ぱかおも、きっちりと服を着て砂浜を駆け回っている。

 琉生を無事に王宮へ送り届けた功績が認められ、王から長期休暇が与えられたからだ。

 夏休みである子どもたちの思い出作りのため、そしてより隊員たちの親睦を深めるために、透花が今回の旅行を企画したのである。

 今日は、その初日というわけだ。

 既に何人かは水着に着替え、海の中に入っている。

 透花はその様子を、水着の上にパーカーを着た状態で見守っていた。

 同じパラソルの下には、海で遊ぶのが不似合いである晴久、理玖、湊人の三人がいる。


「ハルくんはともかく、湊人くんと理玖は泳ぎに行かないの?」

「いやー、眼鏡が濡れるのは嫌だからね。僕はここでゲームでもしてるよ」

「……日に当たりたくない」


 そう言うと、湊人は携帯ゲーム機を、理玖は本をそれぞれ荷物から取り出す。

 元々このインドアな二人は今回の旅行に乗り気ではなかった。

 その反対を押し切ってここまで来たため、透花はその行動を咎めることはしない。


「透花さん、僕のことは気にせずに行ってきてください」

「でも、ハルくん暇じゃない? 二人はすっかり自分の世界に入ってしまっているし……」

「大丈夫ですよ。波打ち際を歩いたり、貝殻を探したり、海に入らなくてもできることはたくさんありますから」


 晴久は柔和な笑みを浮かべた。

 旅行初日から体調を崩すことを考慮して、彼は海に入らないと決めていた。

 そんな彼を残していくことが気がかりで、透花もこの場に留まっていたのだ。


「じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」

「はい。楽しんできてくださいね」

「ありがとう、ハルくん。じゃあ、行ってきます」


 透花はパーカーを脱ぐと、皆が遊んでいる方向へと歩き出したのだった。

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