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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第十六話 花咲けるネリネ
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これからも、続いていく。

「一色殿ー! 遊びにきたぞ!」


 無事に王宮へと琉生が帰った日、彼が父とどのような話をしたのかを知る者はいない。

 だが、この行動が全てを物語っているのだろう。

 琉生は、一色隊の屋敷にたまにやって来るようになった。

 王子としての教育の合間に、遊ぶ時間を設けられるようになったらしい。


「琉生様、また一人でいらっしゃったのですか?」

「うむ! 友達の家に、じゅうしゃをつけていくようなやつはいないからな!」


 琉生は、一色隊の面々のことを友人だと思っているのだ。

 透花は、そんな彼に柔らかい表情を向ける。


「次からは、ぜひご連絡ください。迎えに参ります。“友達同士”なら、迎えに行くのはよくあることなのですよ」

「そうなのか! それは知らなかったな! 次からはそうしよう!」


 この奇妙な友人関係は、これからも続いていくのだろう。

 そんな近い未来を、そして琉生が治めるこの国の平和な遠い未来のことを思い、透花は静かに笑みを零すのだった――――――――――。

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