来者は追うべし
透花が昨夜の任務に関しての報告書を書き終えたところで、先程連絡した交通課の軍人たちがやって来た。
透花は車から降りると、彼らに敬礼をする。
「お疲れ様です。違反者なら前の車に乗っています。私の部下がこってりしぼっていますので、二度と飲酒運転はしないと思いますよ」
透花は男たちの車に近付いていくと、柊平に声をかけた。
車の中からは、いまだに柊平の説教をする声が聞こえている。
「柊平さん、そろそろ終わりにしよう。飲酒運転の危険さは、充分彼らに伝わったよ。交通課の方々も到着されたし。私たちの仕事は、ここでおしまい」
透花は次に、男たちと目線を合わせてから話し出す。
「彼の話を聞いて、飲酒運転の危険さはわかってもらえましたか?」
男たちはコクコクと頷いた。
元々、素直な性格だったのかもしれない。
柊平の話を聞いて、その恐ろしさが身に染みたようだ。
「これからあなたたちには、近くの軍の交通課に行ってもらいます。その後は、この国の法律によって罰せられることになるでしょう。あなたたちは、それだけのことをしたのです。これに懲りたら、二度と飲酒運転などしないように」
透花は、凛とした態度で言い放つ。
「「「は、はい……」」」
男たちの返事を聞いて、透花は満足気に微笑んだのだった。