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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第十四話 ホタルブクロは正義を謳う
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隊長と隊長補佐

 会場までの道すがら、柊平は疑問に思っていたことを透花に尋ねた。


「しかし隊長、なぜ一泊なさることにしたのですか? お祭りを楽しむだけなら、日帰りでも可能だったと思うのですが……」

「泊まらないで帰ったら、明日も仕事するでしょう? 柊平さんに仕事を休んでもらうための、ただの私のわがままだよ。あとは、車移動であることを見越してかな」

「……お心遣い、ありがとうございます」

「感謝されるようなことじゃないよ。さっきも言ったでしょう? ただのわがままだって」


 柊平は、他の隊員たちの前で寛いだ姿を見せるのが苦手だった。

 透花を支える、隊長補佐という役職に就いている故だ。

 透花と二人だけのこの空間では、いつもより気持ちが和らいでいることに気付く。


「ところで、柊平さん」

「はい。なんでしょうか?」

「後ろじゃなくて、隣を歩かない?」


 少し後ろを歩いていた柊平に、透花は振り向いて声をかける。

 柊平が彼女の後ろを歩くのも、生真面目な性格も関係しているが、役職に対する責任からくるものが大きかった。


「……ですが、私は隊長を補佐する立場です。隣を歩くようなことは……」

「今は、仕事じゃなくてプライベートでしょう? そこまで気を遣ってくれなくても平気だよ。急に直すのも難しいだろうから、徐々にでもいいけれど。せめて仕事の時間じゃない時は、立場を気にすることなく隣を歩いてくれると嬉しいな」

「……善処いたします」

「うん、よろしくね」


 このような会話を交わしながら、二人はお祭りの会場へと入っていった。

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