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二人きりの任務
一色隊の隊員である久保寺柊平はこの日、隊長である透花と二人で任務に出ていた。
彼女と二人きりの任務は珍しいことなのだが、柊平は特に気にすることもなくいつものように真面目に仕事をこなす。
今回の任務は、野外の祭りの警備である。
子どもが楽しむような祭りではなく、ビールを飲むことが主体の大人の祭りだ。
二週間という期間限定で開催されているのだが、連日の暑さもあり大変賑わっていた
想定よりも多くの客が押し寄せたため、急遽警備の人数が増員されることになったのだ。
それに駆り出されたのが、柊平と透花だった。
アルコールが入ることで人の気持ちは大きくなり、様々な問題が起こる。
それを解決するのが、今日の二人の仕事だ。
時刻は、午後六時を過ぎた。
契約上、本日の任務はここで終わりである。
「隊長、お疲れ様です」
「うん。柊平さんもお疲れ様! ホテルに戻ろうか」
「はい」
翌日も同じ任務に就くことが決まっていたので、二人は予約しておいたホテルに向かう。
隣同士の部屋がとれたため部屋の前で別れると、それぞれの部屋に入っていった。