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子どもの成長はあっという間
小学校の入学式には蒼一朗と湊人が、高校の方には透花と柊平が出席することになった。
「大和、でっかくなったなぁ……」
「……蒼一朗さん、真剣な顔でビデオ構えながら大の男が目を潤ませるのって、はっきり言って結構不気味ですよ。正直、ひきます」
「……悪かったな。お前は兄弟とかいねーの? いたら俺の気持ちわかると思うんだけど」
「残念ながら、生まれてからずっと一人っ子です。あなたの場合は、兄というよりも父親みたいですよね」
「まぁ、俺が二十歳の時に生まれたからな。もう親もいないし、ほぼ父親みたいなもんだろ」
「……ご両親、頑張ったんですねぇ」
「……やめろ。それはあんまり想像しないようにしてんだよ」
「ふふっ、ごめんなさい。それよりも、大和くんだけじゃなくてちゃんと美海ちゃんも撮ってくださいね」
「わかってるよ。心に絶望的な表情で見つめられるのは勘弁してほしいからな」
成人済みの男性が二人で出席しているだけでも珍しいのに、片方は目を潤ませながらビデオを構えているのだ。
かなり目立っていた。