上品かつ爽やかに、少年らしさも忘れずに
「おぉ……! やっぱりかっこいい……!」
「柊平さんの服装のコンセプトは、清潔感と上品さだな!」
二人は、颯の部屋で柊平から借りた服を見ていた。
仕事中ということもあり、さすがに部屋に入るのは断られてしまったのだ。
その代わり、数枚の服を貸してもらえたというわけである。
「……でも、僕にはちょっと大人っぽすぎるかな?」
「まあ、この服をそのまま着たらそう見えるだろうな!」
「やっぱり、そうだよね……」
「そう落ち込むなって! 別に、柊平さんと全く同じ格好する必要はねーじゃん! こういうテイストも入れつつ、お前らしい感じに仕上げてやるから任せとけ!」
「緒方くん、頼もしすぎるよ……!」
「服に関しては心配すんな! 問題は髪型だな! ヘアメイクとかはいないんだろ?」
「うん、まだ駆け出しだからね。服を選ぶのも、髪型のセットも自分でしなくちゃなんだ」
「俺が当日の朝にやってもいいけど……」
「いやいや、さすがにそこまでは悪いよ!」
「っていっても、普段はあんまり髪いじったりしてねーだろ?」
「……うん。僕、結構不器用なんだ」
「服に気合い入れるなら、髪もちゃんとしねーとな! 爽やかかつ上品に見えて、簡単にできる方法を伝授するぜー!」
「ありがとう……!」
こうして二人は、服装に関する大体の目星をつけた。
その後は、颯による簡単にできるヘアセット講座が開かれたのだった。