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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第十二話 ローマンカモミールの戯れ
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くるまに乗ってお出かけだ!

⑦午後四時、駐車場にて


 シンを探すために歩いていると、シュウヘイが玄関にいるのが見えた。

 くるまの鍵を持ってるから、帰ってきたところなのかな?

 それとも、これからお出かけか!?

 オレは急いでシュウヘイに駆け寄ると、話しかけた。


(シュウヘイ! 帰ってきたのか? それとも、今からどこか行くのか!?)

「……もしかして、これからどこに行くのか聞いているのか?」

(まあ、そんなところだな!)

「……今日は、軍本部で会議があったからな。それに参加している隊長を迎えに行く」

(トウカを迎えに行くってことは、くるまでお出かけだな!? 連れて行ってくれー!!)


 オレは、ぴょんぴょんと跳ねながら意思表示をする。

 オレは、くるまに乗るのが大好きなんだ!

 だって、とっても速いだろ!?

 あんまり乗せてもらえないけど、シュウヘイを見つけてはこうやって頼んでるんだ!


「……一緒に行きたいと言っているのか?」

(そうだ! 頼む!)

「……たまにはいいか。本部についても車外には出るなよ」

(ってことは、今日は乗せてもらえるんだな!? やったー!!)

「用意してから行くので、車の近くで待っていろ」

(わかった! 先に行ってるぞー!!)


 オレは言われた通り、先に駐車場まで行く。

 そこには、二台のくるまが並んでいた。

 一つは隊として借りているもの、もう一つはシュウヘイのくるまだ!

 シュウヘイはくるまが大好きで大切にしてるから、自分のくるまには人を乗せないんだ。

 だから今日も、借り物の方に乗って行くぞ!

 ドアの前で待っていると、水とオレの服を持ったシュウヘイが来た。

 オレがくるまに乗る時は、二つの約束事があるんだ!

 一つ目は、足をキレイにしてから乗ること。

 シュウヘイは、借り物のくるまも汚さないキレイ好きなヤツなんだ!

 二つ目は、頭や体が隠れる専用の服を着ること。

 もちろん、いつもは服なんて着てないぞ!

 でも、窓の外からオレの姿が見えると騒ぎになるかもしれないからな。

 オレが信用してるニンゲンは、この家のヤツらだけだし。

 だから敷地の外に出る時は、絶対に服を着なくちゃいけないんだ。

 体のほとんどが隠れれば、犬や猫に見えないこともないからな!

 オレはシュウヘイの持ってきてくれた水で、まずは足を洗う。

 それが終わったら、シュウヘイが服を着せてくれた。

 この季節になってくると、さすがに暑いな……。


「……暑いだろうが、少し我慢しろ。車内に入ったらクーラーをつけてやる」

(くーらー!! それは助かるぞ、シュウヘイ!)


 準備が終わったオレは、シュウヘイが開けてくれた後ろのドアからくるまに乗る。

 後ろの席の方が、目立たないからな!

 シュウヘイも乗り込んだら、出発だ!

 トウカを迎えに行くぞー!

 オレはくるまも好きだけど、トウカのことはもーっと大好きなんだ!!

 だから今日は、シュウヘイと一緒に行きたかったんだぞ!

 待っててくれよ、トウカ!

 今行くからなー!!

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