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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第十二話 ローマンカモミールの戯れ
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ぷるぷる最高!

④午後零時、キッチンにて


 オレは、キッチンに向かう。

 この時間なら、昼ご飯の準備をしてるハルヒサがいるはずだ!

 ハルヒサは料理上手なだけじゃなくて、とっても優しいんだぞ!

 オレはシンクの前に立つハルヒサを見つけると、急いで駆け寄った。


(ハルヒサー! 見てくれよ! オレ、かっこよくなっただろ!!)

「ぱかおくん。随分毛がさっぱりしましたね。颯くんにやってもらったんですか?」

(おう! そうだ! 涼しいしかっこいいし、最高だぞ!)

「ふふふ、嬉しそうですね。そんなぱかおくんに、他にも嬉しいお知らせがありますよ」

(なんだ!? なんだ!?)

「今日のおやつは、ぱかおくんの大好きなハチミツを使ったデザートです」

(やったー!! ハチミツだー!)


 ハルヒサは冷蔵庫から、白とオレンジの混ざったぷるぷるした物体を出した。


(な、なんだ!? このぷるぷるした物体は……)

「これは、ハチミツ入りの牛乳寒天です。中にはみかんも入ってます」

(へぇー! そんな食べ物があるんだな! とってもうまそうだ!)

「ちょっと作り過ぎてしまったので味見してもらいたいんですが、いいですか?」

(味見!? していいのか!? 断る理由がないぞ!!)


 オレは、尻尾をぶんぶんと振る。

 気持ちが伝わったようで、ハルヒサは床に皿を置いてくれた。

 オレはすぐに、ぎゅうにゅうかんてんを口に含む。

 それは、笑顔にならずにはいられないおいしさだった。


(……うま~~~~~!! なんだこれ! すっごくおいしい!!)

「気に入ってもらえたみたいでよかったです」

(おいしいし、ぷるぷるだから今日みたいな暑い日にぴったりだな!)

「……味見のこと、みんなには内緒ですよ。ぱかおくんの分しかありませんからね」

(おう! わかった!)


 オレはガツガツと、残りのぎゅうにゅうかんてんを食べる。

 すると、それはあっという間になくなってしまった。


(もうなくなっちゃった……)

「お口にあったようで僕も嬉しいです。まだおやつの時間がありますから、そんな残念そうな顔をしないでください」

(……そうだった! これは味見だったな!)

「おやつの前に、お昼ご飯を食べないといけませんね。さて、そろそろ皆さんを呼びに……」


 晴久がキッチンの出口に向かう前に、オレはそこに立ちはだかった。


(味見させてもらったお礼に、オレがみんなのこと呼んでくる!)

「……ぱかおくん、もしかして皆さんを呼んできてくれるんですか?」

(おう! 任せとけ!)

「わかりました。じゃあ、お願いします。お礼に、今日のおやつはちょっとだけぱかおくんの分を多くしておきますね」

(やった! じゃあ、行ってくるなー!!)


 オレは走って、みんなを呼びに行く。


(あれ、でも、味見させてもらったお礼にみんなを呼びに行くのに、更にハルヒサからお礼をもらったら意味ないんじゃ……。……まっ、いいか! あんなにおいしいお礼なら、いつでも大歓迎だもんな!)


 オレは上機嫌だったので、ついついスピードを上げ過ぎてしまった。

 そして、帰ってきたコウタにぶつかっちゃったんだ……。

 コウタ、ごめんな……。

 あっ、ちなみに今日の昼ご飯は冷やし中華だったぞ!

 ツルツルで、とってもおいしかった!

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