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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第十二話 ローマンカモミールの戯れ
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自慢の毛並みだ!

③午前十一時、とある部屋にて


 ふう~、暑かった!

 外での仕事は、疲れたりはしないけどとにかく暑いんだ!

 そろそろ、自慢のこの毛並みがうっとうしくなる季節がくるんだよなあ……。

 そんなことを思いながら歩いていると、廊下の先を歩いてる奴を見つける。

 親近感の湧く毛並み、あいつは……!


(ハヤテー!!)

「お! ぱかお! お前どうしたんだ!? すげー汗だぜ!」

(リクの畑仕事を手伝ってたんだ! この汗は、一生懸命働いた証なんだぞ!)

「前から思ってたんだけど、最近のお前は暑そうだよな……。よし! 俺の部屋に来いよ! その毛並み、俺が涼しくなるように整えてやる!」

(ほんとか!? やったー!!)


 ハヤテは、オレと毛の色が似てるんだ!

 だから、勝手に親近感を持ってるんだぞ!

 実際、いいヤツだしな!

 こいつは毛を整えるのが得意らしいから、任せておけば安心なんだ!

 オレは上機嫌で、ハヤテの部屋に向かった。

 部屋に入ると、ハヤテは鋏を片手にオレに近付いてくる。


「ほんとは丸刈りにした方が涼しいんだろうけど、最近バリカンなくしちゃったみたいでさ! だから鋏でカットしていくぜー!」

(おう! かっこよく頼むな!)


 ……そういえば、バリカンを持ったコウタがハヤテの部屋から出て来るのを見た気がするけど、なんとなくこれは黙っておいた方がいい気がするな。

 ハヤテはちょきちょきと、オレの毛を切っていく。

 あまり切られたくないところを切られそうになったら、首を振ってそこは嫌だと伝える。

 ハヤテにも、それでなんとなくの雰囲気が伝わったみたいだ!

 最終的に、涼しいけどちゃんともふもふしてるかっこいい毛並みになったぞ!


(ハヤテ! ありがとな! めちゃくちゃ気に入った!)

「おっ! その反応だと喜んでくれてるみたいだな! それなら俺も嬉しいぜ! また切ってほしくなったら、俺のところに来いよ!」

(おう! じゃあオレ、早速他のヤツにこの毛並みのこと自慢してくるな!)


 オレは、来た時よりも上機嫌でハヤテの部屋を出る。

 一番優しく褒めてくれるのはトウカなんだけど、今は屋敷にいないんだよな……。

 よし、それならあいつのところに向かうぞ!

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