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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第十二話 ローマンカモミールの戯れ
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オレも働くぞ!

②午前九時半、家庭菜園にて


「行ってきま~す」

(気を付けて行けよー!)


 用事で出かけるコウタを見送ったから、次は畑に向かうぞ!

 ここは、リクとハルヒサが管理してる場所なんだ!

 この時間なら、リクがいるはずだ!


「……今日は、この辺を頼むよ」

(おう! 任せろ!)


 予想通り、畑にはリクがいた。

 実はオレ、毎日ここで手伝いをしてるんだぞ!

 リクに指定された辺りの雑草を、ちょっとずつ食べる。

 草抜きは大変だから、オレが食べるとすごい喜ばれるんだ!

 最初は野菜をつまみ食いするんじゃないかって思われてたみたいだけど、そんなことしないってわかったらこの仕事をオレに任せてくれるようになったんだ!

 たまに新鮮な野菜も貰えるし、やりがいのある仕事なんだぞ!


「………………………………」

(はむはむはむはむ……)


 理玖はあんまりしゃべらないから、オレたちは無言で作業を進める。

 すごく無口だから、怒ってるって思ったこともあった。

 でも、それは違うんだ。

 だって――――――――――。


「……いつもありがとう」


 そう言って俺を撫でる手がこの家に住んでるニンゲンの中で一番優しいことを、オレだけが知ってるからな!

 リクは、みんなの前だとオレのことを撫でてくれない。

 でも、オレと二人になるととっても優しいんだぞ!

 こういうニンゲンのことを、ツンデレって言うらしいな!

 コウタが言ってるのを聞いたんだ!

 シンに言ったら、リクの前では言っちゃダメって言われたんだけどなんでだろうな?

 オレの言葉は、リクには聞こえないのに変だよなあ。

 まっ、オレはシンを信頼してるから言うことは聞くぞ!

 たらふく草を食べてお腹がいっぱいになったオレは、リクの手を舐める。

 オレはもう帰るぞって合図なんだ!


「……お疲れ様」


 これをすると、リクは最後にオレのことを撫でてくれる!

 一仕事終えた後に撫でられるのは、格別に気持ちいいんだぞ!

 ふう、ずっと外にいたからさすがに暑いな。

 次は、家の中で過ごすぞ!

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