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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第十二話 ローマンカモミールの戯れ
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キレイな音だ!

 オレの名前はぱかお!

 ワケあってこの屋敷で暮らしている、オスのアルジャンアルパガだ!

 今日は、オレの一日を紹介するぞ!






①午前九時、サロンにて


 まずは、みんなが”さろん”って呼んでる部屋に向かうぞ!

 ここからは、いつもキレイな音が聴こえてくるんだ!

 “ぴあの”っていう楽器の音らしいけど、詳しいことは知らない!

 でもオレはこの音が大好きだから、よく聴きにくるんだ!

 中でぴあのを弾いてるのは、大体コウタだ!

 部屋の外でも聴こえるけど、どうせなら近くで聴きたいからな!

 でも、ドアはしっかりと閉まってる。

 中から開けてもらわないといけないんだけど、集中してるコウタに気付いてもらうのはしなんのわざなんだ!

 俺はさろんの扉に、勢いよくタックルをかます。

 何回かやってる内に、コウタが気付いて扉を開けてくれるんだ!


「ぱかお、いらっしゃ~い。今日も元気だね」


 今日は一回やっただけで気付いてくれたから、早いな!

 五回やっても気付いてもらえなかった時は、頭が割れるかと思ったんだぞ!

 コウタが開けてくれたドアから、俺はさろんに入る。

 そして、ぴあのから少し離れた場所に座った。


「今日はこれから出かけるからね~。あと一曲でおしまいにしようと思ってたんだ」

(そうなのか! じゃあオレは運がよかったな!)

「ぱかお、運がよかったね~。何かリクエストはある?」

(そうだな……。じゃあ、楽しくなれるような曲を頼む!)

「……って、俺は心ちゃんじゃないから聞いてもわかんないんだけどね~。そうだなぁ……。さっきの元気なぱかおを見て楽しい曲を弾きたくなったから、それ弾こーっと☆」


 ……ここに住んでる奴らは、不思議だ。

 オレの声はシンにしか届いてないはずなのに、時々こんな風に意志疎通ができるんだ。

 こういう奴らばっかりだから、オレは人間が怖くなくなったんだろうな……。

 さーて、コウタのピアノが終わったら、次はどこに行こうかな!

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