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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第十一話 ベナムールに愛を誓う
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それぞれの準備

 大吾と別れた理玖のもとに、湊人がやって来る。


「うまく誘導できたみたいですね」

「……かなり強引だったけどね」


 二人は微妙な距離を保ちつつ、歩き始めた。






 まずは、キッチンへと向かう。

 そこには、大量の料理に囲まれた晴久がいた。


「晴久さん、お疲れ様です」

「……準備はどうだい?」

「あっ、湊人くんに理玖さん。はい、みなさんに手伝っていただいたので終わっています。立食なので、食べやすいものを二十種類ほど作ってみました。あとは……」

「晴久さん、さすがですね」

「……まさか、こんなに本格的なものを作ってくれるとはね」

「ありがとうございます!」


 二人に褒められた晴久は、顔を綻ばせる。

 理玖と晴久はキッチンを後にすると、庭へと向かった。






 そこには、柊平、蒼一朗がいた。

 少し離れた位置で、ピアノを弾いている虹太の姿も目に入る。


「こちらも、準備は大丈夫そうですね」

「……あのピアノ、サロンから運んだのかい?」

「ああ。椎名がどうしても生演奏がいいと言うからな。隊長の手を煩わせてしまった……」

「おかげで俺らは楽できたけどな。会場のセッティングも終わってるぜ」

「設営のためにかなり色々調べましたからね。喜んでもらえなかったら困っちゃうなあ」

「……今日がいい天気で、本当によかった。花も綺麗だ」

「そうだな。招待客の方々も皆さんお揃いだ。いつでも始められるぞ」

「……にしてもあいつ、さっきからエンドレスで弾き続けてるけど疲れねーのか?」


 理玖と湊人は虹太に視線を送りつつ、その場を後にする。

 そして、庭の隅へと向かった。






 そこには、何かが書かれている紙を見ている心の姿があった。


「やあ、心くん。セリフは覚えられたかな?」

「……君が一番心配なんだけど」

「……大丈夫。多分……」

((不安だ……))

「僕、本番には強いから……」


 どうやら、紙の内容を覚えなければならないらしい。

 いつも通りぼんやりとしている心は、きちんとそれを記憶することができたのだろうか。

 二人は不安を抱えつつもその場を離れると、とある部屋に向かったのだった。

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