データマンの本領発揮!
「透花さん、この内容でお伝えしようと思うんだけど、チェックしてもらえるかな?」
透花が二人と晩酌を楽しんだ翌日の午前中、書類を持った湊人が彼女の執務室へ現れた。
渡された書類に、透花は目を通す。
そこには、日菜子に関する情報が纏められていた。
それだけではない。
配偶者となった大吾の生い立ちや現在の勤め先などについても網羅されている。
「相変わらず、仕事が速いよね。今回も完璧な……」
透花の視線が、書類上のある一点で止まる。
そこの文章を何度も読み返してから、湊人へと声をかけた。
「これ、昨日私が言った”より精度を上げた、依頼人さんのためになる情報”だよね」
「うん。僕の私的な理由で情報の提供が遅れたんだから、張り切って調べさせてもらったよ」
「……お手柄だよ、湊人くん。この情報があれば、親子の再会も上手くいくだろうし」
「……まさか、二人の仲を取り持つつもり?」
「うん。そのつもりだよ」
「……それはさすがに、お節介なんじゃないかなあ」
「今回のことって、多分湊人くんが考えているような難しいことじゃないと思うんだよね。お互いが勘違いをして、少し糸が縺れているだけだよ、きっと」
「……どういうこと?」
「それを知りたければ、湊人くんも同席することをオススメします」
「……はあ、わかった。情報提供者として、責任を持って同席させていただきますよ」
「それはよかった。じゃあ、依頼者の方には私から連絡しておくね」
こうして、日菜子と父が再会する段取りが透花によって組まれたのだった。
当日その席には、透花と湊人、日菜子と父親、そして日菜子の付き添いとして透花に無理矢理連れて来られた理玖の姿があったという。
果たして彼らは、何を話し合ったのだろうか――――――――――。