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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第十話 シクラメンな二人
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自然に囲まれるのを好む人

「理玖さん、大変っす! 門の外に具合が悪そうな人がいます!!」


 一色隊の隊員である春原理玖が、いつものように庭いじりをしていた時のことだ。

 隊員であると同時に医者でもある彼は、薬を作るための薬草を庭で育てている。

 薬草だけでは飽き足らず、少し前から花の栽培も始めた。

 屋敷の庭は、彼が育てている花で綺麗に彩られている。

 そんな理玖に、慌てた様子で声をかける者がいた。

 この口調、颯である。


「……体調が悪いなら、入ってくればいいだろう。看板は出てるんだから」


 理玖は、屋敷の一角に“春原診療所”という名の診療所を構えていた。

 しかし、近くに大きな総合病院があることもあり患者はほとんど来ない。

 隊員たちが怪我をした時や、病気になった時に使われる程度のものだ。

 なので、一応開所はしているものの、今日のように庭の手入れや部屋で研究をしながら過ごすことの方が多かった。


「そう言ったんすけど、お金がないっって! でも、めちゃくちゃ体調悪そうなんすよ!」

「……お金のことは気にしなくていいから入ってくるように伝えて」

「了解っす! じゃあ、行ってきますね!」


 理玖の答えを聞き笑顔になった颯は、ダッシュで門を出て行く。

 理玖は作業を途中で止め、診療所へと戻った。

 そして、手を洗い白衣を着ると、颯が連れてくるであろう患者を待つのだった。

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