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少女からの贈り物
数日後、美海はある物を片手に颯の部屋を訪れた。
「はやてにい、いるー?」
「おう、いるぜ! どうしたんだ?」
「これ、あげる!」
部屋から出てきた颯に、美海は持っている物を渡す。
「ミサンガ……?」
それは、青と白の爽やかな色合いのミサンガだった。
「みうのことかわいくしてくれたお礼! 手作りだよ!」
「みうちゃんが作ったのか!? うまいなー!!」
「作り方わからなかったから、とうかねえに教えてもらったんだ! ほら、みうもお揃い!」
美海は、自分の左腕を見せる。
手首には、颯に渡したものと全く同じものが巻かれていた。
「大事にしてね!」
「うわー、ありがとな! すげー嬉しい! もちろん大事にするぜ!」
颯は優しげな手つきで一撫ですると、すぐさま自分の左手首にそれを巻くのだった。