運命の少女と選択
7章
見た目より広く感じるこの洋館の廊下を歩きながら色々な事を考えていた
この場所…そして元の世界の事
何故俺がこの場所に来てしまったのか
いくら考えても分からない
「着きましたよ」
どうやら到着した様だ
大きめの部屋でおそらく一番奥の部屋だと思う
「お入り下さい」
中に入るとやはり結構な広さがある
「ん…?」
奥に誰か座っている
「お嬢様連れて参りました」
お嬢様と呼ばれた人の方を見る
見た感じでは俺より幼い少女のように見える
「よく来たわね」
「あなたは外から来た人の用だけど少し変な所があるのよね」
変な所?なんの事だろう
「えっと…変な所って?」
「私はね【運命】を操る事が出来るの」
「でもね、貴方の【運命】が何も見えないの」
「例えるならまるで、何も存在しないか、
それとも…、すでに終わっているか」
運命がない…?未来が無いってことか?
それよりも
「【運命】を操る?」
「どういう事なんだ?」
「簡単に言えばちょっとその人の運命を知り、変える事が出来るの」
「でもあなたには何も見えない、それはおかしいのよ」
「生きている限り、【運命】から逃れる事は出来ないのだから」
「あなた、今までの事を教えてくれる?」
そう言えば記憶がない事を話していない
少女に対して記憶がない事そして、ここまで来るまでの経緯を話した
「記憶がない…?もしかして…」
怪訝そうな顔をしている
「あなたの【運命】を少し見させて貰うわね」
運命を見る?
「さっき【運命】がないとか言ってなかったか?」
「見るのはあなたの少し前の【運命】」
「あなたに何があったのかを見てみるわ」
「そうすればあなたに記憶を戻す事ができるかもしれない」
記憶が戻る?本当に…?
「少し待って」
少しして少女が口を開いた
「あなた本当に記憶を思い出したい?」
何故そんな事を聞くのだろう
「あまりいいものではないわよ」
だとしても俺は
「記憶を取り戻したい」
「…わかったわ」
すると少女はナイフを取り出した
「ちょっとこっちに来て」
何かするようだ、従って近くに行く
「私に背を向けてくれる?」
何故そんな事をするのだろう
取り敢えず背を向けた
「やるわよ」
と言った直後に
ドスッ
腹にナイフが刺さった
「あ…?」
この時頭に、記憶が流れ込んできた
家族の事、学校の事、友人、幼馴染、恋人…は居ないようだけれど
家族と一緒に食べた夕食
友人と行ったカラオケ
親が居なくて、昔からよく遊んだ唯一の女友達である幼馴染
今まで生きてきた事による記憶が戻って来た
そして…殺された事
俺は気を失った
夢の中
また、俺がいる
前に見たのと同じで何も無い場所
歩いている、歩いている
目を覚ました
前に少女がいる
「起きたようね」
「どのくらい気を失っていた?」
「10分くらいよ」
あまり時間はたっていないようだ
「ありがとう」
「記憶はしっかりと戻って来た」
戻ろう自分がいた世界に
「…?お腹の傷がない」
「あなたの状況を説明させて貰うわ」
あなたは死んだ
だけど、あなたはここに居る
しかし、運命の悪戯なのかあなたはこちらに飛ばされてきた
だから、あなたの時間がそこで止まってしまっている
簡単に言えば不老不死と同じという事らしい
「だから、傷も治っているのか…」
「それと…あなたを殺した人が誰か知りたい?」
ん?なんて言った俺を殺した人?
「わ、わかるのか?」
「わかるけれどそれはあなたにとっていいものではないわよ」
いいものではない…だとしても俺は知りたい
俺がどうしてこんな事になったのかその原因を
「わかったわ」
「ーーよ、あなたを殺したのは、ーーよ」
何を言っている?それは、
俺の幼馴染の名前じゃないか!
「本当…なのか…」
「くそっ…」
早く…確かめなければ…元の場所に戻って
「元の世界への帰り方を教えてくれないか?」
「それは別に良いけど、あなたは死んだ」
「こちら側にいるという事はあなたも【忘れられた】存在という事よ」
「あなたの存在自体が向こうにはなく、辻褄合わせがされている」
それに不老不死だという事もね
「本当に戻るの?」
yes←
no
俺はここでの選択を忘れることはないだろう




