不明
あ
ここ最近、夢にうなされるようになった。
ありとあらゆる命を奪う恐ろしい夢。
枯れた大地、荒廃した都市、そしてあたりに散らばった死体の数々。
その中心で死体を弄ぶ・・・陽炎のように淡い人の形をした何か。
「それ」を見ていると自分を見ているようで怖くなり起きてしまう。
いつも起きると、朝なのか夜なのか分からないのでよけいに怖くなる。
この部屋には、時間を知る術がない。
時計もなければ、窓もない。
完全なる監禁状態なのだ。
俺以外の実験体は、怖くなると精神が不安定になってよく部屋から出ようと暴れるらしい。
そんなの俺は、小さい頃何回もやって無駄だと言う事を学習した。
だからもう、何年も脱走しようと暴れていない。
だが、あれから何年か経っているし能力も増えて昔以上の力があるし、何より悪夢のせいで気も優れない。
・・・やってみるか・・・
俺の獣化には、今のところ3種類ある。
1つ目は、狼や虎を合成してできた獣そのもので、全身を獣化させる、まさに獣人間。
能力は、破壊力とスピードに特化されている。だが防御面は手薄。
2つ目は、コモドドラゴンや恐竜の化石のDNAを合成してできるだけ竜に近づけたもの・・・らしい。
こいつは部分的に変化可能で、全身を獣化させると竜人間になる。
こいつの能力は、破壊力と防御面に特化されている。だがスピードは普段と変わらない。
3つ目は、今までの2種類を融合した能力、姿は狼と竜が交じり合った【キメラ】の姿。
能力的には破壊力、スピード、防御面、共に文句無しの能力だが、体力の消耗が激しく、長くて3分しか持たず、3分超えると手足の骨は折れ、獣化は自動的に解け、それから少なからず1日は獣化できなくなりどっと疲れが溜まり、動きが取れなくなる。
これは普段使わず、万策尽きた時のみこの力を使用している。
ついでに言うなら手足の骨が折れても治癒能力が高いのですぐ骨は治るから困らない。
そして、俺はこれらの獣化に名前を付けている。
1つ目を獣人、2つ目を龍人、3つ目を龍狼と名付けた。
そして何より戦闘で欠かせないのが、改造の影響でコントロール出来る様になったエネルギー。No.2と戦ったの時の様に空気中の水分を凍らせる事も出来るし、体内で炎を作り体のどの部分からでも高温の炎だって出せる、もちろん火傷はしない。雷は電気うなぎの内臓と俺の内臓を合成し作り出せるようになった。といってもそれ以上は何も出来ない。応用を利かせればいろいろ出来そうだが・・・そういう研究心はない。
さて、この何も無い部屋の頑丈で冷たい壁を壊すには龍人が最適だろう。
「ふぅ・・・」
そして深呼吸し龍人に獣化した。
そして、壁に向かって思いっきり怒涛の如く連撃をあたえる。
おまけに炎と雷を片手ずつに纏って破壊力が増す様にした。これでどうだ!
「だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
壁の一点の場所に100発本気で殴った。
しかし、壁にはヒビどころか傷一つ付いていない!!!
嘘だろ!?年を積み重ね能力も力も昔以上に強くなったはずの俺の力でさえ傷一つ付けられないだと・・・
クソ・・・クソ・・・!
「龍狼・・・・」
と俺は、龍狼に獣化し、ひたすら壁を殴り続けた。
「No.1!!無駄な消耗を中止しろ!」
放送が鳴る。
でも俺は、そんなの無視して暴れ続けた。
圧倒的な力量を持ってしても壊せない壁、怒りの矛先は壁にしかなかった。
突然、アラーム音と共に首の拘束のランプが赤く点滅しだした。
そして音が鳴り止みランプも消えると、体中に高電圧の電流が流れ出した。
「うぐっ!!?う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
と、俺は首の拘束の電撃に耐えられず気を失った。
気を失ってからいくら経ったろう?俺は、目を覚ました。
だが床に倒れたままピクリとも体を動かせない。
しょうがない・・・このままボーットしてるのも何だし、寝るか・・・
すると、又も死体を弄ぶ夢を見てうなされて起きた。
(やっぱりな・・・)
起きると体も普通どおり動くようになっていて、安心。
ただ少し体と拳がズキズキと痛む。
そして結局俺は壁は、壊せないと学習してベットに横になる。
「No.1起きて手の拘束を付けろ、移動だ」
部屋の向こうから響く。
俺は、言われるままにベットから降り、手の拘束をつけてドアの前に立つ。
ドアが開き、実験委員が俺をいつも通り静かにどこかへ連れて行く。
そしてこの前と進む道が違うが重々しい頑丈そうな扉の前に連れてこられた。
また殺しか・・・
と思っていると。
「No.1、新しい拘束器具だ。今度からこの部屋に何度も出入りする事になるからな、その為の物だ。」
「一応言っておくがこれはお前の身体能力を抑える器具だ。そして、能力の高いお前と他4人にのみ装着される。」
「とにかくだ!この先の部屋であだこだは起こさないように!それじゃあ入れ!」
と手首にサイズぴったりの拘束を付けられ、扉が開く。
するとそこには、今まで見た事の無い光景があった。
それは今までにない、緑広がる大地に花がさき綺麗な川に、鹿や小鳥などの小動物がいて争いの無さそうな、まるで楽園の様な所だった。
思わず唖然とした。
どこか懐かしいような・・・そんな感じがした。
「ここは、お前達の為に作った安らぎの間だ。」
「お前達は、精神が不安定になると暴れるからそういう事の無いように安心できるところを作った。」
「それともうこれからは・・・殺しは中止となった。」
「これからは、平和のため君達に力を貸してもらう事にする事になった。」
「今までの侘びと謝罪の変わりにこの部屋を作った次第だ。しっかり癒されてくれ。」
と言い実験員は、俺の手の拘束を解き笑顔で扉を閉じた。
・・・どういう事だ!?いきなりどうして!?どうして優しくなった!?もう何年も俺らを実験や殺しをさせていまさらどういう事だ!?
俺は、疑問が絶えず頭を悩ませた。
だが、あの悪夢と日ごろのストレスから成る疲労で。何よりこの風景のせいで、疑問はかき消されてしまった。
それによく見ると、辺りに同じ白い服を来た実験体が遊んでるではないか!?
全員が「楽園」を満喫していたのだ。
つい俺も他の実験体と一緒に遊びたくなったが、微々たる警戒心から少し辺りを歩く事にした。
色々観察していると、どう見ても実験体たちは、中には俺と同じように警戒しているものもいるが敵意も殺気も無い。
周りが気になりキョロキョロしながら歩いていると。
「あイタ!」
と誰かにぶつかった。
そしてぶつかった相手を見ると金髪で碧眼の女の子で年は、俺と同じぐらいの子だった。
「あ、ごめん!よそ見してて・・・」
「怪我、ない?」
と俺が言うと女の子は笑顔で。
「大丈夫だよ!怪我してないよ?」
と言った。
「ねぇ一人?一人だったら一緒に遊ばない?遊ぶ相手いなくて・・・」
「一人だけど・・・俺なんかでいいのかい?」
と尋ねると笑顔でうなずく。
そして後の流れで一緒に遊ぶ事になった。
するとその子は外見からうかがえるような優しさを持っていた。
それに、話によるとその子は俺と違って名前もあるという。
名前はリズベット。
「ねぇ!キミの名前まだ聞いてなかったね」
「名前は何ていうの?」
と花で何かを作りながらリズベットは、名前を聞いてきた。
「・・・俺?えっとさ・・・名前・・・・分かんないんだ。」
「名前が分かんないんだ~。じゃぁ名前が無いと可愛そうだから私が名前を付けてあげる!!」
と笑顔で言い、リズベットは真剣な顔になり俺の為に名前を考える。
「ん~・・・じゃあブーキュム!」
「なんか違う感じが・・・」
「じゃぁね!うーんとね・・・ラミレル!」
「ダメって訳じゃないけど・・・うーん・・・もう少しないかな?」
「じゃあボンダゼ・レミ・ム・サーレンズってのはどう!?」
「それはないな」
「へぇ!?結構いいと思ったんだけどな・・・」
そして数分後・・・
「流石にゼヌーラは・・・もっとマシなの無いかなぁ?」
「何かいい名前は・・・クロード?・・・そうだ!クロードって名前どうかな?」
俺に問う。
今までの名前が変なものばかりだったからか、聞こえが良かった。
ただそれだけだった。
「クロード・・・うん!良いね!」
俺は、クロードと言う名前になった。
「クロードの名前の由来は、ねぇ?」
「昔、まだここじゃない外の世界にいた頃に読んだ絵本に出てくる優しい王子様の名前なの!それでね?王子クロードは貧乏な家にいつも自分の高価な宝物を恵んだり、悪者から皆を守ったりする優しいくて、とっても強い王子様でね!皆から”英雄クロード”って呼ばれてたの!クロードは、何か話し方とか雰囲気が優しそうだからその名前がぴったりと思って!」
リズベットは、俺の為に名前の由来と理由を教えてくれた。
「ありがとう・・・俺!この名前大切にするよ!!それに俺、その王子見たく強くて優しい人間になるよ!!」
とリズベットに嬉しく笑顔で言った。
「フフッ!よろしくねクロード!」
名前・・・どんなものであれ、とても嬉かった、とても暖かかった・・・こんな気持ち、久しぶりだ・・・
それから二人で遊んでいると。
「皆ぁ~!今日は、楽しめたか~い?また明日も遊べるから今日は、自分の部屋に帰りましょ~う♪」
とふざけたテンションで「楽園」に放送が流れる。
だが俺達は、そんなの気にせず出口へと向かった。
すると実験員が笑顔で迎えに来た。
今まで無表情だったのに行き成り笑顔になられても気持ち悪いだけだ・・・。
それに実験員は、俺に積極的に話しかけるようになった。
何日も同じように「楽園」に行きリズベットと遊ぶ楽しい毎日が続き最高だった。
それからというもの、あの悪夢を見なくなった。
ある日、いつも通りリズベットとお花で花飾りを作って遊んでいると
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
と聞き覚えのある叫び声がする。
・・・・まさか!?
俺は、声のする方向を見るとそこには、No.2の姿があった。
よく分からないが俺のいる場所に向かって走ってくる。
よかった!!生きてたんだ!!よかった・・・よかった・・・
と俺は、嬉しくて立ち上がった。
No.2と俺の距離は、段々縮まっていく。
するといきなり、No.2が走りの勢いを付けて俺に向かって両腕を振り下ろしてきた。
両腕を振り下ろす時の動作が、あまりにも大きくて分かりやすかったから攻撃するとすぐ分かった。
俺は、両腕を龍人化させてガード体制に入る。
するとNo.2の手から出す刀は、以前とサイズがけた違い、以前は日本刀サイズの細く刃の長さは、約90~100cm位だったのが、太くて刃の長さは約130~140cm位のサイズの大剣に変わってた!
あまりにも刀の形体が変わりすぎで立ったってガード体制に入ったのに対して、重さと勢いに負けて跪いてしまう。
それに形だけでは無く切れ味も増していて、龍人の龍の鱗でさえ少し壊され腕に刃が減り込んでいる。
「イッツツツ・・・No.2・・・生きてたんだな」
「おかげさまでね・・・・」
とNo.2が喋る。
以前戦った時と違って彼の眼は、通常の人と同じ普通の目をしていた。
No.2の精神不安定は、無くなり腕も回復しているようだ。
精神が安定していると前の戦い見たくバカみたいに真正面に突っ込んでこなくなるから難しい戦いになるだろう。
そんな事よりリズベットは!?
と俺は、気にしていると
「ブフッ!!」
と何かに蹴られNo.2は、約10mほど飛ばされる。
俺は、よく分からず
「え」
と一言発して少し静止していると、
「大丈夫!?クロード!」
と俺の目の前にリズベットが立っていた。
俺は、よく分からず
「あ、うん」
と言いリズベットを見る。
すると、俺の目に映ったリズベットの姿は足に黒い炎のような物をまとい、手からひじまでもが黒い炎のような物をまとっている。
どう言う改造を施されているのかは分からないが、どうやらこれがリズベットの能力らしい。
飛んでいったNo.2は数秒腹を押さえて悶絶していたが、すぐに立ち上がりリズベットに向かってもうダッシュし、女だからなめているのかグーで殴りかかる。
するとリズベットの手から肘まで覆っている黒い炎が少し大きくなりそのままNo.2に殴りかかる。
だが・・・リズベットのパンチは命中したのは命中したのだが・・・何と言うか・・・強烈なげんこつたっだ。
現にNo.2は、頭に強烈なげんこつを入れられ大量な鼻血を出しながら気絶している。
ついでにピクピクしている。
・・・怖!!俺No.2じゃなくてよかった・・・・。
リズベットに出会って約一ヶ月位経つけど・・・こんなに恐ろしかったのか・・・。
それから俺はリズベットに訳も分からず喧嘩はダメ~だの怖かった~だの正座の状態で説教、5分ぐらい経ってやっとNo.2が目を覚まし一緒に正座で説教を受け、それとなく仲直りらしい事をされた。
そして、No.2も俺と同じく名前が無いらしいのでリズベットが名前を付ける事になりまた前みたく時間が掛かると思いきや、ほんの20秒程で
「セシルはどうかな?」
・・・と凄い笑顔。
「ヘッ!?すぐ名前でたな・・・」
「どうでも良いが悪くはねぇ、由来だ、由来教えろ。」
とNo.2は鼻をほじりながら言う。
・・・荒々しい言葉使い・・・。
「えっとね~外の世界にいた頃読んだ本で出てくる優しい王子様の相棒の剣士の名前!!」
とリズベットは、凄い笑顔で言った。
・・・それって前俺に付けてくれた本かな・・・?
「おい!おい!なら俺がその王子の名で良いじゃねえか!その王子なんて名前だ?」
「え、クロードだよ!」
と満面の笑みを浮かべ、リズベットが言うと俺の方をNo.2は見てくる
「あっ・・・・あはは・・・」
笑うしかねぇ・・・。
場に沈黙が続いた後。
「この野郎ォ!!」
と、彼はとたんに立ち上がり刀を出そうと構える、が、またリズベットにあのげんこつを食らうと思ったのか顔を真っ青にして彼はゆっくりと腰を下ろした。
「ま、まぁそいつ王子様とやらの相棒なんだから強いんだろうな?」
と眉間にしわをよせて尋ねる。
「ん?強いよ?だって王子様の相棒なのに弱いんじゃ困るだけだよね?」
「そ、それもそうだな!なかなか冴えてるじゃんかよ」
いや、普通わかるだろ・・・
「じゃ~そいつ強いんならセシルで良いや」
・・・と言う事でこの荒々しい言葉使いで戦闘好きなバカの名前はセシルと言う名前になった
「英雄クロードと大剣士セシル!うふふふ!なら私はお姫様のロージェスね!」
「ロージェスねぇ・・・っていうか、リズベットは何が由来なんだろうな?」
セシルが言った
「私かぁ・・・昔外にいた頃に気がついた時はお母さんにそう呼ばれていたから・・・わかんないな。」
「そっか、まーリズベットには俺らと違ってリズベットって名前がある、それだけでいっか!、」
「それもそうだな!アハハハッ!」
「そうだな、俺は英雄クロード、お前は大剣士セシル、そしてキミは姫君リズベットだ!」
「ハハハッ!そりゃいいや!王子様じゃなくても悪い気しねぇぜ~!」
・・・ハハハッ・・・
それから「男が花遊びってっゼッテーいやだ!!」と言う事で、セシルが動物好きらしく動物と遊ぶ事になった。
そして俺はなんと犬になつかれやすいと言う事を知った。
現に7匹ほど俺に集ってる。
「クロード!!それ狼!!!」
とリズベットは危険を察知し、能力を使って木の上に上る。
「なんだって!?」
と、セシルも能力を使って刃を出してどうにか上る。
「・・・え・・!?」
なぜ此処に肉食動物が!?
俺はよく理解できないが、獣人が一番狼に姿が似ているから試しに獣化した。
そして俺は思いっきり威嚇をかましてやった。
すると狼はおびえてクンクン鳴いて何もしてこない、もしかしたらもともと襲おうとしてた訳じゃ無いのかも知れない。
少し悪い事をしてしまったと思いすぐに獣化を解き狼をなでてみる。
やはり狼は何もしてこない、どうやらしつけられてる様だ。
だから【楽園】にいるのか?
・・・考えるのは面倒だ、後で係の人に聞けば分かるからそうしよう
その後2人も木から降りてきて、狼達と仲良くなり、遊んでいると。
するとコールが流れた
「No.1のクロード君♪至急出口へ来てくださ~い」
と放送で俺を呼ぶ。
「呼ばれてんぜ?クロード?」
「・・・!?」
「どうしたクロード?呼ばれてるってよ」
「・・・言われなくても分かってる。ま~どうせ平和の為のなんとやらでしょうよ、すぐ終らしてくるさ!」
と言い出口まで2人に見送ってもらった。
出口には実験委員の人が笑顔で立っている。
「やぁ!今日も楽しかったかい?」
と実験委員の人はこんな風に話しかけてきて、いつも俺は「あぁ楽しかったよ」と笑顔で返す。
それから部屋までいつも楽園でどんな事があったのかよく話す。
それでいつも最後に部屋に入る前や実験が終った時あめと言う食べの物や、キャラメルと言う食べ物をくれる。
どうやら外の世界では普通に食べ放題らしい。
俺も早くこの世界を平和な争いも、問題も無い世界にして外に出て色んな食べ物を食べたい。
その為にはまず俺らが頑張らなくちゃいけないから頑張るとしよう。
張り切って実験室に入ると今回の実験の説明をさせられた。
どうやら今回の実験は世界と関係なく俺の能力をもう1つ増えないかの実験らしい。
いてぇのは嫌なんだけど・・・
と俺は実験の土台に乗りながら思った。
すると実験委員の人が黒い変な液が入った注射を両肩、両肘、両手首、手のひら両足に打つ。
そしたら段々気分が悪くなってくる。
う・・・やべぇ気持ち悪い・・・。
と思っていると体が段々暑くなって来て腹から喉へと何かがこみ上げてくるのが分かった。
最初は軽くしか、こみ上げてこなかったのに段々とひどくなって来る。
どうにか吐かないように踏ん張っては見るが凄い気持ち悪い。
そしてついに我慢が出来なくて吐き出して見るとソレは血だった。
嘘だろ?血?いったい何を注射したんだコイツら!!
「大丈夫かい?少しのしんぼうだ我慢しておくれ」
と実験委員の人は俺の苦しむ姿を見て自分も苦しんでいるか様な表情で俺に声を掛ける。
俺は言われた通り我慢した、するとまたも怪しい注射を俺に刺す。
注射をし終わると、俺の体に色んな器具を取り付けて起動し始めたのか変な機会音が鳴る。
すると急に体中が凄い激痛に襲わだした。
「う゛ッあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛うっぐ・・・あ゛っあっ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
やばい・・・痛い・・・痛い・・・助けて・・・リズベット!!セシル!!みん・・・な・・・・
と俺は心の中で叫んでいると急に体の力が抜け痛みも何も感じなくなり急に視界が真っ暗になった。
俺は気付くと暗いのか辺りが黒いのかよく分からない、今俺が目をつぶっているのか開けているのか分かも分からない不思議な状態になっていた、だた体を動かすと鎖の様な音がし、拘束されてるのが分かった。
俺はどうにか取れないか無駄に暴れる。
5分程暴れていると
「威勢が良いな小僧!!」
とこの真っ暗な空間に声が響き渡り、俺の近くで黒と紫が混ざった色の炎が大きく燃え出した。
「小僧!!お前は何度も死の世界に来ていながら何度も生き返ったな!!」
「それは重大な罪だ!!よってお前をこの死と生の狭間の空間で罰を与える!!」
「悪魔200体で地獄の痛みをお前に与え死んでもらおう!!」
「それでもしお前が生きていれば永遠の呪いで許してやろう!!」
と上から目線で何かの声がこの死と生の狭間とやらの空間に響く。
つまりだ、俺は死と生の狭間にいると言う事は死に掛けているのか
と一応状況を理解していると、拘束が解けたらしく身動きが出来るようになった。
俺は立ち上がると、俺を中心に約半径30m程の間隔で激しい炎に囲まれ、逃げ場の無いバトルステージの様なのが出来上がる。
少しすると炎が道を作るかのように、変な化け物がそこから現れた。
姿かたちは人間と同じ形なのだが巨大な鎌を持ちピエロの様な格好をしている。
そいつはぞろぞろと湧いて来ていっせいに俺に飛びかかってくる。
俺は瞬時に全身を龍人に獣化しフルパワーで炎のブレスを吐いた。
すると化け物は苦しむように燃え死ぬ。
俺は一応頑張れるように倒した化け物の数を数えるとこにした。
そしたら段々と化け物の力が強くなって来たが、100体ほど辺りで化け物のが出て来たのである。
身軽そうな化け物もいれば、重々しい装飾のされた化け物も出てきた。
俺は必死に生きようと戦うしかない。
獣人になり、鉤爪で化け物を切り裂いたり化け物を食いちぎったりした。
段々と俺の体がずたぼろになり左足が動かなくなった。必死で戦っていた。
またリズベットとセシルのそばにいたい、それだけの理由で必死に戦う。
そして、最後の1体を倒した時、新たな敵影が目の前に現れた。
そいつは衝撃的だった、俺の獣人のモデルとなった"ライカンスロープ"という狼人間が相手だったからだ。
やばい・・・殺られる・・・マジの狼人間に勝てるわけがない・・・
ライカンスロープは、目の前に一瞬で近寄り、鉤爪で切りかかる。
俺は相手が早すぎて反応できず、左腕を斬り落とされた。
「う゛っぐっ!!」
と痛みを堪え、叫ぶのを我慢するしかなかない、獣人だと防御に特化はしていないので龍人に獣化。
ライカンスロープは鉤爪で斬り裂こうと何度かしたが龍人の鱗で無効化されるのに気付き殴りや、蹴りの攻撃へと変わった。
やはり本物は殴りや蹴りの威力も桁違い、ガードをするごとに鱗がはげていく。
もう龍人、獣人ではコイツにかなわない・・・
スタミナも凄い消耗し、龍狼に何秒なれるか・・・
いや、やるしかない骨が砕けようがたった2,3日だろ!!怖くなんか無い!!
「龍・・狼おおおおおおおおおお!!」
俺は龍狼となり、切断された腕を拾い高速治癒能力で一時的に左手をくっ付け、相手の両手を取り攻撃を止めた。
そして力と力のぶつかり合いでガード無しで殴り、蹴り合う、最終的に掴み合いになりどっちが握力で手が潰れるかの状況になってしまった。
だが段々と龍狼の効果で骨が壊れ始める。
俺は少しでも骨の破壊を遅くしようと、手の力を少し抜いた。
その瞬間ライカンスロープは大声で鳴き出し急に今以上の力をいれ、俺の手の骨を砕くように握力で握り潰される。
そして握り潰されたと同時にとうとう骨が砕けた。
だが俺は、諦めず相手の喉下に喰らい付き、相手の喉を食いちぎる。
するとライカンスロープは喉をやられ、大量の出血で声も出ずもがき苦しむ。
まだ攻撃してくる恐れもあるので一番体力を少ししか、消耗しない獣人になり本物が偽者に食われる様なかんじになるが、喉や、色んな所を食いちぎった。
するとライカンスロープは徐々に動かなくなり、息絶えたのを確認し、俺は高速治癒能力に意識を傾け、地面に倒れた。
すると急に地面が「ひとつの生き物」のように歪み始め、俺を飲み込もうとした。
それを俺は必死になって振り払おうとするが、徐々に体が飲み込まれて行く。
そして最終的に体全体が飲み込まれ、ダメかと思ったが呼吸も出来るし何も痛みもない。
だがもし何かの害があるかも知れないので体中から炎を発してどうにか追い払った。
「一体なんなんだこれは・・・」
一時の休息もつかの間、右腕に違和感・・・何か発光したものがある、俺は目を右手にやった。
俺の腕は獣化も何もしていないのに右腕だけが異様に変化している。
何と言うか、腕は赤い鱗のような物体で覆われていて、肘から拳まで大きな亀裂が入っていて血管のように太く枝分かれしていて、その太く枝分かれした亀裂の間に青く光る硬い皮膚で、指も青く光る硬い皮膚で指先がとがっている。
「え・・・・!?な、何これ・・・!?な、なにこれ!?え!?え!?」
今までかつてこんなもの見た事ない、明らかに"異常"だった。
「お、俺の腕が!!俺の腕が!!何だよこの腕!!!」
そして、何の前触れもなく右腕に食いちぎられるような激痛が走った!
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!」
痛い!痛すぎる! 耐えられない!
「あ゛っあ゛っぐあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・」
「あああ!!!」
・・・気付くと俺はいつもの何もない部屋にいた。
どうやら夢だったようだ。
夢にしてはあまりにもリアルすぎだ・・・こんなの初めてだ・・・
体が汗でビッシャリだ・・・
「ハァ・・・ハァ・・・」
しばらくボーッとしてたらさっきの声で気がついたのか実験員の人たちが部屋の前に。
「おい!No.1!今の叫び声は何だ!!大丈夫か!何があっんだ!?」
そうか、俺はあのあと・・・?
・・・思い出せない、何をしたのか、まったく思い出せない、セシルやリズベットの元を離れたのは覚えている・・・それ以降の記憶がまったくない・・・!俺は一体何を・・・!?
「おい!返事をしてくれ! ・・・入るぞ!」
ガチャン
「・・・おはようございます。」
「君!?汗ビッシャビシャじゃないか!ちょっと着なさい!風呂に案内しよう!」
「あ、ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます!」
ありがたかった、何よりも少し気持ち悪かった。これで楽になれるだろうか。
・・・気持ち悪かった? まぁいいか
次の日は楽園には入れなくリズベットやセシルには会う事はなかった。
メンテナンスをするためらしい。
なんでも安全性だとか、なんたらかんたらで一週間かかるそうだ大層なこったよ・・・。
俺は一週間の間、肉食獣と戦うメニューとなった
「研究員さん、あんまり生き物は殺したくないんですが・・・」
「しょうがない事なんだよ、世界のためにも、何よりキミのためにも犠牲は付き物なんだ。わかってくれ。」
「・・・分かりました。」
「ただやるからには手を抜くんじゃないぞ、キミとて殺るか、殺られるかなんだ。」
「分かってます。では、行ってきます」
扉が開く、久しぶりの風景だ・・・
向こう側の檻からチーターがノロリの姿を現した。
やはり飢えているようで、向こうはやる気満々のようだ。
「こい!すぐ楽にしてやる!」
「ガルルルルゥッ!」
チーター、肉食獣最速・・・逆手に取ってやれば駆けて来た所でカウンターを取り横腹を殴ってやればいける!一発で決めてやる!
ズダダダダダッ!
来た!
「獣人ッ!」
俺はチーターを身構えた!
距離5mの所で俺は左へ大きく避け、右拳に力を入れる!
「悪いな!」
俺は横腹の辺りにナックルをかました!だが!
「グルルウッ!」
チーターが大きく右に旋回し回り込んだ!
「しまっ・・・」
ガブゥ!
完全に油断した、右腕を噛まれてしまった・・・!
しかしその時右腕を噛まれた痛みより大きな悪寒に襲われた!
「う う わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ あ あ あ あ あ あ ! 」
全身を反射的にに龍狼化させ、なぎ払い、瞬時に飛び掛りチーターの首を掻き毟ってやった
息絶えたのを確信し、なぜか腰を抜かしてしまった。
「う・・・うわわぁ・・・」
扉から研究員が入ってくる。
「うむ、よい戦闘だった、しかしキミがチーターごときで怪我をするとは・・・ん?どうした?」
「ゎ...ぅゎ...」
「一体どうしたんだ?腕を噛まれた程度だろ?キミならこのくらい平気のハズだが・・・」
その時、激しい吐き気に襲われた。
「研・・きゅ・・員さ・・・う・・うう・・・」
「な、何があったんだ! おい!医療班!なにやってる!早く来い!No.1の様子が変だ!」
「う・・・おげぇぇぇ・・・」
「うわッ!い、医療班!早くしてくれ~っ!」
その後俺は白衣をまとった研究員に病室へと連れていけかれた・・・
目を覚ますと、病室のベットで寝ていた。
どうやらあの後、俺は気を失ったようだ。
どれ位の時間寝ていたのだろう・・・
そう俺は少しだけ気になったがここでは時間を知っても無意味という事を思い出し、考えるのを止める事にする。
考えるのを止めると、右手に違和感があるのに気付いた。
気になるので右手を見ると、右手には血管のように5の指の先から手首まで枝分かれした黒い模様が出来ているではないか。
だが、俺は何も考えずに布団でその模様をこすり、消そうとするが消えない。
模様が消えないのでこするのをやめ、ほっとく事にする。
そして医療班に声をかけ、楽園に入れる様になっていたようので楽園へと向かった。
するといつも通りに、お花畑へ行くが2人はいない。
2人は実験か、戦闘で今日は来れないのだと判断し、俺は珍しくそこら辺で遊んでるの実験体とつるんで見る事にする。
誰か仲良くできそうな奴を探し歩いていると、実験体の集団が何かにたかっていた。
気になるので近づいてみる事にする。
そして何に集っているのか覗くと、そこには一人の少年が体中傷だらけで、跪き頭を抱えて体を守っているではないか!!。
「この!!この!!嘘つき野朗!!また幻覚でも使ってみろ!!次はただじゃおかねぇぞ!!」
と集団の中の1人の実験体が少年の頭を踏みながらそう言う。
他の実験体もその少年を殴り蹴りしている。
これは・・・いじめと言う奴か・・・!?それに他の実験体が言ってた通りなら、このいじめられてる子の能力は幻覚で嘘つき野朗と言われ、いじめられているって事か・・・
人個人の能力だからしょうがないと言うのに・・・・ゆるさねぇ・・・・
俺はその少年を助けようと平和的に話しかける。
「あの~、スミマセン・・・これ・・・いじめと言う奴ですよね?本人嫌がってるんで止めたらどうですか?」
と話しかけると、やはり話し合いでは解決できず
「雑魚が黙れ!!俺らを誰だと思ってんだ!!あ゛ん!?」
(しらねぇよ!!)
「俺ら3人はトップレベルの能力者!No.135~137だぞ!!なめてッと殺すぞ」
(やっぱしらねぇし)
「アハハ・・・皆さん強いのですか~凄いですねぇ」
「ッフ雑魚が!お前もイジメ相手にしてやるよ!!俺ら53人でな!!」
(・・・だから・・・)
「どうでもいいんだよ!!!ボゲェエエエ!!!さっきから優しく話してあげてたのに雑魚雑魚うるせぇんだよ!!」
と言い獣人になり一瞬でその3人の内の1人に蹴りを入れた。
すると、100m先の岩山まで飛んで行って、そのままにぶつかり気絶する。
(よわ!?・・・・雑魚じゃん!!)
「この野朗!!よくも!!」
と言い相手の体が俺の獣化と同じように体が変化した。
だが、俺の獣化とは違うフォルムで見るからに硬そうな体に変化している。
「へ、身体変化タイプはお前だけじゃないんだよ!!」
「お前のは見るからにスピード型のようだが相性が悪すぎたな!!」
「俺のフォルムは超防御型、鋼のように硬い皮膚を纏ったアイアンミロタウロスだ!!」
「喰らえ!!アイ!アン!タックル!!」
と言い俺に向かって突っ込んでくる。
だが俺はよけず、獣人にはあまり相応しくない力押しでタックルを受け止めた。
「へ~俺と同じ変化タイプかぁ~」
「でもさぁ・・・弱かったら倒されるだけなんだからさ、そんなの・・・関係無いよねぇ?こんな・・・ふうに!!」
と言い龍人になり、1発だけ地面に叩き付けるよう顔面にパンチした。
すると、相手は地面に顔面から突っ込むようにめり込んだ
「あと1人ッ!」
ともう1人の方を見ると目の前に河童が構えていた。
「・・・・フッ」
「何か言えやあああああ!」
と俺に突っ込んでくる。
「獣人!!」
と言い獣人になるが、何かさっきとは違う体から無駄に力が湧き上がって来るのを感じた。
何だかよく分からないが、頭の中に一つのビジョンが浮かび上がる。
それは辺り一面が木で覆われていて、森のような場所で白い何かが木や地面に降り掛かっていて辺り真っ白な場所に俺と同じ茶色い毛並みのライカンスロープがいた。
そのライカンスロープ人間に追われているようだ、一生懸命逃げているが怪我を負っていてとうとう人間に囲まれてしまう。
そこでライカンスロープは悲しそうな顔をして大きな声で遠吠えをする。
すると遠吠えの衝撃で人間は何人か飛ばされて行くではないか、そして遠吠えと同時にライカンスロープの毛の色が徐々に変色していき最後には白銀輝く綺麗な白へとなった。
そこで一つのビジョンが終った。
・・・やってみるか
「ワォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
思いっきり遠吠えをすると、さっきのビジョンで出てきたライカンスロープのように白銀色になった。
「ぬお!何これ!?カッコイ!!」
よく考えてみればこの前戦ったライカンスロープと同じ毛の色だな・・・関係あんのかな?
ま~それは置いといて俺の予想が正しければ攻撃力がかなり上がっているはず!!
「おい河童!!かかって来いよ!相手してやる!!」
と言うと相手はイラつき飛びかかってきた。
俺は構わず本気で殴ると相手の腕の骨が粉砕される。
・・・やりすぎたか?
と思ってパンチを止めようとするが、もう遅く腕を粉砕してそのまま顔面を殴ってしまい、河童は一番最初に飛ばした奴と同じ場所の岩山にぶつかった。
どうやら全員倒してしまったようだったので、獣人の変色も気になるがいじめられてた子の所へ向かう。
「大丈夫?君?」
と少しおびえ気味だけど、そんなの関係なく話しかける。
「は・・・はい・・・ありがとうございます」
さっきの様子からいじめられているのはここ最近の事じゃ無いようだ。
「俺の名前はクロードってんだ、君の名前は・・・ウググ!?」
「ど、どうしたんですか!?まさかさっきの事で怪我を・・・」
「腹がぁ・・・腹がぁ・・・」
「お腹を怪我されたんですか!?あぁ僕のせいで・・・ごめんなさい!ごめんなさい!」
昨日の支給された牛乳がマズかったか・・・
「ト、トイレェェェェエェェ!」
「ヘェ!?」
急な腹の痛みを覚えた俺はその場を後にした・・・
~数分後~
「はぁ・・・あの牛乳、美味しくなかったから飲むべきじゃなかったなぁ。」
トイレを済ませた俺はさっきのことを思い出しさっきの場所へ戻ってみた。
「? あれぇ?おかしいなぁ、さっきまでここにいたのに・・・」
彼の姿が見えない、名前を聞きそびれてしまった・・・。
「しょうがない、この辺りを探してみるか・・・。」
その場に背を向けたその時
「おい!そこのあんた!」
「ん?」
そこには一人の男がいた、少し痩せ気味で自分より少し背が高い、あった事は無いが・・・
「な、何でしょう。」
「さっきのあんたかっこよかったぜ!弱気を助け強気を挫く、いいねぇ。」
「い、いやぁそれほどでも。ただ助けたかった一身での行動ですよ!」
「っじゃ!俺と戦おっか!」
「・・・はい?」
「俺~強いやつ見ると戦いたくなるんだよ」
「はぁ。」
「完膚なきまでに叩きのめさせてもらうよ~」
「あの、ちょっと言ってる意味がわかんないんですが?」
「つまり・・・こういうことだよ!」
彼は大声でこう叫んだ。
獣ォ!
まるで同じだ。形体は少し違うようだが・・・虎のカラーが若干目立つ。
「さぁ行くぜ!」
・・・!くるっ!
獣じ・・・
「ぐあ゛!!」
「しまった・・・」
変身をし終える前に肩をやられてしまった・・・
「おいおい、ちょっと遅いんじゃないの~?」
「くっ!獣人」
何とか変身したが相手のスピードが速い!とても追いつけるスピードじゃぁない!
「ホラホラホラ!どうしたんだ?」
スピードがダメならこれだ!!
「・・・龍人!」
「ほほぉ・・・ならばこちらも!翼竜!」
「翼竜!?まさか・・・」
彼の体が筋肉質に変わると背中から何かが生えてきた。
「翼だ。翼が生えてる・・・。」
体の二倍はあるだろうその大きな翼は羽ばたくと空中に浮かんだ。
「さぁ、行こうか。」
彼は自分に向かって急降下してきた。
「こい!」
この形体は攻撃も守りにも特化している、もし喰らったとしてもダメージが少ない!
「これ以上やり合うのも無駄だしこれで決めるぞ!」
彼は体勢を変え、蹴りの姿勢になるとそのまま突っ込んできた!。
俺は全力で炎のブレスをした。
が、あいつには喰らわなくそのまま俺に蹴りが入った。
「がぁああ゛あ゛あ゛あ゛!!」
俺は蹴りの勢いで飛ばされそのまま気絶してしまった。
あ