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異説鬼退治Ⅱ②

 お爺さんとお婆さんがテレビに映っています。何故かテレビカメラに向かってダブルピースをキめています。無駄に目立ちたがり屋です。立場分かってるんだろうかと不安になりますが、これが日常茶飯事です。

『本日未明、名神高速を逆走した二名が逮捕されました。身元は不明、本人たちは「株式会社鬼が島取締役社長」と名乗っていますが、真偽のほどは』

 テレビを消しました。

 そしてため息。桃太郎は苦労人です。

 台所ではツンデレラが朝ごはんの支度をしています。

 何故こんなことになっているのかというと、昨晩にこんな出来事があったからです。



 ツンデレラにツンデレ属性が実装されていると桃太郎は彼女に告げました。

 というか最早これは一種の芸術です。加えて猫耳属性があれば萌え確定です。

「桃太郎お兄ちゃん、私別にツンデレなんかじゃないんだからね!」

 自白してるあたりが素敵です。それが萌えるんだよ、と桃太郎は思いました。

 勢いで彼女にピンクのエプロンをプレゼントします。

「物で釣ろうっていうの? 私はそんな安い女じゃないのよ」

「そうじゃないんだ。ドレスが汚れたら困るだろう? 着替えはないみないだし」

「桃太郎お兄ちゃんにしてはよく考えたじゃない。褒めてあげるわ」

 小生意気なところもポイント高いです。

「あの変態ジジイの子どもにしてはまともなところもいいわ。お兄ちゃんが変態だったらグレネードをばらまいて当たり一面廃墟にしているところだから」

「いや、僕はお爺さんの子どもじゃないんだ。第一年齢差を考えたら、おかしいでしょ」

「養子なの?」

「それも正確には違うかな」

 桃太郎はこれまでのいきさつを簡単に話します。自分は桃から生まれた桃太郎であること、鬼が島㈱に鬼退治に行ったが、それはジジイの謀略というか勘違いであったことなどなど。

「あなたも苦労してるのね」

「もう慣れたよ」

「そのうちハゲるわね」

 ツンデレラは数秒考えてから

「いいわ。私が家事を手伝ってあげる」

 とのたまいました。

 ツンデレラの慈悲深い心に感謝です。

「別にお兄ちゃんのためじゃないんだからね。あのジジババから身を守るには一番都合がいいというだけなんだから。勘違いしないでよね」



 脱獄してきたお爺さんはエプロンをして、料理に勤しむツンデレラを発見しました。彼女の横ではダイゴロウとポアロが手伝っています。

「おおおお、愛いのお、愛いのお」

 もうデレデレです。鼻の下が二倍の長さになってます。

「近づかないで汚らわしい」

 容赦ありません。

「あなたよりは犬とキジのほうが役立つわ。そこら辺に座ってなさい」

「ぐふふ、爺が色々と教えてあげようではないか」

「あら、お婆さん。この変態ジジイを何とかしてくれないかしら」

 びくり。お爺さんの体が一瞬震えます。

「冗談よ」

 ふふんと鼻を鳴らします。

 フェイントです。

「ぐふふ、婆さんは今警官隊と銃撃戦を繰り広げておるところじゃ。二人で楽しい時間を過ごそうではないか」

 お爺さんは鼻息を荒くしてツンデレラに飛び掛る準備をしています。

「あら、お婆さん。遅かったのね。このロリコンジジイを何とかしてくれないかしら」

「ぐへへ、もうその手にはのらぬぞ。さあ、爺の愛を……」

 と言ったところで家のチャイムが鳴りました。

 ピンポンと何度も鳴ります。ピンポンダッシュではなさそうです。

「あら、お客さんかしら。桃太郎お兄ちゃん、私行って来るわね」

「なら、この爺も」

「お爺さんはこのみたらし団子を食べて休んでてよ」

 桃太郎はとっさの機転で紫色の泡を吹いているみたらし団子を渡します。サツマイモテイストで美味しいと説明も付け加えて。

 みたらし団子を食べたお爺さんは一瞬びくんと跳ねた後で動かなくなりました。

 みたらし団子は暗殺用の武器。これは常識です。でも、良い子の皆は真似しないでくださいね。

 お爺さんをとりあえず始末した桃太郎は玄関に向かいました。

 そこには目の前の人物を見て、驚くツンデレラの姿があります。

「何故、あなたがここに……」

 予期せぬ来訪者がそこにはいました。

こんにちは。

第二話です。今回はギャグテイスト控えめ。


さて、最後に出てきた『予期せぬ来訪者』とは?


ではまた次回お会いできることを祈りつつ……

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