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陽炎稲妻水の月  作者: 秋雨
本編
9/28

あ、ヤベェ

記録更新中の秋雨です


ちょっとうれしかったりしてます

逃げろ、逃げろ

奴は迫ってきている――――


「ハッ、ゼッ、いつまで、走るんっ、だよっ!」

「あいつを、撒くまで、だ!」

「あいつって、誰!」

「知りたいんならっ、後ろ、見ろ!」

余程知りたかったのか、2人は瞬時に振り向いた。

ら、すぐに後悔したらしい。

顔が真っ青。

「何だよ、あれ!」

「知らねぇよ!とにかく逃げろ!」


――――捕まるぞ


「それだけは嫌だ!」

心なしか竜真のスピードが速くなった。

よし、それで良い。

とにかく速く、走る、走る。

ふと、違和感を感じる。

おかしい。何だ?何かがおかしい。

なんだ?何だ?考えろ、考えろ。

………あ、わかった。

奴の動く音がしないんだ。

いつの間にか俺たちの足音だけになったんだ。

よかった、撒けたんだ……。

わかったら何か安心して、足を止めた。

「慧斗!?何止まってんだよ!」

「走るぞ!」

「いや、多分もう大丈夫だ。俺たちの足音しかしない」

「え?……あ、ホントだ」

「撒けた……のか?」

「ああ」

その場に突っ立って息を整える。

こんなに必死になって走ったのは久しぶりだな……。

目を閉じて息を吐きながら天井を仰ぐ。

そしてゆっくりと目を開けた。

………嘘だろ。

金縛りにあったみたいに体が動かない。

冷や汗がどっと流れてくる。

なんで、ここにいるんだ。

ちゃんと撒いたはずなのに。

「慧斗?おーい」

「どうかしたのか?」

上を向いたまま動かない俺を心配して2人が話しかけてくるが、反応できない。


ポタリ


頬に雫が落ちてきた。

すぐ近くで鉄の臭いがする。

『見ーツケた』

天井にへばりついていた奴は、俺に向かって一直線に落ちてきた。

片手に鎌を持って。

あっちゃー、こりゃ死んだな。

奴にやっと気づいた2人が焦ってるけどもう遅い。

奴との距離は2メートル。全てがスローモーションになった。

1メートル……80センチ………50センチ……20センチ…。

そして10センチをきった。

そこで、奴は消えた。

いや、正確に言うと吹き飛ばされた。

原因は簡単。

白いあいつに蹴り飛ばされたから。

『ギリギリセーフ!間に合ってよかったー』

そう、カタカタと音を鳴らしながら喋るこいつによって。

『正義の味方登場!』

どう?かっこいいでしょ!?と騒ぐこいつを殴りたくなったのは仕方ないと思う。


折角ホラーにしたのに結局はギャグになってしまう……

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