泣かせた……のか?
『くそっ、こうなったらお前を……っ!』
「はいストーップ」
仁に飛びかかろうとしていた幽霊の頭を捕まえる。
幽霊って掴めるモンなんだな。
『はっ、離せ!!僕は、あいつにっ………!!』
「はーーーあ」
なんだかなぁ。
「あのなぁ、お前が死んだのは運がなかっただけだろ。まあ、そんな事言ったらお前が不憫すぎるけどな。しかもさ、ここが4階だからって窓から出られないわけじゃねぇ。外の壁にあるパイプ使って降りることだってできる。心臓病はタイミングが悪かったとしか言えねぇけどな。つまりだ、ここにお前を閉じこめたそいつも悪いが、出ようとしなかったお前も悪いって事。オーケー?」
『でもっ!!』
「でもじゃねぇよ。しかもそれ何年前の話だ。絶対数十年前だろ。ここに閉じ込めたやつだってもうおっさんだぜ?もしかしたら爺さんかもな。そんなやつに復讐して何か報われるか?楽しいか?(俺は楽しいけど)そんなことするより成仏するほうがマシだと思うぜ?」
『…………う~~~~~~っ』
急に幽霊がぽろぽろ泣き出した。
えっ、ちょ、おまっ、えー……。
俺が悪者見たいじゃん……。
『僕だって、そんな事、わかってたし、とっくの昔にどうでもよくなってたよっ!でもっ、成仏だってできないし、いつの間にかこんなことになってるし、ワケわかんないよーーーーっ!!』
大泣きし始めた幽霊。
仁に助けを求めて視線をやると、顔を背けられた。
このやろう……っ!
『ううーっ……、ずびっ』
暫くしたら気が済んだのか泣き止んだ。
『ゴメン、急に泣いたりして』
「本当だ。全く、大迷惑」
『ははっ』
どこか困ったように幽霊は笑った。
と、思ったら、急に光りだした。
ええー!?
『あ、あれ?なんで?成仏できるの??』
本人もわかってないらしい。
目痛い!眩しい!!
『よかった、僕成仏できる!』
ああ、うん、良かったね。だからその光をどうにかしろ!!
『ついでに教えてあげる。ここの主には気をつけて。何をするかわからないから』
言うだけ言って幽霊は消えていった。
「………ここって音楽室のことか?学校のことか?」
「俺に聞くな」
何かさらに謎ができたような………。
まあいいか。後々考えよう。
『す………』
何か聞こえた……?
「ん?仁、何か言ったか?」
「いや、慧斗が言ったんじゃないのか?」
竜真は寝てるし、俺達は言ってない。
と、言うことは。
「おいおい、立て続けかよ」
ゆっくりと振り返った。
意味不明ですよねー
すみません……
慧斗は優しい所もあるんだ!というところを書きたかったんですが……
サッパリですね
しかも仁が空気状態………!!