第四章: 夜の私室 ~強制同居の致命的オーバーフロー~
Python式で恋愛フラグの進行度合いが見れる、ノンケエンジニアが転生したことで起きるドタバタBLコメディです。ぜひ、興味が出た方はPython変数とif,else構文で調べてみてください。
なんとなく意味が分かるとクスッとしますよ
第四章: 夜の私室 ~強制同居の致命的オーバーフロー~
夕暮れが王宮を赤く染め、夜の帳が降りた頃。
ミナトは将軍専用の私室へと連行されていた。
「連行」という言葉がぴったりなほど、ラングの太い手はミナトの細い手首をがっちり掴み、逃げ場を与えなかった。
「ほ、放せって……! これは拉致だ! 拉致罪! 異世界でも犯罪だろ!」
「黙れ。小僧。書類仕事の続きだ。お前が俺の傍でやるのが一番効率的だ。」
ラングの私室は、予想以上に広大だった。
暖炉の火が大きく燃え、壁には戦場で得た古い旗や剣が飾られ、中央に置かれた巨大な天蓋付きベッドが威圧的に存在感を放っている。
そして――ベッドのすぐ横に、事務机と椅子が新たに設置されていた。明らかに今日中に急ごしらえされたものだ。
```python
# 私室到着イベント: 同棲フラグ強制適用
cohabitation_status = True
room_assignment = "将軍私室(ベッド横机)"
escape_route_count = 0 # 窓なし、扉は鍵付き、衛兵配置済み
print("Escape probability: 0.0001% (実質ゼロ)")
print("romance_flag_risk = 178% → 250% (critical overflow + buffer overflow発生)")
```
ラングはミナトを椅子に座らせ、自分はベッドの端にどっかり腰を下ろした。
距離、約1メートル。ミナトにとっては危険領域ギリギリだが、ラングにとっては「まだ遠い」らしい。
「さあ、仕事だ。今日の報告書をまとめろ。」
ミナトは震える手で羊皮紙と羽根ペンを握った。
「わ、わかった……。とにかく仕事に集中すれば、恋愛フラグは立たないはず……」
だが、現実はそう甘くなかった。
ラングは上着を脱ぎ、軍服のボタンを外しながら、ミナトの横顔をじっと見つめている。
肩から胸にかけての筋肉が露わになり、戦傷の跡が火の光に浮かび上がる。
ミナトは必死に視線を紙に固定したが、視界の端に映るその姿が、どうしようもなく意識を削いでいく。
```python
# 視覚的誘惑サブイベント(意図せず発動)
if target_exposure_level > 70: # 脱衣度70%超え
distraction_value += 120
concentration -= 80
affection_level += 30 # 無自覚好感度上昇
print("Warning: Unintended arousal flag detected")
```
ミナトの頰が熱くなる。
「な、なんだこの熱……? これはただの……部屋が暖かいだけだ! ホルモン分泌の誤作動! 恋愛じゃない!」
ラングは低く笑う。
「顔が赤いぞ、小僧。……仕事がそんなに緊張するのか?」
そう言いながら、ラングは立ち上がり、ミナトの背後に回り込んだ。
そして大きな手がミナトの肩に置かれる。
「肩が凝っているな。書類仕事は体に悪い。」
ぐっと親指が肩甲骨の辺りを押す。
プロのマッサージ師さながらの力加減で、凝り固まった筋肉をほぐしていく。
だが、突然の接触イベントに、ミナトは悲鳴のような声を上げた。
「ひゃっ!? や、やめろって! そんな属性あったか!?」
```python
# マッサージ強制イベント
if resistance == "弱" and touch_type == "care":
affection_level += 150 # 爆上げ
trust_level += 200
print("New flag: Physical_contact_acceptance = True")
print("romance_flag_risk = 250% → 420% (整数オーバーフロー寸前)")
```
ラングの指が首筋に滑り、耳の裏を軽く撫でる。
ミナトの体がビクンと跳ね、羽根ペンが床に落ちた。
「んっ……! そこは……だめぇ……」
「ほう。ここが弱点か。」
ラングの声が、耳元で囁くように低くなる。
息が耳にかかり、ミナトは全身が熱くなった。
「待て、これは……これはただの生理現象だ! 皮膚接触による反射神経の……そ、そう不随意運動!」
だが、ラングは容赦ない。
そのままミナトの体を後ろから抱き寄せ、ベッドに押し倒す形になった。
ミナトは仰向けに倒れ、ラングの巨体が覆い被さる。
距離、0cm。
ラングの金色の瞳が、至近距離でミナトを見下ろす。
「お前はもう、俺のものだ。王太子だろうが誰だろうが、関係ない。」
唇が近づく。
息が唇に触れ、数ミリのところまで迫った時だった。
ミナトは最後の力を振り絞って叫んだ。
「ストップ! これは明確なフラグだ! 回避条件が未達成なら、 ゲームオーバーは確定じゃないか!」
だが、ラングは笑った。
そして、額に軽く唇を寄せるだけに留めた。
「……ふっ。今夜はここまでだ。焦らすのも悪くない。」
ラングは体を離し、ミナトの体を毛布でくるんだ。
そのまま、自分の腕枕の中にミナトを抱き込む。
「寝ろ。明日の朝も仕事だ。」
ミナトは毛布の中で震えながら、脳内コードを必死に走らせる。
```python
# 夜間イベント終了処理(失敗)
print("Night_event: Forced_cuddle_complete")
print("affection_level = 420% → 999% (上限突破)")
print("New status: Captured_by_general = True")
print("Warning: All other routes entering jealousy mode")
```
ミナトは暗闇の中で小さく呟いた。
「俺の回避ロジック……完全にバグってる……。これ、もうマルチエンドどころか、トゥルーエンド強制ルートじゃん……。デバッグ不能。リセットボタン押したい……。」
その頃、外では夜の王宮に二つの影が動いていた。
一人は激怒の王太子アレクセイ。
もう一人は、妖しい笑みを浮かべるマーク伯爵。
カオスなロジックは、まだ始まったばかりだった。




