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住所不定無職の異世界無人島開拓記  作者: 埴輪星人


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第36話 超古代遺跡を見に行こう その5

「それで、何をどこまでやってたっけ?」


 セレナの話が終わったところで、耕助が状況を確認する。


 いろいろ衝撃的だったため、何がどうなっているのか分からなくなっているのだ。


「ピピガガー。今から、特殊資材室へと移動する予定だったロボ」


「そうだそうだ。そこで必要なものを回収して、この遺跡のシステムを復旧させるんだったな」


「ピピガガー。システムの復旧は、地下の中央制御室に行けばいいロボ。中央制御室へは特殊資材室からも行けるメカ」


 ピピガガーに説明され、ようやくやりかけの作業を思い出す耕助。


 あちらこちらのドアに阻まれることもあって、現状ではピピガガー同伴で特殊資材室へ行くぐらいしか、新しく移動できるところはない。


「んじゃまあ、とっとと先に進むか」


「ピピガガー。カードキーのアップデートをするロボ。ここに差し込むメカ」


「了解」


 ピピガガーに言われ、彼の胴体に開いたカードスロットにカードキーを挿しこむ。


 ピピピという音がして、すぐにカードが排出される。


「ピピガガー。これで、カードキーがLV2にアップデートされたロボ」


「サンキュー。じゃあ、これであの扉が開くはずだな」


「ピピガガー。念のために、当機も同行するロボ」


 カードキーのアップデートも無事に終わり、ピピガガーとともに特殊資材室への扉の前に移動する耕助。


 その後ろを、ぞろぞろとついて歩くシェリア達。


 ピピガガーの懸念とは裏腹に、特にトラブルもなく、あっさりと扉は開く。


「……シェルターと違って、こっちはダイレクトに部屋なんだな……」


「ピピガガー。ここには使用頻度が高くて価値が低い資材がおいてあるメカ。いちいちいくつも扉を開けるのは、効率が悪いロボ」


「なるほどな」


「ピピガガー。逆に言うと、このレベルのシステムダウンを回復するには、ここにある資材だけでは種類が全然足りないロボ」


 ピピガガーの説明に、それはそうだろうと納得する耕助。


 特殊資材と言っても、大部分は独自規格であるだけの普通の電池とかそういった類だろう。


 どこが壊れているか分からない状況なので、そういったものもそれなりに必要にはなるだろうが、ダンジョンのギミックである以上核心的な部分を修復するにはまずあ違いなく専用の部品が必要となる。


「使わんわけでもないのであれば、一通りは持って行っておいたほうがよかろうな」


 ピピガガーの言葉からそう判断し、棚に置いてある部品類を片っ端からアイテムバッグに詰め込んでいくレティ。


 それに倣い、ほかのメンバーもあるだけの部品をアイテムバッグに詰め込む。


「ピピガガー。回収が終わったら、次に行くロボ」


「ああ。さすがに根こそぎ持って行ってるから、足りないってことはないだろう」


 結局部屋に残っていた部品類を一つ残さずかき集めたところで、ピピガガーに促され扉を開ける耕助。


 扉の先は通路になっており、2から5まで番号が振られた扉が並び、一番奥にはカードキーの差込口がある何も書かれていない扉があった。


「……これ、全部特殊資材室ですの?」


「ピピガガー。肯定するロボ。ただし、中央制御室で使われている資材があるのは、2と5の部屋だけメカ。一番奥が、中央制御室に続く階段があるロボ」


「そちらにも寄らなければいけないのでしたら、なかなかの仕事になりますね……」


 多数の扉を見て、予想通りのものか念のために確認するエリザベス。


 エリザベスの確認に対するピピガガーの答えに、思わずため息を漏らすクリス。


 クリスのぼやきがフラグとなったのか、2と5の部屋での資材集めは倉〇番的な棚の移動をさせられることとなり、かなり面倒な仕事になるのであった。








「俯瞰で確認できない倉〇番って、難易度えげつないと思うんだよな……」


 中央制御室への道を歩きながら、心底疲れた声でぼやく耕助。


 パズルに苦労したこともあり、中央制御室に向かったのはセレナが合流してから一時間が経過していた。


「ピピガガー。この部屋は、本来入るのにLV3以上の権限が必要ロボ。ただし、今回は緊急事態条項を適用するメカ。なので、当機とLV2以上のカードがそろっていれば入室可能ロボ」


「LV3の権限って、すごいんですか?」


「ピピガガー。ヒラではないが、すごいというほどではないロボ。組織図で言うと、二番目に小さいグループの長メカ」


「私たちの郷で言うと、班長を束ねる団長ぐらいでしょうか?」


「ピピガガー。そちらの郷の組織図が分からないから断言はできないロボ。が、そんなものだと推測するメカ」


 そう言いながら、扉を開くための作業を始めるピピガガー。


 体のあちらこちらが扉と連動してピカピカ光り、ピピピピピと電子音が鳴り響く。


 カードキーを挿しこむスロット全体が緑に光ったところで、ピピガガーが耕助に声をかける。


「ピピガガー。カードキーを挿入するロボ」


「おう」


 ピピガガーに促され、カードキーを挿しこむ耕助。


 いろいろ大層なことをしていた割に、中央制御室の扉は今までと同じぐらいあっさりと開いた。


「……なんだか、よく分からないものがたくさんありますの」


「そうですね。感じとしては、拠点にある家電とやらに雰囲気が似ていますが……」


「正体が分からなさすぎるから、私たちはおとなしくしておいたほうがいいわね。姫様、指示があるまではその辺にあるものに触ったりしないでくださいね」


「分かっていますの」


 あまりに独特すぎる雰囲気にのまれ、微妙に委縮しながらそんなそんなやり取りをするテイラーソン大公家の主従。


 中央制御室は、SFでよく見る中央制御室やブリッジという感じそのままの部屋であった。


「……ピピガガー。中央制御装置のCPUが劣化による破損、それ以外も多数の部品が衝撃などによって損傷しているロボ。まずは中央制御装置の修復を済ませて、都市の状況を確認する必要があるメカ」


「部品は、持ち込み分で足りそうかの?」


「ピピガガー。中央制御装置の修理だけなら十分ロボ。この部屋の設備全体となると、チェックプログラムを走らせないと不明メカ」


「ふむ。では、とっとと中央制御装置を修理せねばならんな」


「ピピガガー。当機だけでは手が足りないロボ。ただ、この種の機械になじみが全くない人間の手を借りるのも不安メカ。今までのことから推測するに、耕助とレティはこの種の機械を扱ったことがあるのではないかロボ?」


「妾は知っているだけで扱ったことはないの」


「俺は、もっと原始的なパソコンなら、部品交換ぐらいはやったことがあるな」


「ピピガガー。ならば、耕助だけでも手伝ってもらえると助かるロボ」


「了解」


 ピピガガーに言われ、修理を手伝う耕助。


 とはいっても、耕助の作業は言われたとおりに部品や基板を外し、手順に従ってケーブルをつなぎなおすだけなのだが。


「ピピガガー。これで修復作業は完了ロボ。動力を入れて再起動するメカ」


 作業開始から十五分ほど。


 ほぼほぼ全交換に近い作業だったからか、大したトラブルもなく修理が完了し、何の問題も起こらずに中央制御装置が再起動する。


「……ピピガガー。予想以上に状況は深刻そうだロボ」


「というと?」


「ピピガガー。そもそも、動力がほぼ死んでいるロボ。ここを修理するか、どこかから別の動力源を持ってこないと、修理資材の生産加工ができないメカ」


「修理は難しいのか?」


「ピピガガー。現状では、ほぼ不可能ロボ。中央制御装置と違って、交換部品の在庫が底をついてるメカ」


「そうか……。動力関係はいくつかレシピを持ってるんだが、作るための材料がよく分からないものばかりなんだよな……」


〔・そんな耕助に朗報。

 ・動力炉の代用品として

 ・うってつけのものが在庫にある〕


 ピピガガーの報告を受けてどうしたものかと悩んでいた耕助に、今まで黙って様子を見ていた立て札がそんなことを告げる。


「うってつけのもの? そんなものあったか?」


〔・ん。

 ・いつぞやのガチャで引いた

 ・簡易量産型ダイアズマー。

 ・あれならこの都市のエネルギーぐらい余裕で賄える。

 ・永久機関の類だから

 ・燃料とかの心配も不要〕


「そういやあったな、そんなの。でも確か、でかいんだろ?」


〔・大体全長三十メートル〕


「デカいな……」


 三十メートルと聞き、思わず顔をしかめる耕助。


 オフィスビルだと七~八階建て、マンションなら十階建てぐらいのビルと大差ない大きさとなると、少なくとも建物の中に収容するのは容易ではない。


 動力がおかれている場所にそれだけのスペースがあるのかどうかは分からないが、簡単に設置しましょうと言えないサイズなのは間違いない。


「なあ、ピピガガー。全長三十メートルのロボを、動力代わりに設置することはできるか?」


「ピピガガー。動力炉のフロアに設置するのは厳しいロボ。すでに、動力炉自体がその位の容積を占有しているメカ。ただ、防衛機器の格納庫に設置、第二動力炉として使うなら可能ロボ」


「じゃあ、今からそっちに行けばいいんだな」


「ピピガガー。その前に、唯一正規のカードキーを持っている耕助を、この都市の暫定市長に登録するロボ」


 そう言って、中央制御装置を操作するピピガガー。


 中央制御装置のモニター表示が目まぐるしく変化し、耕助の持つカードキーがまばゆく光る。


「ピピガガー。これで、耕助はこの都市の暫定市長ロボ。実績を積めば、正式に市長になれるメカ」


「市長になるメリットは?」


「ピピガガー。この都市で生産できるものや建設できる施設を、ある程度自由に決められるロボ。一定以上の規模になると議員や市民の投票による認可が必要になるメカが、この都市にはどっちもいないロボ。つまり、実質的に耕助が好きに決められるメカ」


「まあ、実質的にここにいるメンバーしか人類が住んでない島で、投票もくそもないわな……」


「ウォーレンやドリー、セガールを人類に含めるのも、何か違うしのう……」


〔・将来的には分らない。

 ・目指せ、総人口百万人〕


「それ、全部俺達だけで作れと言わんだろうな……」


 無茶なことを言い出す立て札に、ジト目でそう突っ込む耕助。


 耕助の子孫だけで百万人など間違いなく不可能だが、ではそれ以外の人間をどこから連れてくるのかというと難しいどころの話ではない。


「人口問題は今後の課題として、じゃ。当面はこの都市の復旧を最優先にしたほうがよかろう。どうせこの分じゃと、今日明日で終わるようなものではなかろうしなあ」


「そうですね。復旧が進めば、クズ王のピラミッドとかみたいに遺跡レベルが上がるんですよね?」


〔・ん、そういうこと。

 ・この遺跡は、街づくりSLGパート。

 ・育てれば育てるほど、いいことがある〕


 レティが口にした言わずもがなな方針に同意しつつ、立て札にそう確認を取るシェリア。


 シェリアに問われて、素直に超古代遺跡の仕様をメタな感じで説明する立て札。


 無人島の開拓中に滅びた都市の復興とか、全力でジャンルがかぶっている。


「……なんつうか、超古代遺跡ってミニゲームとかサブコンテンツみたいな感じだよな……」


〔・実際、そういう仕様。

 ・サブコンテンツの報酬が美味しいのもお約束。

 ・だから、今のところ超古代遺跡に大外れはない〕


「微妙なのはあるけどな……」


 やたら自慢げに反り返りながらそうのたまう立て札に、疲れた顔でそう突っ込む耕助。


 正直な話、クズ王のピラミッドが美味しかったのは最初だけであり、現在進行形で美味しいのはお菓子の城だけである。


「話を聞く限り、ここが微妙になるのか美味しい遺跡になるのかは、耕助さん次第だと思いますの」


「だな。よし、何ができるかとかどこから手を付けるかとかを判断するためにも、とっとと動力を設置に行こう」


「ピピガガー。格納庫はこっちロボ。ゲートが生きていたので、エネルギーをいったんそっちに集中させたメカ。ワープですぐ行けるロボ」


「OK」


 ピピガガーの指示に従い、ゲートをくぐって格納庫に向かう耕助たち。


 まだ確認していないところは山ほどあるが、遺跡の調査は都市の復興へと目的がすり替わりながらこの日の大詰めを迎えるのであった。








「……デカいな」


「……とても、大きいです……」


 空っぽの格納庫の一番奥。ピピガガーに指示を受けてダイアズマーを配置した耕助が、その大きさに圧倒されてそんな益体もないことをつぶやく。


 その隣ではセレナが妙に色っぽい声で、あえぐように見たままの感想を漏らしている。


 エリザベスとクリスは圧倒されて声も出ないようだ。


 平然としているのは本来のサイズがもっとデカいレティと、好奇心が勝って頭の上まで飛んで行ってしまったシェリアだけである。


「妾としては、これが立ったまま入る規模の格納庫があったことこそ驚きであったがな」


 もう一度ぐるりと格納庫を見渡しながら、感心したようにうなずくレティ。


 さすがに本来の大きさのレティが入るのは不可能だが、航空空母を複数解体整備できるほどの広さと高さがあるのだから、相当広いと言わざるを得ない。


「耕助さん、耕助さん! この子、すごく強そうです!」


「ああ、間違いなく強いだろうな……」


 シェリアにそんな気の抜けた返事をしつつ、ダイアズマーの鑑定をする耕助。


 鑑定結果は


”簡易量産型ダイアズマー:とある創造神がかつて趣味で作った「勇者工房ダイアズマー」の簡易量産型。本来二百メートルあったサイズが三十メートルまで縮小された上で、分離機能とサイズ可変機能がオミットされている。武装や特殊機能も大半が簡略化されており、まさに簡易量産型という仕様となっている。量産テストで三十機生産されたが、現物はこの機体を含めてなぜか五十機以上確認されている。すでに生産ラインは完全になくなっているため、恐らく勝手に増えているものと考えられる”


 となっていた。


「勝手に増えてるって、どういうことだよ……」


〔・簡易量産型だからか、リアルロボでよくある

 ・設定より実際に登場する数が多いみたいな感じで

 ・どこからともなく湧いてくる〕


「それ、いいのかよ……」


〔・勝手に増えると言っても

 ・今回みたいに元の出どころが分からないものから

 ・ランダムで出てくることが多々あるだけ。

 ・防ぎようがないし、悪用するのも微妙だから

 ・気にするのはやめてる〕


「おいおい……」


 多神教の神にありがちな大雑把さで、勝手に増えるダイアズマーの存在を流す立て札。


 そんな立て札の言い分に、ジト目で突っ込む耕助。


 もっとも、防ぎようがないのは事実なので、あまり強くも言いづらいところではある。


「ピピガガー。接続完了ロボ。動力を起動するメカ」


「起動って、どうやればいいんだ?」


〔・耕助が声をかければいい。

 ・キーワードは「ダイアズマー起動」

 ・魂を込めてシャウトすれば、出力が上がる〕


「今回は出力上げるといろいろ壊しそうだから、魂を込める必要はないな。ダイアズマー起動」


 立て札の期待をスルーし、限りなくローテンションでダイアズマーを起動する耕助。


 起動状態になったことを示すように、ダイアズマーの各所が開いて光が点灯する。


「ピピガガー! 恐ろしい出力ロボ!」


「大丈夫そうか?」


「ピピガガー。後三割高ければ危なかったロボ。間違いなく、元あったメインの動力炉より高出力メカ」


「……これで悪用するのも微妙とか、嘘くさいな……」


〔・出力は高いけど

 ・振り分けられる武装も機能もほとんどない。

 ・後、この都市みたいにそういう設備がないと

 ・有り余るエネルギーを外部に供給できない。

 ・運搬に便利な機能も飛行能力もないから

 ・目的地まで自力で歩かせるしかない。

 ・サイズがサイズだから歩くだけでも被害は出るけど

 ・正直航空機で爆撃するほうが効率がいい〕


「ああ、そういう……」


 悪用するのも微妙、という理由に、一応納得する耕助。


 サイズがサイズだけに目立つというのもあって、テロ行為に使うにも微妙というのは確かにそうだろう。


 そもそも、簡易量産型のダイアズマーには立て札が言うように、亜空間収納とか召喚機能とか、そういった運搬に便利な機能は一切ない。


 今回はガチャアイテム共通の、取り出すまでは亜空間に仕舞われるという仕様のおかげでここに運び込むのは苦労しなかったが、次からは耕助がインベントリかアイテムバッグの容量をダイアズマーが入るぐらい拡張しない限りは歩いて移動させるしかない。


 こんなデカブツが歩いて移動なんて、攻撃してくださいと言っているようなものである。


 ダイアズマー自体はとてつもなく頑丈で破壊するのは難しいが、パイロットはいつまでもコクピットに居座れないので、降りたところであっさり殺されるのが目に見えている。


 そう考えると、一回こっきりの自爆特攻ぐらいしか悪用はできないだろう。


「ピピガガー。いろいろ危険すぎるから、さっさとメイン動力炉を修復してこちらからのエネルギー供給は終わらせたいロボ」


「だな。で、メイン動力炉を修復するのに、何が必要だ?」


「ピピガガー。物質変換装置を起動したロボ。とりあえず、鉱物資源なら何でもいいから、大量に持ってきてほしいメカ」


「だってさ。シェリア、倉庫に残ってるの、ありったけ持ってきてくれ。それで足りそうになかったら、総出でクズ王のピラミッド崩しだな。レンガでもいいんだろ?」


「ピピガガー。もちろんロボ。粘土も立派な鉱物資源メカ」


「わかりました! 行ってきます!」


 耕助に頼まれ、ワープゲートとは反対側にある格納庫の出入り口から飛び立つシェリア。


 五分ほどで、あるだけのアイテムボックスに詰められるだけの鉱物資源を詰め込んで戻ってくる。


「がんばって、限界まで詰め込んできました!」


「ありがとう。どれぐらい入った?」


「多分、半分ぐらいだと思います」


 四段重ねで持ってきたアイテムボックスを地面に設置しながら、耕助の問いに答えるシェリア。


 アイテムボックスはアイテムバッグより容量に優れるが、いちいち安全地帯に設置しないと中身が取り出せない。


「拠点にはこれと同じぐらいの量が残ってるんだが、足りそうか?」


「ピピガガー。微妙なラインロボ。少なくとも、動力炉を修理した後、他の物を修理したり作ったりはできないメカ」


「そうか……」


〔・足りない分は

 ・ダイアズマーのパーツを外せばいい。

 ・腕の一本ぐらいなら、なくなっても生えてくる〕


「その材料は、いったいどこから湧いて出てくるんだ……?」


〔・父の作るものについて

 ・深く考えたら負け〕


 素材不足について相談している耕助とピピガガーに対し、いろいろな物理法則にケンカを売っているとしか思えない提案をする立て札。


 もっとも、資材も何もなしで勝手に修復される巨大ロボなんて、アニメでは珍しくもないのだが。


「……いろいろ言いたいことはあるが、とりあえず置いておこう。ダイアズマーからパーツをもらうとしても、機能に大きな影響がないものだけにしたほうがいいだろうな。いきなり腕一本とか、もし使う必要が出たらと思うとな……」


〔・だったら、一番外側の装甲がおすすめ

 ・基本的に、そこらへんのは単なる飾りのカバー〕


「ふむ。だったらそうするか」


〔・外装パージコマンドで

 ・簡単に外せる〕


「えっと、あんな大きなものからパーツを外すのって、危なくないかしら?」


「……全員、できるだけ離れてくれ」


 セレナの指摘に真顔になり、自分も距離を取りながらそう指示を出す耕助。


 耕助に言われ、全員一番離れた壁際まで下がる。


「ダイアズマー、外装パージ」


 耕助のコマンドを受けて、一番外側の反応装甲部分をパージするダイアズマー。


 爆発ボルトで派手に弾き飛ばすというやり方ではなかったものの、それでも全長三十メートルの巨大ロボの全身からパーツが外れるのだ。


 それぞれが結構な重量だったために、地面に当たって大きく弾むということはなかったが、それでも震度三ぐらいの揺れは起こってしまう。


「お~、揺れますね~」


「さすがに、あれだけのものがこの距離で落ちれば、この程度には揺れるんじゃのう」


「……びっくりしましたの……」


「……船でもないのに足元が揺れるというのは、こんなに恐ろしいものなのですね……」


「ああ、姫様とかクリスは、こういう現象が起こる状況にいたことはないですからねえ……」


 その揺れに、のんきな反応を見せるシェリアとレティに対し、地震に馴染みがないのかエリザベスとクリスはかなりびくびくしている。


 セレナの反応はどちらでもない感じだ。


「ピピガガー、これで足りるか?」


「ピピガガー。動力の修理は十分ロボ。施設に関しては、ものによるとしか言えないメカ」


「そうか。ちなみに、何を修理するのにどんなものが必要か、俺たちが分かるようにできるか?」


「ピピガガー。可能ロボ。ただし、今の状態だとここでは無理メカ。中央制御室に戻るロボ」


「了解。じゃあ、戻って……」


 ピピガガーに確認を取り、中央制御室に戻ろうとする耕助。


 そこに、レティが待ったをかける。


「のう、ピピガガーよ。細かいことは耕助の決定に従うが、現段階で優先的に修復したほうがいい施設と必要資材は提示できるかの?」


「ピピガガー。最優先は中央制御室の完全復旧ロボ。ただ、それに関しては今ある資材でどうにかなるメカ。次は衛生状態や耕助の女性関係を踏まえるに、病院を修復するのがおすすめロボ」


「病院か……。まあ、これだけの都市ならあって当然じゃのう。必要な資材はどれがいかほどかの?」


「ピピガガー。病院はステンレス、セラミック、樹脂を多用するロボ。ステンレスはダイアズマーの外装から流用できるメカ」


「つまり、セラミックと樹脂じゃな。樹脂は植物素材でどうにかできるかの?」


「ピピガガー。可能ロボ」


「では、レンガと木材や雑草を大量に持ち込めばよいのじゃな?」


「ピピガガー。肯定ロボ」


 ピピガガーに聞きたいことを聞き、にんまりと笑うレティ。


 そのまま振り返り、女性陣にこう宣言する。


「病院を修復すれば、安心して子供が産めるようじゃ」


「……! レティさん、セレナさん! 急いで素材を集めてきましょう!」


「そうね! 私は草や木材を集めればいいかしら!?」


「うむ。エリザベスは、セレナとともに拠点付近で植物資源をあつめればよかろう。妾とシェリアは、クズ王のピラミッドでレンガを集めようぞ」


「分かりましたの。クリスはどうしますの?」


「……シェリアさんが張り切っている時点で、レンガ集めには出番がなさそうですし、姫様とセレナ先輩をお手伝いします」


 子作りを餌にされ、やたら張り切るシェリアとセレナに、してやったりという表情を浮かべるレティ。


 その様子に苦笑しながら、この後は採取と伐採だなと気持ちを切り替えるエリザベスとクリス。


 そこに、ピピガガーが爆弾を投下する。


「ピピガガー。他にも無理なく自然に理想的な体形に近づけるサプリメントや、少子化対策に消極的な男をその気にさせるためのもろもろを生産販売する施設も存在するロボ。病院を修復すれば、そちらの修復作業も可能になるメカ」


「理想的な体形、ですの!?」


「……なんという悪魔のささやき!」


「ピピガガー。他にも、服や食料に関しても、復旧が進めばいろいろ生産できるようになるロボ。ただし、サプリやグッズ、服などの生産には、施設の復旧とは別に資源が必要となるメカ」


「それは頑張らないといけませんの!」


「はい、姫様!」


 ピピガガーの悪魔のささやきに、いつになく本気の目になる女性陣。


「……なあ、レティ」


「逃げ腰の耕助が悪い。諦めるがよいぞ」


 そう言って、ドラゴンの姿になってエリザベス達を背に乗せ、とっとと飛び立つレティ。


 結局、気合が入りまくった女性陣の奮闘により、この日のうちに病院の復旧まで完了。


 ますます追いつめられる耕助であった。

どんどん外堀を埋められる耕助。

ヘタレは逃げ切れるのか!?


ようやく簡易量産型ダイアズマーの鑑定結果を出せたわけですが。

あれです。どう考えても陸ガンの生産数より登場作品のほうが多いよな、とか、いくら最終戦とはいえバッシュというかA級HMそんなにわらわら出るほど生産されてなかったはずだよな、とか、生産数より多いってのはいくらでも事例があるわけでして。

スパロボではよくある話だけど、あれはスパロボなので。


ダイアズマーの場合、嫁の体質考えたら、いつの間にか勝手に増えてても全然おかしくないよなあと思うわけです。簡易量産型だし。

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 >俯瞰で確認できない倉〇番って、難易度えげつないと思うんだよな…… 初見ノーヒントドルアーガの塔完全クリアぐらいの難易度だと思いますw 量産型ダイアズマー、国一個ぐらいの電力消…
澪の娘さんなのかな? そう思うと色々想像が捗りますw
見事に逃げ道がふさがれてて草 まぁ子供以外にもいろいろとプラスが大きいからなぁ…… ただ、妊娠中に心情的に動かしづらくなるのだけは少人数だと困るのよね クリスは理想体型に近づいても遺伝子が色々と…
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