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住所不定無職の異世界無人島開拓記  作者: 埴輪星人


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第31話 超古代遺跡を見に行こう その2

〔・マンスリーボーナスのコーナー〕


「……なんだよ、まぶしいな……」


 耕助が無人島に飛ばされて一カ月経過した日の朝。


 いつものようにシェリアにしがみつかれたまま眠っていた耕助は、立て札が放つ派手でかつカラフルな光にたたき起こされた。


〔・祝、一カ月生存〕


「ああ、もうそんなになるのか……」


 立て札の言葉に、しみじみとそうつぶやく耕助。


 最近は一歩間違えれば詰む、という状況は完全に脱したが、最初の三日ほどはそれこそ明日食うものを心配せねばならない状況だった。


 その時の投げやりな精神状態を考えると、よくもまあ一カ月無事に生き延びたものだと思わざるを得ない。


 もしこれが普通の無人島サバイバルだったら、間違いなく一週間以内に死んでいただろう。


〔・という訳で、マンスリーボーナス。

 ・まずは十連ガチャから〕


「ガチャか。最近はネタとしてもパンチが弱いものばかりだったからなあ……」


〔・普通はそんなもの。

 ・しょっぱなから家電系を引きまくったり

 ・うかつに使えないSFレベルのハイテク製品引いたり

 ・十連に必ず卑猥なおもちゃシリーズが入ってたりとか

 ・そっちのほうが本来はおかしい〕


「……否定はできないな……」


 立て札の言葉に、全面降伏するしかない耕助。


 ここ最近はネタになりそうなものはテープレコーダーとドライヤーぐらいなもので、大部分は若葉マークとか野菜の模型のマグネットとか、そういった毒にも薬にもならない印象が強いものであった。


 が、ガチャというのは本来そう言うものであり、派手な大外れを引きまくった耕助がおかしいのである。


 なお、そういう内容ばかりだったので、ここしばらくはデイリーガチャもデイリーミッション報酬も省略している。


「……うにゅう、ガチャですか~?」


 そんなことをわちゃわちゃやっていると、耕助にしがみついていたシェリアが寝ぼけた声を上げる。


「ああ。今日は十連らしいから、また変なのが出るんじゃないか?」


「変なの~……、楽しみ~……」


 明らかに寝ぼけていてIQが駄々下がっている感じの反応を示しながら、もそもそと起き上がるシェリア。


 そのシェリアから、さりげなく視線を逸らす耕助。


 もはやいつものこと過ぎて、そろそろおっぱいポロリぐらいでは動じなくなってきつつある。


「ここで回すのもなんだから、食堂で回すか」


 そう言って、慣れた動作でしがみつくシェリアから体を離し、ベッドから降りて食堂に向かう耕助。


 耕助的にはこんなことに慣れたくはなかったのだが、シェリアが開き直ってしまっていることもあってどうにもならない。


「あっ、おはようございますの!」


 食堂に入ると、すでに起きていたエリザベスが朝の挨拶をしてくる。


 余談ながら、エリザベスとクリスもさすがにいろいろ不便だという理由で、今の服装はバーバリアンルックになっている。


 せめてエリザベスだけでもと、現在クリスが頑張って麻の布を織っているところだ。


 ただし、素材の入手先が植物資源採取場のみなので、服が完成する目途は一切立っていない。


「おはよう。なんぞマンスリーボーナスらしくてな、立て札が十連ガチャだって張り切ってるんだ」


〔・ん。

 ・無料十連は大事〕


「まあ、否定はしない。つっても、たいてい碌なものは引けないんだけどな」


「でも、十回一気に引けば、一つぐらい美味しいものとか出るかもしれませんの」


 挨拶を返しつつ、そんな話をする耕助。


 今までのラインナップ的に、十回も引けば一つぐらいはうれしいものが出ているので、それなりの期待はなくもない。


 なお、あくまでもそれなりでしかないので、劇的に状況を変えるようなものが出るとは一切思っていない。


「そういや、クリスは?」


「身支度してますの」


「そうか。じゃあ、クリスとシェリアを待ってからか?」


「私が何か?」


 耕助がクリスの話をするのとほぼ同時に、当のクリスがシェリアとともに洗面所から食堂に入ってくる。


 それと同時に、玄関扉が開いてレティが入ってくる。


「皆の衆、おはようなのじゃ」


「おう、おはよう、レティ。今日は早かったんだな」


「おはようございます、レティさん! 今日は十連ガチャです!」


「おはようございますの」


「おはようございます」


〔・おはよう〕


 レティのあいさつに、全員が挨拶を返す。


 こうして、なんだかんだで、現在島にいる人間全員が食堂にそろう。


「まあ、全員揃ったところだし、とっととガチャるか」


〔・ん、了解。

 ・ガチャ開始〕


 耕助の言葉に従い、ガチャを回す立て札。


 その結果はと言うと……


”トレーディングカードゲームの伝説のカードセット”

”超合金DXスーパー戦隊ロボ 歴代全セット”

”プレイ〇ィア”

”お好み焼き粉大袋”

”烏骨鶏の卵10個パック”

”ゲーム〇ォッチ ドンキー〇ング”

”HG武者ガン〇ムMK2 徳川家康仕様”

”ほこらのかぎ”

”マ〇ドナルド ハンバーガー引換券”

”卑猥なおもちゃシリーズ・振動するピンクのスーパーボール(リモコン付き)”


 というラインナップであった。


「卑猥なおもちゃはまた、ドストレートなものが出たもんじゃのう……」


「俺も思ったが、真っ先にそこを突っ込むのか……」


「誰かが突っ込まねばまずかろうが、ここで突っ込めるのは妾か耕助だけじゃろう……?」


「いやまあ、そうなんだが……」


「ならば、年長で実質的に婆である妾が突っ込んだほうが、全体の傷が浅くなろう……」


 とりあえず、真っ先に卑猥なおもちゃに突っ込んでノルマを達成しておくレティと耕助。


 やはり耕助の場合、十連ガチャだと最後に卑猥なおもちゃを引くようである。


「で、スーパー戦隊ロボに関しては取り出すとえらいことになるだろから触らないとして……」


「個人的には、トレーディングカードゲームの伝説のカードとは、何を指すのかが気になるところじゃな」


〔・それはボクも気になる。

 ・耕助、鑑定よろ〕


「立て札は自分でできるだろうが……」


 そう突っ込みながらも、伝説のカードセットを取り出して鑑定を行う耕助。


 鑑定結果は


”トレーディングカードゲームの伝説のカードセット:いろいろなトレーディングカードゲームにおいて、カードショップで最低でも二桁万円以上で取引されているカードを集めたカードパック。すべて未使用美品で四十枚入り。なお、ゲームの種類が統一されていないので、このパックだけでデッキを構成することはできない”


 となっていた。


「……闇の深いものが出てきたな……」


〔・やったね、耕助!

 ・日本に持ち帰れば一攫千金だ!〕


「やかましい!」


「……まあ、シェリア達もよく分かっておらんことだし、深く追求するのはやめておこうかのう」


「だな。で、謎なのは『ほこらのかぎ』なんだが」


〔・これだけ、8ビットのにおいがする〕


「だよなあ。まあ、一応鑑定しとくか」


 気になるものはとにかく鑑定、ということで取り出して確認をする耕助。


 鑑定結果は


”ほこらのかぎ:ほこらを開けるための鍵。ほこらと呼ばれるものなら大体開けられる。同じシリーズにろうやのかぎ、しんでんのかぎなどがある”


 となっていた。


「まじで、8ビット時代のRPGっぽいアイテムだな……」


〔・お約束だから言っちゃいけないことだけど

 ・なんで世界各地の扉が同じ鍵で開くのか

 ・これがわからない〕


「だよなあ。にしても、何に使うのやら……」


〔・なんとなく、フラグが立った感触がある。

 ・あとで、伝言板を確認するといいかも〕


「了解」


 闇が深そうなカードパックの話を切り上げ、今回引いたものの中で一番正体不明なものについて確認する耕助。


 その話が終わったと見るや、待ちきれないとばかりにシェリアとエリザベスが口を開く。


「耕助さん、耕助さん! 烏骨鶏の卵って、食べられる卵ですか!?」


「お好み焼き粉って、なんとなく直感が食べ物関係だと訴えていますの! どんなものですの!?」


「烏骨鶏の卵は食用で、高級な卵だぞ。お好み焼き粉は、その名の通りお好み焼きっていう料理に使う粉だ。……よく考えたら、豚肉をイノシシかドラゴンで代用すれば、材料そのものは大体そろってるか……。いや、ダメだな。肝心な味付けに使うソース類が全然ない」


「ないとだめなのですの?」


「あんまり美味しくないはず。というか、青のりと鰹節、マヨネーズは妥協するにしても、お好み焼きソースは必須だと思うぞ」


 肝心なものがないことに気が付き、エリザベスの期待を叩き潰す耕助。


 さすがに、ソースなしのお好み焼きは耕助自身が食べたいと思えない。


「ソースについては、おいおいどうにかできないか考える。今日のところは、いつもの食事で我慢してくれ」


「耕助さんがそこまで言う以上、ソースなしはダメなんですね」


「ああ。ちなみにどんなソースかっていうと、シェリアが前に食べたカップ焼きそばのソースに近い奴だ」


「ああ! それなら絶対ないとだめですね!」


 耕助の補足説明に、心底納得するシェリア。


 シェリアにとっても、焼きそばソースの味は衝撃的で忘れがたいものである。


「耕助さん、姫様の期待を裏切らぬよう、ちゃんとそのお好み焼きソースとやらを再現してくださいね」


「俺が欲しいんだから、諦めるつもりはない。ただ、レシピなしでどうにかできるのかとか、レシピなしで作れないかとか、そのあたりは今のところ何一つ手掛かりがないのがなあ……」


「その点に関しては、私からは何とも言えません。ただ、我々は運命共同体なので、必要とあれば協力は惜しみません」


「まあ、その時は頼むわ。とりあえず、今日のところはいつものように畑仕事して朝飯だな」


「そうですね」


 クリスとの話を切り上げ、いつもの朝の作業に入ることを宣言する耕助。


 謎のほこらのかぎが出たこと以外、今回の十連ガチャも現時点では毒にも薬にもならないまま終わるのであった。








「新しい超古代遺跡はここかのう……」


「多分、ここだろうな。祠だし」


 数時間後。拠点近くの森の入り口。


 シェリアに呼ばれて確認しに来たレティと耕助は、あからさまに怪しいボロボロの祠を見て納得したようにうなずく。


 その祠はやたら広々とした広場の真ん中に、拠点からは絶妙に見えない感じでひっそりとたたずんでいた。


「こんなに拠点に近い位置に、こんな不自然な空間があるとはのう……」


「私も、空から見ててびっくりしました!」


「どう考えても、これ後付けだろう」


 レティの言葉に、正直な感想を口にするシェリア。


 それに対し、うんざりした表情で耕助がそんな考えを口にする。


 何せ、目の前の祠の鑑定結果は


”超古代遺跡・祠:謎の祠。詳細は不明だが、開けるためには『ほこらのかぎ』が必要。恐らく開けると封印された何かが出てくるのだと思われる。遺跡レベル0、難易度高、危険度微”


 となっていたのだから。


「それにしても、ガチャで『ほこらのかぎ』を引いたとたんに出てくるなんて、すごい偶然ですね」


「いや、これ間違いなく、『ほこらのかぎ』を引いたから出現する条件を満たしたパターンだろ……」


 疑うことを知らない感じの無垢なシェリアの発言に、そんな現実的な言葉をぶつける耕助。


 この島はゲーム的なシステムで動いているので、条件を満たせばこの手の施設が勝手に湧いて出てくるのはよくあること扱いになるだろう。


「で、どうにも鑑定結果が不穏なのが気になるんだが……」


「じゃが、所詮は危険度微じゃろう?」


「微ってのがどの程度なのかが分からないのがなあ……」


 どうにも嫌な予感しかしない情報に、腰が引けている耕助。


 そんな耕助とは対照的に、レティは割と楽観的である。


 というのも、今までの傾向から、今の段階で高難易度のエンドコンテンツ的なものは来ないだろうと予想できているからだ。


 超古代遺跡に関しては耕助の能力とある程度紐づけられている節があるので、耕助が自衛能力を得るまではエンドコンテンツ的な高難易度の遺跡はまず来ないだろう。


「難易度高ってどんな感じなんでしょうね?」


「分からんが、クズ王のピラミッドとかより難しいのだけは間違いないな……」


「いや、それは考えるまでもなかろう……」


 耕助の微妙な返事に、あきれたようにそう突っ込むレティ。


 そろそろ、いらいらした雰囲気がにじみ始めている。


「……よし、腹はくくった。ヤバそうだったら、何とかしてくれよ?」


「分かっておる。というより、我とシェリアがそろっておって、どうにもできん難易度のものが出てくると思うか?」


「いやまあ、そりゃそうなんだが……」


 ものすごく説得力があるレティの言葉に同意しながら、気が進まない様子で祠の鍵穴に鍵を差し込む耕助。


 鍵を回そうとしたところで、ごきっという破滅的な音を立てて扉そのものがもげる。


 そのまま、ド〇フか何かのコントのように、祠全体が崩れ落ちる。


 祠が崩れると同時に、どこからからレッツゴーで陰陽師な感じの曲が流れてくる。


「ぬう、祠を壊したのは……、あいぇー!? ホコラ、ホコラドコー!?」


 BGMに合わせて、これぞ陰陽師という服装をしたごっついおっさんが出てきて、そんな錯乱したセリフを言い放つ。


「誰だよ、おっさん。というか、どっから出てきた?」


「某はこの祠について説明するためのNPCである。あくまで舞台装置的な存在なので、住民には含まれん。祠をクリアすれば消えて、再挑戦すれば再び現れるのでそういうものと思え」


 どっかの酢の名前を冠した巫女がウマウマ言いながらやっていた踊りを踊りつつ、そんな説明をする陰陽師。


 なかなかにメタい上、コメントがしづらい程度には古い。


「……とりあえず、おっさんの正体は理解した。で、この祠は結局、なんなんだ?」


「うむ、古代から残った祠に封じられた怪異を、封印を解き放ったものがどうにか対処するという体のアトラクションよ」


「また身も蓋もない……」


「具体的には、遺跡レベル0から10までは〇子叩きじゃな」


「……今なんと?」


「貞〇叩きじゃ」


「そいつ、祠関係ねえだろ!」


 驚きの固有名詞に、全力でそう突っ込む耕助。


 ビデオと井戸は関係するが、少なくとも祠は直接関係していなかったはずである。


「叩いた数によって報奨がよくなっていくが、一定数を下回ると呪いがかかる」


「具体的には?」


「レベル10までは一番悪くてあらゆる成功率が20%ダウン、軽いものでたんすの角に小指をぶつける確率が20%上がる、というものである」


「地味に嫌だな、それ……」


「危険度微であるからな。所詮こんなものよ」


 説明を聞き、顔をしかめる耕助。


 しょぼいといえばしょぼいが、地味に嫌なペナルティではある。


「そういう訳で、スタートなのである!」


 問答無用な感じで陰陽師がそう宣言する。


 その宣言に合わせ、例の「くる、きっとくる」という感じの歌が流れ、大体三メートルぐらいの間隔で三行三列に井戸とテレビが出現する。


「シェリア、来るぞ!」


「はい! 危ないので、耕助さんはそこに!」


「この広さなら、妾は手を出さんほうがいいな」


 耕助の号令に合わせて飛び出すシェリア。


 その様子を悠然と見守るレティ。


 シェリアが飛び出して瞬き二つぐらいの時間の後、真ん中の井戸から最初の貞〇が出現し、その直後に粉砕される。


「ふむ。やはり妾が手出しをする余地はなさそうじゃの」


「だなあ」


「そんなことより1よ、聞いてくれ」


「誰が1か」


「というか、お主、それはどちらに呼び掛けておるのじゃ?」


「知れておる。そちらのこの島最弱の人類よ。どう見ても1という顔をしておろう」


「いや、だから誰が1か」


 出現直後に貞〇を仕留めるシェリアを眺めながら、そんな益体もない話をする一同。


 レティと耕助はまだしも、案内役のNPCである陰陽師が雑談に興じていていいのかと思はなくもない。


 が、今のところ二体同時だろうが三体同時だろうが瞬殺するシェリアを見ていると、別にさぼっていても問題はなさそうだ。


 もっとも、そもそもの話、この陰陽師が結果を判定しているのかどうかも不明なのだが。


「某、よく牛丼を食いに吉〇家に行くのだが……」


「吉〇家コピペとか、また絶妙に古いのう……」


「だなあ……」


「別に、家族連れが居って座れなんだとという訳でもないのだが、某は牛丼というと基本つゆだくと決めておる。が、それをにわかがつゆだく言いたいだけと思われておらんかと不安でのう……」


「……心底どうでもいい……」


 陰陽師のネタ振りに、心の底からそう答える耕助。


 正直、牛丼チェーンの店内が殺伐としていようが家族連れであふれていようが知ったことではない。


「後、それがし、大盛りとギョクは頼むことがあるが、ネギだくは頼んだことがなくてなあ」


「ネギだくなんて、俺も頼んだことねえわ……」


「そもそも、妾は吉〇家自体に入ったことがないのう……」


「そりゃまあ、こっちの世界には牛丼チェーンどころか牛丼自体あるかどうか怪しいしなあ……」


 耕助の反応に負けず、ネタを続ける陰陽師。


 その陰陽師に付き合い、ネギだくについて答える耕助とレティ。


 なお、レティとシェリアの出身世界では、まだ牛丼は発明されていない。


 なのにレティが吉〇家コピペなんてものを知っていたのは、言うまでもなく立て札およびその身内のせいである。


「さすがに大盛りとギョクのセットで目を付けられることはないと思うのであるが……」


「いや、それ味噌汁足したら普通にセットメニューだから、そんなもんで目をつけられたりしないだろ……」


「やはり、ここはおとなしく牛鮭定食を頼むべきか……」


「もう好きにしたらいいだろ……」


 最後までネタをやり遂げようとする陰陽師に対し、さじを投げたようにそう告げる耕助。


 そんな中、シェリアの貞〇叩きは佳境を迎え、出現スピードと同時出現数がどんどん増えていく。


 そしてついに、これがフィナーレと言わんばかりに全ての井戸とテレビから同時に貞〇が出現する。


「……おい」


「同時参加人数に上限がない以上、あれもまた合法である」


「いやまあ、そうなのかもしれんが……」


「そもそも、最後どう見ても分身したようにしか見えぬあのおなごのほうが、この種のアトラクションに参加させてはいかん類に見えるのであるが?」


「それについては、反論の余地もねえわ……」


「うむ、間違いないの」


 陰陽師の苦言に、全面降伏するしかない耕助とレティ。


 シェリアは出現と同時に三人に分身し、一瞬で三列の貞〇を粉砕したのだ。


 どう考えても、この種のアトラクションにはオーバースペックである。


「まあ、クリア報酬であるな。1よ、お主には厄除けのお守りを、あちらのおなごには恋愛成就のお守りを進呈するのである。所詮レベル0の報酬なので、効果は気休め程度ではあるがな」


「まだ1をひっぱるのか、ってのは置いといて。俺の厄除けは分るんだが、なんでシェリアに恋愛成就なんだよ……」


「1よ、それについてはお主が悪い」


「うむ、そうじゃな」


「……せめて二十歳過ぎてないと、いろいろと怖いことがあるんだよ……」


「「そんなもの、この地では関係なかろう」」


 耕助の抵抗を、その一言でばっさり切り捨てるレティと陰陽師。


 その後、レティが陰陽師に対して確認を取る。


「それで、妾には報酬はないのかの?」


「特に困っていることもないバハムートに、なんのお守りを渡せばいいのか、正直某には見当もつかぬ」


「道理じゃな」


「なのですまんが、あなたには渡せる報酬はない」


「うむ、かまわんよ」


「では、落ちが付いたところで、また次回である!」


 そう宣言し、ゲッダンな歌にあわせてくるくる回って揺れて震えながらフェードアウトして消えていく陰陽師。


 最後まで絶妙に古いネットミームはやめないようだ。


「……恋愛成就か、やばい予感しかしないな……」


「あきらめろ」


 耕助のボヤキを、レティが一言で切り捨てる。


 そこに、残心を終えたシェリアが戻ってくる。


「耕助さん! クリアしました!」


「おう、お疲れさん」


「なんか、変なものをもらいましたけど、これなんでしょう?」


「お守りだそうだ。所詮最低難易度の報酬だから気休め程度の効果らしいが、どの程度かは知らない」


「なるほど。じゃあ、頑張ってレベルを上げれば、実用的な効果のお守りが手に入るってことですね!」


「まあ、ほどほどにな……」


 シェリアのやる気にビビりながら、そう答えるしかない耕助。


 なお、次にチャレンジできるようになるまで八時間かかることが判明し、時間的な問題でこの日の再チャレンジは行われることなく終わるのであった。

祠ネタを含めてもそんなにたくさんネタを仕込めなかった、無念。


戦隊ロボのおもちゃ、シンケンジャーぐらいからえげつないことになってるんですよね、あれ。

もうそろそろ40作は超えたかぐらいだったはずなので(調べてないので正確なところは不明)、全部まとめてとなるとものすごいスペースが必要そうです。


後、TCGの伝説のカードについてはあれです。作者がそこまで詳しくない上、見る時期によって相場が変わりすぎるので、具体名を出さないことにしました。

多分、日本に持って帰って売りさばくと、耕助の年齢なら一生仕事しないで暮らせる程度の収入にはなると思われます。億越えのカードとか普通に混ざってるし。


最後に一言。貞〇はネットミームでいいと思うの

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― 新着の感想 ―
各話楽しみに読ませていただいてます。 なんか、フェアリーティルクロリエルに出ていたキャラが出てきているようなんですが、 この無人島に耕助が漂着してきたのって、『春菜ちゃん頑張る』での宏くんや春菜ちゃ…
カギについてはドラクエは『アバカム』の魔法が関係してる的な考察があった気がするなあ と言うか錠ならなんでも開けられるあの魔法のせいで鍵の技術が発展しないで最終的に専門職が鍵にアバカムの簡易魔法みたいな…
東京フレンドパークの景品にも高額カード出たしなー(マジックザギャザリングのブラックロータス)
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