表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/39

第29話 新しい作物に挑戦しよう

先週はPCが絶不調で、投稿が一週間ずれてしまいました。ごめんなさい。

後、うまく落ちが思いつかなかったこともあって、普段より短いです。


後、今回から作中の日数経過が早くなります。

それに伴い、立て札との朝のコントやデイリーガチャも原則省略とさせていただきます。

さすがに毎日朝から始まると非常に進みが悪いの上にネタ切れが加速しますし、いい加減日数経過を早くしないと三日かかる新しい作物とかがやりにくくなるうえに毎日イベントが起こるわけでもないので……。

「おっ、今日はちゃんと芽が出たか」


 お菓子の城とポータルがつながってから三日後の朝。


 いつもの畑仕事に出た耕助は、ウォーレンがくれた種が発芽しているのを見て顔をほころばせる。


 なお、シェリアは鉱石を掘りに遠出しており、レティはまだ来ていない。


「芽が出てますの!」


「ついにですか……」


 耕助の後について畑仕事をしに出てきたエリザベスとクリスも、ぴょこんと生えた双葉に感慨深げにしている。


「結構たくさん種をもらったのに、二回も全滅するとは思いませんでしたの……」


「一日二十ほど蒔いてましたよね、確か」


「成功率八割なら、普通全滅はあり得ない数ですの……」


 これまでの結果に、そんな感想を言い合うエリザベスとクリス。


 毎日二十個ほどの種をもらって、今日ようやく一株だけ発芽したのだ。


 つまり、八割成功するはずの種を五十九個も失敗しているのである。


 確率的には小数点以下に四十個ほど0が並ぶ数字で、本来なら起こるはずがないと考えていい。


 ここまでくると、逆に運がいいのではと邪推したくなる。


 少なくとも、体感で八割と予想していた成功率より、実際の成功率がだいぶ低いのは間違いなさそうだ。


「とりあえず、下手にホウレンソウに手を出さなくて良かったよな……」


「そうですね。間違いなく全滅していたかと」


「というか、本当に八割も成功率がありましたの?」


「そこまではなかったとしても、五割は切ってないのだけは断言できる」


〔・ん。そこは保証する。

 ・というか、実のところ八割っていう耕助の体感は

 ・そんなに大きく外れてない〕


 エリザベスのもっともな疑問に対し、衝撃の事実を告げる立て札。


 体感八割がほぼ正しいのであれば、六十個種を植えて一個しか発芽しなかったという結果は奇跡などという領域を超えている。


〔・その八割というのは

 ・いわゆる基本成功率。

 ・特にプラスもマイナスもないときの確率〕


「ってことは、何か妙なペナルティでも発生してたってことか?」


〔・ん。

 ・短期間でいろいろ実装されたから

 ・どうもその反動でペナルティが発生してるっぽい。

 ・特に農業にきついのが来てて

 ・成功率計算時に50%のマイナスがかかってる〕


「50%か……。じゃあ、大体30%の成功率だと思えばいいわけか」


〔・ん。

 ・ちなみに、ニンジンとか大根あたりまでの

 ・計算上成功率が150%以上のものには影響ない。

 ・あくまで、成功率の計算にペナルティがかかってるだけ。

 ・どんなに成功率上げても最大50%で止まるとか

 ・そういう種類のペナルティではない〕


「ああ、某ロボット大戦の精神コマンドみたいな、最終結果に補正っていうあれとは違うってことか……」


〔・そそ。

 ・カンストレベルまで鍛えてるのに

 ・最低難易度の作業に失敗するような

 ・そのレベルの理不尽じゃない〕


 耕助に対し、何の慰めにもならない仕様説明をする立て札。


 言ってはなんだが、成功率50%マイナスは普通に理不尽な部類である。


「あの、ちょっと疑問がありますの」


〔・なに?〕


 それまでの説明に何やら難しい顔で考えこんでいたエリザベスが、意を決したように手を上げる。


「聞く限り、ホウレン草や今回の種はニンジンより一段階か二段階難しい作物ということになると思いますの」


〔・ん、その認識で間違いない〕


「だったら、ニンジンの成功率は高く見ても120%ぐらいになると思いますの。ですのに、50%のマイナスを受けても100%以上になりますの?」


〔・そのからくりは簡単。

 ・耕助はニンジンを育てる熟練度が高いから

 ・その分のボーナスでかなり底上げされてる〕


「個別の作物にも、熟練度がありますの?」


〔・それは当然の話。

 ・例えばベテランの小麦農家が

 ・いきなり何の前知識もなく大麦とかライ麦を育てても

 ・それらの農家ほどの質や収穫量をいきなり出すのは無理。

 ・普通に売り物にできる水準のものは余裕で育てるだろうけど

 ・細かいノウハウの差で熟練の専門家には絶対負ける〕


 立て札の言葉に、言われてみればそれはそうだと納得するエリザベス。


 大雑把な流れや作業内容は同じだとしても、やはり種類が違えば肥料や水の量、間引き方といった細かいところが変わってくる。


 もっとも、植えてから長くて十日で収穫に至り、やる水の量なども特に差がないように見える無人島作物で、そのあたりのノウハウがどの程度蓄積されているのかは不明ではあるが。


「それを踏まえても、まだ成功率が低すぎると思うのですが……」


 自分の疑問が解決してすっきりした様子のエリザベスに代わり、まだ腑に落ちないという態度でそう突っ込むクリス。


 実際、成功率30%でも六十個中五十九個失敗する確率は、小数点以下十桁となる。


 成功率80%のケースと比べれば大分現実的な数値で、耕助の不運だと普通にありそうだとしても、やはりまだまだ本当に発生するとは思えない確率だろう。


〔・細かすぎて把握できてないけど

 ・ちょこちょこと細かいペナルティが発生してたから

 ・実際の確率だと百万分の一ぐらいだと思う。

 ・これぐらいなら、耕助なら普通に起こる〕


「普通は、その確率も起こらない範囲だとは思うのですが、今までの話を聞く限りはあり得ないとは言い切れませんね……」


〔・そもそも新しい作物に挑戦するタイミングで

 ・特にこれといった原因なしで

 ・こんなえげつないペナルティを引くこと自体が

 ・耕助の途轍もない運のなさを証明してる〕


「運がなくて悪かったな……」


 散々な言われように、ふてくされた顔でそう吐き捨てる耕助。


 とはいえ、何も悪いことはしていないのに、ピンポイントで新しい挑戦に対してえげつないペナルティを食らっているのは事実だ。


 普通なら絶対起こりえないレベルの現象を、わざわざペナルティを引き当ててまで現実のものにしてしまう運のなさは、何を言われてもしょうがないところだろう。


「そういや、土偶やウォーレンたちは、その手のペナをどうにかできなかったのか?」


〔・多分、レベルが足りない。

 ・そもそも、どっちも本体は一桁レベル。

 ・総合レベルは本体のレベルほど大きな補正はつかないし〕


「ウォーレンたちはともかく、土偶については釈然としねえ……」


〔・気持ちはわからなくもない。

 ・あれだけ派手に干渉しておきながら

 ・この手のペナは素通しって意味わかんないし〕


「だよなあ……」


〔・あの土偶、ボクが解析しても

 ・いまいちどういう挙動してるのかはっきりしない。

 ・そもそも仕様が微妙にブラックボックスというか

 ・やってることは分るけど

 ・なんでそうなるのか分かんない感じ。

 ・解析自体も今日終わったぐらいだし〕


「それ、大丈夫なのか……?」


〔・多分大丈夫。

 ・この訳の分からなさの癖

 ・父と母のものだから。

 ・ついでに言うと、多分どっちも

 ・意識して干渉はしてない〕


「……そのほうがヤバくないか?」


 土偶の出処を聞き、思わずジト目でそう突っ込む耕助。


 無意識に干渉できるということは、その気になって本気で干渉すればどうとでもできるということだ。


 どう考えてもヤバい。


〔・母の無意識の干渉に関しては

 ・むしろ防げるほうがまれだから

 ・警戒するだけ無駄。

 ・あの因果律かく乱体質は最強だし。

 ・ただし、どんな干渉をするかは

 ・結果が出るまで母も含めて誰一人分らない〕


「それはそれでヤバい気がするんだが……」


〔・敵対しない限り

 ・悪いようにはならない。

 ・実績は十分だから安心する〕


「いまいち釈然としないが、藪蛇になるとまずいから一応納得しておくわ……」


 なかなかにやばい話に、これ以上踏み込まないことを決意する耕助。


 なんとなく手遅れのような気がしなくもないが、そこを突っ込むと引き返せない道に踏み込みそうな気がするのだ。


「それで、この作物は一体何ですの?」


 話が一段落したタイミングで、エリザベスが重要な質問をする。


「ちょっと待て、鑑定する。……大豆、だと……!?」


「大豆、ですの? どんな作物ですの?」


「いろいろ使い道がある豆だな。まあ、その使い道も、まずは種を取って増やしてからなんだが……」


 謎の種の正体が大豆だと知り、にわかにテンションを上げる耕助。


 日本人にとって重要な作物の一つだとはいえ、現金にもほどがある。


 なお、実際の鑑定結果は


”島大豆:正式名称は無人島大豆。栽培してから夜を七回経過すると収穫可能になる。土と水だけで特に肥料などなくとも育つ。五日目に収穫すると枝豆になる。無人島作物としては珍しく、それなりに食味がいい。一回の収穫量は多いが相応に発芽しづらいので、大事に育てよう”


 となっている。


 余談ながら、ウォーレンがくれる謎の種は、発芽するまでは立て札ですら正体が分からなかったりする。


「……ちょっと待て。なんで朝顔の種みたいな奴から、大豆が生えるんだ?」


〔・そりゃあもう

 ・あの種はガチャタイプの種だから。

 ・なので、普通にジャガイモとかサツマイモもでる〕


「……なんでだよ。てか、ジャガイモが出たら泣くぞ……」


〔・今回は難易度縛りが入ってるみたいだから

 ・そこについては安心する。

 ・ちなみに、サツマイモはラインナップに入ってる〕


「入ってるのか。っていうか、サツマイモの難易度はそこなのか」


〔・ん。

 ・といっても、単に差別化の問題。

 ・実際の育てやすさとかとは関係ない〕


「だろうな……」


 立て札の言葉に、遠い目をしながらそう答えるしかない耕助。


 作物の性質としては似たようなものであるジャガイモとサツマイモなのに、一方は多少農作業になれた程度でも失敗しないレベルで、もう一方はそろそろ半人前の兼業農家ぐらいになった人間が失敗しうる難易度だ。


 この点を踏まえると、想像以上に実際の育てやすさとの乖離は大きそうだ。


「あの、豆はああいう種から育つのではありませんの?」


「全部がそうかは知らないけど、豆ってのはそれ自体が種みたいなもんだからな。ちゃんと熟してる前提だけど、基本的に豆は莢から取り出した豆を植えて育てる」


「そうなんですの」


 エリザベスの疑問に、そう説明する耕助。


 さすがに大貴族の娘だけあって、こういうことはよく知らないようだ。


 耕助もそれほど詳しいわけではないが、それでも理科の時間に学ぶ程度のことは説明できるので、そういう意味ではエリザベスよりましであろう。


「うお、うお」


「ああ、今日の種か。ありがとう」


「うお!」


 そんな話をしていると、ウォーレンが種を持ってくる。


「しかし、農作業のペナルティはいつまで続くのやら……」


〔・多分、今日か明日で終わり。

 ・ゲームバランスや世界に対する付加的な面でも

 ・そんなに長時間は続かない〕


「だったらいいんだが……」


 そうぼやきながら、いつもの農作業に入る耕助。


 今日のところは、これといって大きな違いもなく朝の農作業を終えるのであった。








「のう、耕助よ。苗木を見つけてきたのじゃが、植えてみんか?」


 その日の昼過ぎ。この日初めて顔を出したレティが、唐突にそんなことを言い出す。


 なお、どこに寄り道をしているのか、シェリアは朝食を食べた後は帰ってきていない。


 エリザベスとクリスは、お菓子の城近くにある湖で釣りをしてみると言って出かけている。


「……植えるのはいいが、今重いペナルティが発生してるから、高確率で枯らすんじゃないか?」


「そうなのか?」


「成功率マイナス50%だと。立て札の見込みでは、今日か明日までは続くらしい」


「ふむ……」


 耕助の言葉に、少し考えこむレティ。


 農作業やこの島でのスキル関係の挙動については分らないが、立て札と耕助が言うならば間違いないのだろう。


 ただ、普段ならそれで納得するところだが、今回に限ってはそんな事情を無視して植えるべきだと、レティの勘が強く訴えているのである。


「そうじゃの。それでもいいから、植えてみんか?」


「ええ?」


「妾の勘じゃが、この苗は早いところ植えておくほうがいい気がしての」


「レティがそういうならかまわないが、どこに植えたものかな……」


 レティの言葉に押され、とりあえず苗を植えることには同意する耕助。


 とはいえ、どれほど大きくなるか分からない木なので、下手な場所に植えるわけにもいかない。


「うお、うお!」


「どり、どり~」


 そんなことを考えていると、ウォーレンとドリーが何やら激しく主張する。


「どこがいいか、教えてくれるのか?」


「うお!」


「どり!」


 耕助の言葉に大きな声で返事をし、こっちへ来いとばかりに拠点にしている草原の中央付近へと歩き出すウォーレンとドリー。


 耕助が近づくと、ここだここ、という感じで二人して飛び跳ねる。


「そこに植えればいいんだな?」


「うお!」


「どり!」


「じゃあ、まずは耕すか」


 ウォーレンとドリーが指定した場所を、せっせと耕す耕助。


 ちょうどいいぐらいの範囲と深さを耕し掘り返したところで、レティから苗木を受け取る。


「そういや、結局これは何の苗木なんだ?」


「知らぬ。さほど樹木に詳しいわけでもないし、こんな特徴の薄い苗木を見ても分からん」


「そりゃまあ、そうか」


「むしろ、お主が鑑定すればよかろう」


「だな」


 レティに言われ、受け取った苗木を鑑定する耕助。


 鑑定結果は


”神聖樹の苗木:神聖な力を蓄え、周囲を浄化する力を持つ樹木の苗木。種別としては常緑広葉樹となる。この島での分類は設備なので農業の影響は受けず、植える場所を間違えなければ枯れない。設備レベルの上昇に伴い成長・進化し、様々な機能を発揮する。成長するとマスコットとしての機能を得る可能性がある。成長先は複数あり、条件を満たせば世界樹となることも可能”


 という物であった。


「設備なのか……」


「まあ、最後が世界樹というのであれば、ある意味設備と言うても間違ってはおらんのう」


「マジか……。まあ、設備ならえげつないペナルティがあっても枯れないのは当然か……」


 鑑定内容に唖然としながら、そんな感想を口にする耕助。


 そんな耕助とは対照的に、特に驚く様子を見せないレティ。


 どうやら、勘働きによって、なんとなく予想はしていたらしい。


「それで耕助、植えんのか?」


「そうだな」


 レティに促され、苗を植える耕助。


 作業を終えたところで、レティに質問する。


「ところで、この苗はどこで手に入れたんだ?」


「寝床を片付けて掃除したら出てきての。こんなものを拾った覚えはないから、恐らく自然発生したものじゃと思う。で、妾が持っておってもしょうがないから、ここに持ってきたのじゃ」


「なるほどな。しかし、レティの寝床にもこういうのが発生するのか……」


「恐らくじゃが、ダンジョンの宝物庫か何かと同じ扱いになっておるのじゃろう。ドラゴンのコレクションといえば、本人も何があるか把握できておらんと相場が決まっておるし」


「あ~、そういうイメージがなくもないな、確かに……」


 レティの言葉に、思わず同意してしまう耕助。


 ドラゴンの巣穴にある財宝とかコレクションというと、レティが言ったように場合によっては本人も覚えていないようなものが出てくるぐらい雑多で統一性がないイメージがほんのりある。


 もっとも、一番強いイメージとしては、カラスの巣穴並みに光物、それも黄金がたんまり蓄えられているという物であろうが。


「妾とて、本能で集めたものは全部を覚えておらんしの。親から引き継いだものとなると、本気で何を持っておるか分からん」


「元の世界での住処だとそうなんだろうが、こっちでもそうなのか?」


「うむ。近場で湧いたダンジョンをつぶした際、おぬしらが持っていても仕方がないものでなんとなく気に入ったものをため込んでおるからの。それに、シェリアからももらっておるから、すでに把握できん程度には集まっておるわ」


「さすが……」


 ある意味イメージ通りの話に、感心するしかない耕助。


 暇にあかせて片っ端からダンジョンをつぶしている割に成果物が少ないと思ってはいたが、やはりレティのコレクションになっていたらしい。


 なお、耕助はそのことについて、特に何も言う気はない。


 根本的にレティとシェリアがダンジョンから得た成果物なのだから、その処遇をどうしようが耕助が口をはさむ問題ではない。


 それに、現状では魔石や種、設備や道具およびその素材になるものを除けば、もらったところで何の役にも立たずに持て余すだけである。


「さて、戻って道具類の点検だな」


「今日は、お菓子の城には行かんのか?」


「最近人が増えて、道具の利用率が上がってるからな。先に点検して、必要なものを作ってからのほうが落ち着いて問題に挑戦できる」


「そうか」


 耕助の言葉に、そういうものかと納得するレティ。


 そこへ、シェリアが飛んでくる。


「耕助さん、耕助さん! 森の中で変な木から変な種をもらいました!」


「また急展開だな!?」


「ここ何日か、おとなしかったからのう……。反動が出たのかもしれんなあ……」


 シェリアの爆弾発言に思わず突っ込む耕助と、遠い目をしながらそうこぼすレティ。


 どうやら、シェリアがなかなか戻ってこなかったのは、その変な木というのと何かやっていたかららしい。


「って、なんだか私の里に似た雰囲気の幼木が!」


「レティの寝床から出てきたんだと……」


「どうやら、ダンジョンの宝物殿扱いになって自然に湧いたらしくての……」


「へ~……」


 植えられた神聖樹の幼木に、そんな反応を見せるシェリア。


 そんなシェリアに対し、そういえばと耕助が疑問を口にする。


「朝飯の後ずっといなかったけど、昼飯はどうするんだ? 俺たちはもう食ったぞ?」


「ちなみに、妾も適当に食ってからこちらに来ておる」


「ああ、変な木からいろいろもらって食べましたから、お昼は大丈夫です」


「いろいろって、何をもらったんだ?」


「変な味の果実とか豆とかナッツっぽいものとかですね」


「そっか。……その果実とか、大丈夫なのか?」


「翼人族に害を与えられるようなものじゃない、とのことです」


「それ、俺とかエリザベスだとやばいかもしれないってことだな……」


 やたら怖いことを言うシェリアに対し、そう察してジト目を向ける耕助。


 もっとも、ジト目なんぞシェリアに通じる訳もなく、そのまま元気に話を続ける。


「というわけで、耕助さん。この種を植えましょう!」


「いや、出来たら明後日までは新しい作物はやめときたいんだが……」


「どうしてですか?」


「明日ぐらいまで、農作業にマイナス50%のペナルティが付くんだよ。だから、そのペナルティがあけるまでは、新しい作物は避けたい」


「そうなんですか?」


「そうなんだよ」


 耕助の言葉に、不思議そうな顔をするシェリア。


 その様子を苦笑しながら見ていたレティが、思うところを口にする。


「とりあえず、種を鑑定してはどうかの?」


「うお!」


「どり!」


 レティの言葉に、ウォーレンとドリーが賛同するように声を上げる。


「そうだな。種を見せてくれ」


「はい!」


「……謎の種スペシャル? 難易度5ってどれぐらいだよ……。突発的なボーナスおよびペナルティは無効、効果があるのは土の状態と肥料、設備及びマスコットによるボーナス、か。ってことは、今回のマイナス50%は無効化されるわけか」


「ペナルティがなければ栽培できますね!」


「だな」


 シェリアの言葉にうなずき、畑に戻る耕助。


 大豆の発芽が切っ掛けとなったのか、神聖樹の苗木と謎の種スペシャルと、新しい何かに連続で挑むことになる耕助であった。

なんとなく、土偶と埴輪って時点で立て札の両親が無意識に干渉してんじゃないか説を否定しきれなかった件。


それはそれとして、祠ネタに限らず妙に流行って爆速で終息したネットミームとか妙な流行とかを、この際まとめてネタにしようかと思うわけですが、どんなのがあったか思い出しきれない……。


というわけで、その変のネタを大募集します。


それはそれとして、ついに書籍版の1巻が発売になりました。

ハル犬先生の手による、イメージ以上に煽り性能が高いアクティブな立て札をぜひご覧になってください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
更新、お疲れ様です。 耕助なら百万分の一どころか、確率ゼロ%でもあっさり達成すると思いますw それぐらい実績重ねてると思います。 ゲームの進化とか合成に関しては、ツッコミいれるだけ無駄かと。 アッ…
>>その変のネタを大募集 その辺ではなく、「変」なのねw でも、こういうのって意識すると出てこないものなんだよなぁ…
フラグーン!?神聖樹フラグーンじゃないか!(違 この島に瘴気濃度の高い存在は来なさそうだけど、マスコット枠でまた小動物が増えそう。(もしくは見た目幼女) 基本ツイッターは見ないからネットミーム的なの…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ