第15話 アップデートを確認しよう その1
〔・ものすごい悲鳴が聞こえてきたと思ったら
・なんか変なのがいる〕
耕助の悲鳴を聞きつけ、にゅっと生えてきた立て札がそんなことを言う。
「変なのが生えてきましたよね~」
〔・ん。
・まあ、実のところ
・似たようなビジュアルのは
・実家の温泉に浮いてるけど〕
「む? そうなのか? 妾は見たことがないが?」
〔・割と扱いが難しい危険物だから
・ボクの管理する世界には持ち込まなかった。
・ちなみに、兄や姉も同じ〕
謎の植物を見て、そんな緩い話をする立て札たち。
今のところ害がないからか、それとも耕助以外は生えてきたばかりの植物ごときに負けることはあり得ないからか、まるで緊張感がない。
〔・それはそれとして、耕助。
・二回連続で絶叫で次に引くのは
・ワンパターンすぎてちょっとどうかと〕
「メタなこと言うなや、おい……」
唐突に終わり方にケチをつけてきた立て札に、思わずそう突っ込む耕助。
いくらなんでも、発言がメタすぎる。
〔・それはそれとして
・あれ、こっちでも正体が識別できない〕
「ちょっと待て。なんで管理者であるお前が、島に発生した生物の識別ができないんだよ?」
〔・別にボクは、全知でも全能でもない。
・分からないことぐらい、いくらでもある〕
「いやまあ、そうだろうなと思わされる節はあったが……」
あっさりとなんでも知ってるポジを放棄する立て札。
予想はしていたが、当人にはっきり宣言されてしまい、肩を落とすしかない耕助。
もう少しこう、見栄を張るというか超越者的存在らしいところを見せてほしかったところである。
〔・まあ、こういう時のために
・伝言板を用意した。
・たぶん、シークレットミッション攻略扱いで
・何か出てるはず〕
「システム作った存在に分からないことが、伝言板のミッションで分かるようになるって、なんかおかしくないか?」
〔・それについては、理由は単純。
・AIっぽい何かを使って
・アカシックレコード的なのにアクセスして
・それらしい情報をでっちあげるシステム組んでるから
・開発者が分からないことでも分かるようになってる。
・分かった時点で正体が定義されるから
・いちいちボクが考える必要もない〕
「それでいいのか!?」
あまりにいい加減すぎるシステムについて、思わず全力で突っ込んでしまう耕助。
いくら全部自分で決めるのが面倒だとはいえ、アカシックレコードなんてたいそうなものまで利用して情報をでっちあげるとか、本当に管理者としてそれでいいのかと疑問に思わざるを得ない。
〔・そんなことより、早くチェック〕
「そんなことって軽く流していいようなことじゃないと思うんだが……」
耕助の突っ込みを軽く流し、確認を急かす立て札。
立て札に急かされ、腑に落ちないものを感じながらも伝言板に向かう耕助。
その間に謎の蕪は畑を這い出て、ラジオ体操を始めている。
「……なになに? シークレットミッション:マンドラゴラ神種の栽培を達成?」
〔・ああ、マンドラゴラだったんだ〕
「……マンドラゴラって、ああいう感じなのか?」
「私、マンドラゴラって初めて見ましたけど、不思議な感じですね~」
〔・まさか。
・これを普通のマンドラゴラと思ってはいけない〕
「これが普通のマンドラゴラであれば、妾や立て札が分からんはずがなかろう」
マンドラゴラと聞いた耕助とシェリアの反応に、一応しっかりと釘を刺しておく立て札とレティ。
普通のマンドラゴラも不気味は不気味だが、このゴ〇ゴ面とは不気味さの方向性が大きく違う。
「で、神種って表示されてるけど、どういう意味だ?」
「それはの、シンプルに神に近い能力を持つ個体のことじゃ」
「ってことはあれ、神様になるのか!?」
「まだ亜神にすら至ってはおらんが、きっかけがあれば神になる可能性はあるのう」
耕助の疑問に答え、恐ろしいことを言うレティ。
その答えに、げっそりした表情を浮かべる耕助。
〔・なんにしても、正体が確定したから
・いろいろと情報が入ってきた。
・とりあえず、一番心配してた
・爆発する性質はなさそうで一安心〕
「爆発って、なんでだよ!?」
〔・実家にいる似たような植物は
・衝撃を与えると爆発する。
・なんでなのかはボクに聞かれても困る。
・親もそういうものだとしか言わないし〕
「それ、生物の進化としてどうなんだよ……」
〔・温泉に浮かべておくだけで意味不明な勢いで増えるから
・爆発したところで問題ないんだと思う〕
意味不明にもほどがある生態に、思わずげんなりする耕助。
立て札のほうは、自身が生まれる前からそういう存在だったためか、もはや深くは考えないようにしているようだ。
「まあ、この場に存在していない謎植物のことは置いておこう。問題は、今そこにいる謎植物をどうすればいいかだ」
〔・ちなみに、スキャンの結果
・一定の知性はあることが分かってる。
・一応意思疎通はできるはず〕
「……どうやって?」
〔・ボクのほうは
・誰かが意思疎通できるようになる必要がある。
・耕助たちについては、植物魔法か精霊魔法
・後は誰かがそういうスキルを覚えたらいけるはず〕
「……ということらしいんだが、レティかシェリアはその手の魔法、もしくはスキルを持ってるか?」
「さすがに植物系は持っておらんのう」
「私もですね~。というか、植物関係はエルフの専売特許みたいなところがありますし」
立て札の説明を受けた耕助の確認に、イメージ通りとしか言いようがない答えを返すレティとシェリア。
もっとも、植物系の種もいるドラゴンはまだしも、基本空をテリトリーとしているフィジカルエリート系脳筋種族の翼人族が、そんな便利なスキルを持っているとは誰も思っていないのだが。
〔・というか、耕助。
・この中で一番可能性があるの
・間違いなく耕助〕
「へ?」
立て札に予想外のことを言われ、思わず間抜けな声を上げてしまう耕助。
そんな耕助に、立て札が意図するところを告げる。
〔・スキルを後付けする余裕があるのも
・属性とかそういうの関係なく習得できるのも
・現状耕助だけの強み。
・多分だけど、伝言板に何か出てるはずだから
・そっちをチェック〕
「……出てるのか? いやまあ、少なくとも達成した意識が薄いシークレットミッションの報酬はもらえるようだが……」
立て札の言葉に首を傾げつつ、一応ミッション報酬をもらうことにする耕助。
なお、シークレットだけあって、完了操作をするまで報酬の内容も伏せられていたりする。
「……ニュアンス理解だとさ」
〔・ああ、あのいろいろ誤解を招きそうな名前のスキル。
・それ、鳴き声しか出せないとかみたいに
・言語での意思疎通が絶対不可能な相手と
・なんとなくニュアンスで意思疎通できるようになるスキル。
・だから、かまってちゃんの言ってることが分かるとかの効果はない〕
「つまり、この謎植物とかと意思疎通するのに使えるスキルってことか?」
〔・ん。
・という訳で、交渉ヨロ〕
「まあ、新しいミッションも出てるから、一応やってみるけどさ」
立て札に言われ、推定マンドラゴラに向き合う耕助。
そんな耕助の様子を、立て札達が固唾を飲んで見守る。
「あ~、多分、俺達の話は聞こえてたと思うが……」
「うお!」
「ああ。やっぱり言葉は分ってるんだな」
「うお! うお!」
「ああ、ご丁寧にどうも。俺は荒田耕助だ。あっちの翼人族がシェリア、そっちのドラゴンがレティシア・バハムートだな。で、この立て札がどこぞの神の端末らしい。中身がだれか知らないから、みんな立て札と呼んでいる」
「うお! うお!」
「ウォーレンと呼べばいいか?」
「うお!」
「そういや、立て札が似たような植物で自爆する奴を知ってるそうだが、ウォーレンは自爆するのか?」
「うお、うおうお!」
「そりゃそうか」
「うお!」
「という訳で、このマンドラゴラはウォーレンというらしい。頑張って生えた途端にすごいエネルギーに巻き込まれて、気が付けば人の話している内容が分かるようになっていたとさ。なお、ウォーレン本人は爆発はしないそうだ」
何事もなかったかのように、ウォーレンと名乗っているらしい推定マンドラゴラと意思疎通を成立させる耕助。
その表情は、どことなく悟りを開いているようにも見える。
〔・予想通りとはいえ
・何事もなく意思疎通を成立させるあたり
・耕助は何気に適応力ある気がする〕
「いろいろ諦めただけだ……」
そう言いながら、伝言板を確認する耕助。
どうやらちゃんとウォーレンの主張は理解できていたらしく、連続シークレットミッションの「ニュアンス理解を利用して、正確にコミュニケーションを取ろう」が完了となっていた。
「で、ミッション報酬は特殊テイムとやらで、次のミッションはこれでウォーレンをテイムしないといかんらしいが……」
「うお! うお!」
「いいのか? って、なんかもうテイムされてる感じなんだが……」
〔・特殊テイムは、普通のテイムとは違う。
・絶対敵対できないこと以外ほぼ強制力はないけど
・その代わり主やパーティ、クランメンバーの能力を底上げする。
・その底上げ対象にテイムされる対象も含まれるから
・普通のテイムより抵抗が少ない〕
「そういえば、そんなテイムもあったのう」
「へえ、そんなのがあるんですか」
立て札による特殊テイムの説明に、それぞれの反応を見せるレティとシェリア。
それを聞いていた耕助が、深刻な顔で疑問を口にする。
「パーティとかクランってことは、もしかしてシェリアとレティも含まれるのか?」
〔・シェリアはともかく、レティは何とも言えない。
・後、耕助が心配してるのはシェリアがもっとゴリラになることだと思うけど
・底上げされるのが戦闘能力とは限らないので安心する。
・マンドラゴラだと、多分農耕関係になるはず〕
耕助の不安に対し、安心させようとそんな説明をする立て札。
そのタイミングで、伝言板が激しく点滅して自己主張を始める。
「なんだなんだ!?」
〔・多分、なんか特別な通知がある〕
「このタイミングってことは、ウォーレンをテイムした関係だろうなあ……」
〔・それ以外だと、逆に困る〕
「まあ、確認すればよかろう」
「……だな」
レティに言われ、伝言板を確認する耕助。
伝言板には
【・システムのアンロックのお知らせ
島の住民が特殊テイムに成功しましたので、以下のシステムがアンロックされました。
1.設備強化システム
2.マスコットシステム
これにより、住民自身の成長に依存しない形で能力上昇が可能となります。
今後も、無人島開拓を頑張ってください。】
と表示されていた。
「……なんか増えたらしい」
「みたいですねえ」
「立て札よ、これは最初から予定しておったのか?」
〔・してたといえばしてたけど
・こういう形でアンロックされる予定ではなかった。
・そもそも、特殊テイムとはまったく紐づけされてない。
・根本的な話として、特殊テイムとマスコットは
・全く無関係な別のシステム〕
「ふむ……」
どうにも不安がぬぐえない立て札の説明に、思わず難しい顔をしてしまうレティ。
少し考え込んで、耕助に提案をする。
「朝飯がまだで腹が減っておろうが、まずは伝言板と立て札で確認できる範囲のアップデートを確認したほうがいいのではないか?」
「そうだな」
〔・ん。
・もしかしたら他にも
・ボクの意図してない状態になってる項目があるかも〕
レティの提案に、真顔で同意する耕助と立て札。
それを聞いたシェリアが、元気に手を挙げる。
「じゃあ、私はちょっと森のほうを見てきます!」
「おう、頼む」
シェリアの提案に、深く考えずに頷く耕助。
どうせ早いか遅いかだけなので、やりたいなら任せておけばいいと思ったのだ。
「まずは、伝言板に増えたページをチェックだな」
「ふむ、このページはなかったのか?」
「ああ。最初にあったのは伝言メッセージと期限が一か月以下の課題、長期目標、システムメッセージの四ページだな」
「なるほどのう」
「ここはダンジョンと古代遺跡一覧のページか……」
ページタイトルを見て、内容を理解する耕助。
そのまま中身を見て、思わず眉を顰める。
「この168時間になってるタイムカウントは何なんだ?」
〔・それは、ダンジョンや遺跡が存在している時間〕
「何で168時間しかないんだよ……」
〔・サンドボックス要素があるローグライクだと
・ダンジョンや遺跡、塔なんかは168時間が標準。
・そこから規模によって長くなったり短くなったり〕
「てか、ダンジョンはともかく、168時間しか存在してない古代遺跡ってなんだよ……」
〔・所詮ランダムだから〕
「古代、古代とは……」
立て札の言葉に、思わず地面に手をついてそううめく耕助。
そんな耕助をよそに、レティが立て札に確認を取る。
「立て札よ。これは予定した通りの仕様になっておるのか?」
〔・ん。
・クリアしてみないと断定はできないけど
・今のところは予定通り〕
「そうか。となると、どれか一つクリアしてみんといかんか……」
立て札の答えに、真剣な顔で一覧を見ながらそう呟くレティ。
そんなレティの目の前で、リストの中ほどにあったちょっと表示レベルが高い感じのダンジョンが消える。
「む? ダンジョンが一つ消えたようじゃが……」
〔・シェリアがクリアしたんじゃ?〕
「ありそうじゃのう」
「シェリアだからなあ……」
ダンジョンが消えた理由を、そんな風に考察する立て札。
立て札の考察に、まったく疑問を持たずに納得するレティと耕助。
行動原理にちょくちょく小学校低学年という単語がちらつくシェリアの場合、興味をそそる意味深な大穴とかを見つけたら、間違いなく突撃をかける。
そんな立て札達の考察を肯定するかのように、いろんなものを抱えながらドラゴンをぶら下げてシェリアが戻ってくる。
「耕助さん耕助さん! 変な穴があったので覗いたら変なものがいろいろ落ちててグレータードラゴンが居たので、全部拾ってからグレーターを仕留めたら穴が消えました!」
「ちょうどその話をしてたんだが、その穴はダンジョンだったらしい」
「ダンジョンって、あんなに狭いんですか!?」
「いや、俺に聞かれても……」
どうやらシェリアが潰したのは、広さの面ではかなり小さいものだったらしい。
「それでシェリアよ。色々落ちておったというが、何を拾ってきたんじゃ?」
「趣味の悪いデザインのアクセサリーやコインがたくさんと、あそこにあるテレビでしたっけ? それによく似たものに食べ物がいろいろです」
「ふむふむ。見せてもらっても?」
「はい!」
レティに問われ、元気よく拾ってきたものをアイテムバッグから取り出して広げるシェリア。
シェリアが広げた戦利品はテレビに似た機械以外、確かにどれもこれも趣味が悪かった。
「……このネックレスやイヤリング、今の耕助の格好じゃと悪い方向ですさまじく似合いそうじゃのう……」
「俺も思った……」
〔・というか、よくもまあ
・ここまで趣味の悪いデザインがそろってる……〕
「ですよねえ」
趣味が悪いという意見で一致するレティたちに、我が意を得たりとうなずくシェリア。
今の耕助の姿にキュンと来たくせに、意外にもシェリアの審美眼はまともだったようだ。
「俺の鑑定が正しいのなら、祝福されてるのが一つと呪われてるのが二つある以外、どれも特にこれといった機能はない、単なる飾りらしい。祝福とか呪いとかついてるのも、それ以外は別に何もないみたいだし」
〔・ん。出てるエネルギー的にも
・この中にアミュレットとかタリスマンとか
・そっち方向の機能があるものはない。
・ちなみに祝福は気持ち程度運がよくなって
・祝福されてるアイテムの機能を強化する。
・呪いは基本その逆。
・どっちも一応強度的なものはあって
・呪いの場合強度が上がると
・危険なアクシデントが発生するように〕
「持ってるだけで影響があるんだったら、どうにかして処分しないといけないが……」
〔・設備とか建物とかならともかく
・アクセサリーは装備しないと影響は出ない〕
「それならよかった。ちなみに使われている金と宝石は本物だから、金銭的価値は一応あるっぽい。この島では何の意味もないが」
〔・貨幣経済が成立しないと
・宝飾品ってほぼ無価値〕
「という訳で、一応光物だが、レティはコレクションしたりは?」
「さすがにここまで趣味が悪いと、妾のコレクションにはしとうないのう……」
耕助に問われ、正直に受け取り拒否を行うレティ。
結局、シェリアが集めてきたお宝は、今までのガチャアイテムとは別方向でガラクタであると確定する。
「で、あのテレビなんだが、VHS規格のビデオデッキ内蔵型のテレビらしい。一応電気を通せば普通に使える」
〔・まさか、そんな……
・ガチャ以外でそんなすさまじく懐かしいものが
・手に入るなんて……〕
「まったくだ……」
〔・というか、規格こそ変われど
・定期的にデッキ内蔵型のテレビって出る。
・デッキが壊れると修理の間テレビも使えなくなるのに
・なんで懲りずに作るんだろう……〕
「それを俺に聞かれても……」
身も蓋もないことを言う立て札に、遠い目をしながらそう答えるしかない耕助。
VHSに始まりDVDにブルーレイと、映像記録媒体の規格が一定以上普及し定着すると、必ずといっていいほど発売されるのがデッキやプレイヤーを内蔵したテレビだ。
が、ヒット商品となったのはせいぜい一番最初のVHSぐらいで、それも出た時だけである。
理由はほぼ立て札の言ったことが全てで、もう一つ加えるとすれば、デッキの分だけテレビの値段が上がるというのもDVD以降たいして話題にもならなかった原因であろう。
〔・まあ、少なくともダンジョンに関しては
・最初に設定した仕様から外れてないっぽい〕
「そりゃよかった」
「で、シェリアは何を食っておるんじゃ?」
「拾ったパンです!」
「拾い食いはよしなさい!」
「大丈夫です、この程度でおなか壊したりしません!」
「そういう問題じゃない!」
レティに問われて素直に答えたシェリアを、思わず真剣に叱り飛ばす耕助。
それを見ていた立て札が余計なことを言う。
〔・ローグライクゲームでは
・拾い食いは普通の行為。
・というか、やらないと餓死する〕
「ゲームと現実を一緒にするな!」
〔・でも、この島はそっちよりの仕様〕
「つうか、ローグライクでも拾い食いは普通に腹壊したり呪われて死んだりするだろうが!」
立て札のセリフに、思わず全力で突っ込む耕助。
そんな耕助をよそに、テイムの後放置されたウォーレンが、勝手に伝言板の表示を増えたもう一つのページに切り替える。
「設備とマスコット、パーティスキル、クランスキルのページか」
「うお」
「クラフト台とウォーレンさん以外の名前は出てないですね」
「まあ、ウォーレンはシステムアンロックのきっかけじゃし、設備と呼べそうなものはクラフト台ぐらいじゃしのう」
「ああ、家は設備とは言わないですよね、確かに」
「錬金釜は機材じゃろうしな」
「うお! うお!」
「あっ、ウォーレンさんは作物の品質とかを良くしてくれるんですね」
「まあ、植物じゃからのう。植物関係の能力なのは不思議でもなんでもなかろう」
「うお!」
増えた最後のページを見ながら、素直な感想を言い合うレティとシェリア、ウォーレン。
なお、シェリアとレティには、ウォーレンが何を言っているかは伝わっていなかったりする。
アンロックの切っ掛けこそ立て札が設定した仕様から外れていたものの、今のところ分かる範囲では想定外の状態にはなっていないことが確認できたのであった。
というわけで、神に近いマンドラゴラのウォーレンさんでした。
なお、こいつは爆発しないけど、爆発する植物はそのうち出てくるかも。
それはそれとして、大分シェリアの行動がつかめてきた気がする。




