断片7「Trial No.3:人間失格」
疵ひとつ無い人生なんてものは存在しない。誰も彼も、何かしらの疵を抱えて生きているものだ。
けれども、瑕を無かった事にできる人生があったとしたら?キミは果たしてその人生に乗り換えるのだろうか。
その枝葉の先にある可能性を棄ててまで過去の栄光を追いかける生に、ボクは興味を持てない。だからこそ、ボクは今のキミを応援しよう。例えそれが自死へと至る路だったとしても、その幕引きにこう添えようじゃないか。
「恥の多い人生も、悪いものではなかっただろう?」とね。
改めまして、ようこそ「夢渡の女帝」本編へ。
この第3章から、主人公君には彼の記憶の数々と更に向き合っていただきます。第2章の加筆修正と共に、あらすじもリニューアルした拙作を、どうぞよろしくお願い致します。
…え?今までの1章と2章は何だったのかって?前回の後書きでもお伝えしたではありませんか。
セーフティが過剰に付いたままの世界の事を、チュートリアルと言うんですよ。
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●またCM…本編?
断片シリーズなので、誠に残念ながら本編です。
今回の心の瑕は、何やらタイトルも不穏ですね。誰かにしつこく「ヒトデナシ」とでも言われた事があるのでしょうか?
そもそも人間とは、どう足掻いても生きているだけで恥をかく生物です。けれども、周囲は転ぶ事を悪と決めつけてしまうもの。その過程で、主人公君は折れてしまったのでしょう。
そんな主人公君に特効薬はないのか、ですか?うーん…、「恥が勲章になるまで転び続ければ良い」と言葉をかける。ダメですか?




