断片3「Trial No.1:女の呪(まじな)い」
男女の思考は違うとよく言われる。孤独を是とする事が多いのが男、集団に溶け込みたいと願う事が多いのが女…この例がすぐに思い当たる違いだろうか。
何も論理的な話をしている訳ではない。これは単なる、人生経験から得た偏見だ。要するに、これは意味のないただの独り言に過ぎない。
独り言ついでに、面白くない話をしておこう。男と女、それぞれ複数を適当に並べると別の漢字に変化する事は知っているだろうか。女が一人なら静かだが、女が二人なら言い争い、女が三人なら姦しくなる。
その字面から想像出来る通り、数が多ければ多いほど場が混沌とした状態となる。男一人を、女が挟んで攻撃するにはちょうど良い程に。
…では本題だ。自分は、女が苦手である。その理由は、解るだろうか。
⚫︎だからCM挟まないでくれよ
ところがこちら、本編でございます。諦めてください。
断片と付くタイトルは寄り道だと先の後書きにてお伝えしましたが、この「Trial No.」シリーズは本作の根幹である主人公君の心の瑕に直結する内容です。たかが300字に満たない内容ですが、お見逃しのないよう…。
⚫︎今回の心の瑕
「嬲る」という字は女が一人、男が複数で成り立ちます。しかし、文字構成が逆転しても「嫐る」と読めます。寄って集って1人をイジメ抜く様を指す言葉ですね、おぉ怖い怖い。
当人たちにとっては遊びの範疇かもしませんが、的にされる側からしたら言動全てが本気に映ります。1人や2人程度の陰口なら可愛いものですが、これが十数人の陰口になった時は、まず心が歪みます。
歪んだ心は元には戻りません、折り目のついた紙を何も使わずに皺なく伸ばせ、と言うようなものです。複数人による「嫐り」なら、尚の事。
記憶は、永遠に残るものなのですよ?




