表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢渡の女帝  作者: monoll
第4章 希望を夢見た宙の記憶
154/170

断片13「No.Ⅵ:The Lovers」

 幾多もの歯車が動き、摩耗し、そして命を終える。常に廻るそんな歯車の事を、ヒトは運命と表現する事がある。

 無くてはならない存在が常に隣にある歯車たちは、すなわち結ばれる事を運命づけられた恋人とも言えよう。その歯車たちは、如何に距離を離されようとも、間に何を置かれようとも、その関係は変わらない筈だ。


 しかし噛み合う筈の2つの歯車が、寿命でもないのに突然軋み始めたのだとしたら、それは一体何が原因なのだろう。

 …異物を入れられた?それも答えの一つだろう。ではその場合の対策は何か、答えてみてほしい。


「だったらその異物を噛み千切る力で回せばいいんだよ!」


 手を上げた少女はそう答え、空いた手を使って歯車の回転する速度を上げていく。想定しなかった答えと行動に、私が待ったと声をかける頃には…2つの歯車にヒビが入り、壊れてしまった。

 一部の生徒からは悲鳴が上がり、気の利く生徒が箒と塵取りを取り出して掃除する。ため息をつく私の横で、少女は不思議そうな表情を浮かべ…やがて綻ぶ。無邪気な子供のように、その一拍後に少女はこう宣った。


「あーあ、壊れちゃった」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ