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断片12「NoⅨ:The Hermit 1」
自ら茨の道を進む物好きはそう居ない。標であれば星の数ほどあるのに不思議な事だ。
自然、指示の数が多ければ迷い、悩み、惑う。正しい答えはどれだと、犯人探しが始まる。
その時間があれば択を選り分ける時間もあろうに。嘆きが始まれば最後、ついぞ光は失せて道は全て閉ざされるーー。
世界を見上げた先に太陽はなく、つまり元より今以上の光がもたらされる事はない。
進むべき道は標にあれど、欠陥だらけの指示に従うには勇気がいる。
ならばアタシくらいは、せめて正しく在ろう。誰かに存在を見つけてもらえるまでは、太陽を掲げようーー。