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夢渡の女帝  作者: monoll
第4章 希望を夢見た宙の記憶
127/170

断片11「No.Ⅻ:The Hanged Man」

日頃から拙作「夢渡の女帝」をお読みいただいている皆様、明けましておめでとうございます。

今年も変わらず、マイペースに書き進めていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 陽が上から下へと降りる時に、世界に光をもたらしているのよぉ。…え?そんなの当然って?いいえ、それは()()()()()()()

 女はそう言ったが、私の中の常識は女の理論を受け付けなかった。証明する手立てもあると言われたが、やはりその話を聞いた後も眉唾だった。


 人間とは、知を得る事に貪欲だ。だがこの世にあるのは模倣品ばかり、それを「真理を見た」と言って喜ぶのは愚か者がする事だ。

 だからさかしい者は、常に物事の見方を変える。一方向から見る世界ほどツマラナイものはない。だから多額の金と名誉を餌に、既に開示されている筈の真理とやらを探そうとしているのだ。


 …なら、その常識外れの女はどんな視点を持っていたのかって?その説明なら私の常識でも答えられる。

 ーーあの女の世界は、全てが逆さに動いているのだよ。

●The Hanged Man

吊るされた男、12番目のタロットです。正位置では「受容」…身動きが取れない中で物事を受け入れる、逆位置では「解放」…呪縛から解き放たれて自由になる、といった意味があるようですね。


思考を逆転させる、とは某逆転する裁判の主人公たちが得意とする所。物事に行き詰ったら視点を変えてみると良い、と教えてくれるゲームです。遊んだ事がない方は是非一度手に取ってみてくださいませ。


●「この世にあるのは模倣品ばかり」

人間界に在る事象全ては天上の影法師である(意訳)、そんな教えの一つですね。


…分かりにくい?では「同じ名前なのに容姿が異なる」キャラクターを思い浮かべてみてください。神様の名前だったり、偉人の名前だったり…キャラクターの候補は色々あると思います。

その名前が指し示す意味は本来一つだけの筈ですが、影法師なので()()()カタチまでは曖昧です。なので影を見た人間は各々、「こうであろう」という色付けを最後に自ら行うのです。これが、ヒトによって思い浮かべる容姿が異なる原因ですね。


元は人類、皆が天上に住まう者。しかし人間界に下りた者はその記憶を一時的に忘れてしまい、生を全うする中でそれらを思い出していく…という中々興味深い考え方です。…おや、ではこの作中に出る人物は何故、人間界に在るものは全て「模倣品」であるとっているのでしょう?

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