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カラーメモリー 【改稿前】  作者: たぬきち
本のマモノ偏
24/59

24色 キミは誰?



 わたしたちはシアンのお見舞いの品を手にシーニの研究室の前に来た。そして、インターホンを鳴らししばらくしてドアが開けられた。


「あ、アカリにクウタくんそれにフウムちゃん、どうしたの?」

 中からシーニが出てきた。


「シアンが体調が悪いってきいたからお見舞いにきたんだ」

「これみっくんの好きなメロンパンとみずまんじゅうです」

「それに風邪に効くといわれる飲み物も持ってきましたわ」

「くう…ミズキはなんていいトモダチをもったんだ」


 わたしたちが口ぐちにいうとシーニは涙を流しながら受け取る。


「せっかくきたならミズキにあっていく?」

「え?いいんですの?」

「うん、体調が悪いっていっても風邪じゃないから大丈夫だと思うよ」

「え?」

 わたしたち三人はシーニの言葉に驚いた。


 研究室に入るとベッドのようなところでカラダに機械のようなナニかを付けられたシアンが体調が悪そうに寝ていた。


「シアン!?」

 わたしたちはシアンにかけよる。


「みっくん、大丈夫!?」

「これはどういうことですの?」

 口ぐちに驚いているとシーニが説明してくれる。


「恐らくだけど魔力の乱れによる体調不良だと思う」

「え?どういうこと?」

「ワタクシは魔力がないので知識でしか知りませんが成長期などにみられるカラダの成長と共に魔力量が変化する時に魔力が増え過ぎてカラダに収まりきらない時に起こるといわれる症状ですわね」 

 フラウムがさらに説明してくれた。


「その症状が出ると魔力量が多いいということで人によっては喜ばしいという人もいますわね」

「だけど、ナニか『違う』気がする」

「クウタくんもそう思う?」

「え?どういうこと?」

「確かに天海さんの成長期は終わっているはずですので時期外れですわね」

「それもそうなんだけど」


 クロロンは言葉を続ける。


「ぼくも何回かなったことがあるけど…うまくいえないけどナニか違うんだ」

「ナニかとは?」

「なんというかぼくの場合は中に収まろうって感じだったけど…みっくんのこの感じナニかに『引っ張られている』感じがするんだ」

「引っ張られる?」

「わたしもそう思うよ」

 シーニが真剣な顔でいう。


「昨日まで全然元気だったのに今日の朝方から苦しみだしたんだ」

「今日から?」

「ねえ、もしかしてだけど関係してるのかな?」

「ワタクシも同じことを考えましたわ」

 クロロンとフラウムは互いをみて険しい顔をした。

「なにかしってるの?」

「えっと、関係しているか分からないんですけど…実は…」


「みつけたぞ」


「!?」


 突然声がしてわたしたちは後ろを振り返るとメガネの少年が立っていた。


「レータ!?」

「メガネ!人の家に勝手に入ってくるとは失礼ですわよ!」

「きのせさんまって!」


 フラウムはレータに文句をいいに歩いて行こうとしたけどクロロンがフラウムの前に立つ。


「緑風さん?」

「クロロン?どうしたの?」


 わたしとフラウムはクロロンをフシギに思いみるけどクロロンはレータをみて険しい顔をしていた。


「キミは誰?」

「え!?」


 クロロンの言葉にわたしたちは眼を見開いて驚きレータをもう一度みる。


「え!?やっぱりメガネ変えた!?」

「変えたかもしれないけどたぶん違うと思う」

「………」

 レータはなにもいわずにこっちに歩いてくる。


「止まって!」

 それをシーニが杖を構えて静止させる。


「ねえ、もしかしてだけどミズキにナニかようかな?」

「………」

 レータはなにも答えない。


「なんのようかだけ教えてくれたりしない?」


 シーニは優しく問いかけるけどかなり警戒した感じで聞く。


「それを聞いてどうする」 

「答えによってはキミを防衛の為に攻撃しないといけないからさ」

「そうか…なら」


 レータは「ふっ…」と小さく笑うと答える。


「そいつのカラダを奪いにきた」

「正直な子はおねえさん好きだけどそれを聞いちゃ黙ってられないね」


 シーニは杖を構え直して魔法を放つ。


「バインド!」


 杖の先から紐が飛び出してレータを捕らえようとしたけどレータは一瞬で姿を消した。


「はやい!?」

 シーニはレータを探すがすぐに目の前に姿を現した。


「おそいな」

「なっ!?」


 シーニは守りの態勢にはいろうとしたけど間に合わない!


「黄瀬流格闘術弐ノ型『旋風脚』!!」


 バシーン!という風を切るような音が鳴り響きフラウムがレータにむかって強烈な蹴りを噛ました。


 しかし、


「………」


 フラウムの蹴りを左腕で受け止めていた。


「そんな!?メガネのクセにワタクシの蹴りを止めるなんて!?」

 フラウムは得意の蹴りを止められてしまい困惑する。


「お前『魔力なし』か」

「!?」


 レータはそういうとカラダから衝撃波を放ってシーニとフラウムを飛ばした。


「うわあ!」

「きゃあ!」

「シーニ!」

「きのせさん!」


 シーニは飛ばされた衝撃で地面を転がってしまう。フラウムはクロロンが咄嗟に受け止めたのですこし飛ばされたけど衝撃を抑えることができたようだ。


「ぐう…!」

「シーニ!」

「大丈夫!それよりフウムちゃんは!?」

 わたしはシーニにいわれフラウムをみる。


「大丈夫!?きのせさん?」

「はい、なんとか…それより…すみません緑風さん」

「ぼくは全然大丈夫だよ」


 なんとか大丈夫みたいだ。わたしはほっとして胸を撫で下ろす。


「ちっ…このカラダはこの程度しかチカラが出せんのか」

「え?」


 あんなすごい技をだして本気じゃないってこと?


「はやく我が半身を手に入れなければ話にならん…」

「それって…」

「ミズキが半身ってこと!?」

「正しくは一部とでもいっておこうか」


 え!?シアンが半身?一部?どういうこと?


「それを聞いちゃなおさらキミにミズキを渡す訳にはいかないね」

 シーニはヨロヨロと立ち上がり杖を構える。


「シーニさん達は逃げてください!」

「!?」


 フラウムはそう叫ぶとレータにむかってもう一度蹴りをいれた。しかし、かわされてしまう。  


「フウムちゃん!?」

「せめてもの時間稼ぎですわ!今のうちに助けを呼びにいってください!」


 かかと落としや回し蹴り、跳び蹴り、払い蹴り、浴びせ蹴り、沢山の技をだすけど避けられてしまう。


「クソ…すばしっこいですわね!」

「しつこいな」


 フラウムはもう一度回し蹴りをすると足を捉まれてしまった。


「な…!?この!放しやがれですわ!」

「この足を黙らせるか」

「!?」


 そういうとレータは腕にチカラをいれる。


「グウゥ!!!」

 フラウムが痛みで顔を歪める。


「フラウム!!」

「フウムちゃん!!」

「やめろぉ!!」 


 クロロンは叫ぶと一瞬でレータの目の前に走り腕を振り上げる。


「!?」


 そして、レータの背後にもうひとつの人影が手にしていた棒を振りかざす。


「なに!?」


 レータは咄嗟にフラウムの足を放して両手を使って前後にバリアを張る。

 前後からバチン!と火花が散ったような音がした。


「新手か」


 レータはそういうと距離をとった。


「すまん、遅くなった」

「もうちょっとはやくきてほしかったな」


 黒髪の青年が現れてそれをみたシー二は嬉しそうに笑う。



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