表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カラーメモリー 【改稿前】  作者: たぬきち
本のマモノ偏
21/59

21色 語りかけてくるモノ



 夜が深い時間帯。僕は実家の本屋で出た売れ残りで返品予定の本を読んでいた。


「まあ、少しだけ面白いがお金を払うかと云われたら微妙な作品だね」

 そう一人で感想を述べながら本を閉じる。


 時計を確認すると針が二時過ぎをさしていた。

「しまったな…夜ふかしをしすぎた」


 たまにこういった本は掘り出しモノがあるから返品確認の際はつい夜ふかしをしてしまう。だけど、これといったモノはそうそう見つからないけどね。


「これを除いてだけどね」

 僕は鞄から一冊の本を取り出す。


 その本は辞典の様な図鑑といった方がいいかな分厚い黒い本だった。その本は親も発注した覚えのない本だといっていて返品しようとしていたが僕が引き取ったのだ。始めはその本の禍々しさに止められたが僕はなんとなくその本に呼ばれている気がして半ば無理やり本を引き取ったのだ。

 そして、引き取って正解だった。本の中身は全くもって読めない字が書かれていたが読み返していく内に少しずつ『読める』様になっていった。その本の内容は解読した分も含めると恐らく『闇魔法書』とでもいうべきかな。変わった魔法が書かれていた。


「時期的にもうそろそろかな」

 僕がそう呟くと本が光だした。


「やっぱりね」

 口の端を上げながら呟く。


 この本は定期的にこの様に光だして少しずつ本の文字が読める様になるのだ。その現象の意味ははっきりとは分からないが推測するに少しずつ『解凍』しているといった方がいいかな。


「今度は何が解凍されたのかな」

 僕は少しわくわくしながら本を開く。


「ん?これは?」

 本に新たに追加された文字をみて首を傾げる。


「『テイクオーバー』?」

 『テイクオーバー』って確か…。


(そのカラダワタシがいただく)

「!?」


 その声が聞こえた瞬間本から黒い何かが僕の体を覆った。そして、僕の意識はそこで途切れた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ