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カラーメモリー 【改稿前】  作者: たぬきち
カラーエブリデイ その1
18/59

18色 あの二人の秘密?

 


「ちょっと…聞いてくれるかい?」

 いつもと変わらない学園でのある日。

 わたくしがとある用を済ませて教室に戻ろうと廊下を歩いているといけすかないメガネに話掛けられた。


「なんですの?わたくしナンパメガネと話す趣味はありませんわよ」

 わたくしはいつもの様に適当にあしらう。

「大事な話があるんだ」

 しかし、ナンパメガネはいつもと違い真剣な感じだ。


「いつになく真剣な顔ですわね」

「あれ?きのせさんとれいたくんどうしたの?」

 すると、そこに少しサイズが大きめの緑のパーカーを着た髪の毛がくるくると跳ねている少年が通りかかる。

「あら、緑風さん。実はこの挙動不審メガネが大事な話があるとかでわたくしの貴重な時間を奪っているんですの」

「大事な話?」

「ああ」

 アホ面メガネが首を縦に振った。


「レディをムリヤリ呼び止めて置いて下らない話だったらボコりますわよ」

「大事件だ!大・事・件!」

 メガネが気持ち悪く鼻息を荒くしていう。


「なんですの?気持ち悪いわね…」

「なにがあったの?」

 緑風さんがキモメガネに問いかける。

「実は、今朝スゴイものを見てしまったんだ…」

 そういうと回想メガネが続ける。




 今朝学園教室前廊下にてとんでもないモノ目撃してしまったんだ…。


 僕はいつも出来るだけ早く学園に来るようにしている。特に意味はないがなんて云ったって僕は学園の誇るエリートだからね。そして、今日も一番乗りで教室に踏み込もうと…


「…ね…と」

「…ん」


 この声はクラスメイトのアカリとミズキの声か?

「あの二人が早く登校なんて珍しいな」

 なんて思って教室に入ろうとした次の瞬間僕の眼に衝撃なモノが飛び込んできた…それはミズキの肩に手を置きアカリが彼の顔に顔を重ねていた…



「…?」

「………」

「……………」

 

 しばらくの沈黙。


「マジですのおおおおおおおおおおおおおおお!?」

「大マジですともおおおおおおおおおおおおお!!」

 わたくしは反射的に叫んでしまっていた。


「…そして、その後…」

 目撃メガネが続ける。


「つぎは放課後…かな」


「今日の放課後にまた……その…………………するつもりなんだ!きっとあいつら僕らに内緒で付き合ってるんだ水臭くないかい?」

 覗き見メガネが咳ばらいをする。

 痰が詰まればいいのに…。


「そこでだ諸君」

「二人だけどね」

 緑風さんが冷静にツッコム。

「皆で決定的な瞬間をバッチリ目撃して現行犯で彼らに自分たちの関係を自白させてやろうではないか」

 演説メガネが熱く語る。


「確かに目撃者は多いいほうがいいとは思いますけど…どうしますの?」

「でも、あの二人に限ってそんなことはないと思うけど」

 緑風さんが少し怪訝そうな顔をする。


「緑風さんはよくあの二人と一緒にいますわよね?なにか変わったことはありましたか?」

「いや、なかったと思うよ。みっくんはいつも一緒に帰ってるし昨日や朝も特に変わったことはなかったと思うけど」

 緑風さんは腕を組んで考える。


「いーや、そういうやつに限って裏で付き合ってるってよくある話だ」

「そうですわね」

「え、えっと…」

 困惑する緑風さんをよそにわたくし達は話を続ける。


「来たる今日の放課後…教室の何処かに隠れその時を待つ!そして…」

「ちょ、ちょっとまって!」

 緑風さんが慌てて止める。


「ダメだよそんなの覗き見だよ!?いくらトモダチでもそんなこと…ねっきのせさん」

 緑風さんはわたくしに問いかける。

 しかし…


「そして二人がキスした所でドドーンと現場を取り押さえるんですわね!」

 わたくしはかなりノリノリになっていた。

「そうだ!完璧な作戦だろ?」

「……………」



 そして、来たる放課後。


「うーん、もうちょっと隠れる場所があると思ったんだけどこの大きめのロッカーだけか」

「教卓はすぐバレそうですわね」


 わたくしとヒョロメガネは教室内の隠れる場所を探す。ちなみに緑風さんは今回は遠慮するとのことで不参加になったのでまさかのメガネと二人っきり。メガネ割れないかしら?


「アナタ、外でホウキに乗ってホバリング出来ないんですの?」

「それこそすぐにバレるだろ…」

「そう残念ですわね。あわよくばそのまま落ちて欲しかったんですけど」

「おい」


 突っかかってきたクソメガネをあしらっていると


「はやく、シアン」

「んー」

「!?」

 聞きなれた声が聞こえてきた。


「はやくはやく~」

 二人が教室に入ってきた。


「あれ?もうだれもいないね。もうみんな帰っちゃたのかな?」

「さあ」


 教室に入ってきた二人は帰り支度を始めた。


「…」

「……」

「………おいっなんでキミまでロッカーに」

 メガネがとても怪訝そうにいう。


「それはこっちのセリフですわ暑苦しいわよこのクソメガネ」

 メガネの肩がわたくしの肩に当たる。

「ちょっと!こっちに寄るんじゃねですわ!また触れたらぶん殴りますわよ!」

「誰がキミの方なんかに寄るかっ!ごちゃごちゃ言ってるとみつかっちゃうぞ!」

「あっ」

 アカリさんがなにかに気づいたのか声をあげる。


「!?」

 バレた!?

 一瞬そう思った。


「アカリ」

「そうだったね、わすれてた、じゃあ、目を閉じて」

「ん」


 きた!?

 アカリがミズキの顔に顔を近づける。


「おぉおおぉぉおおおお!?」

 

 わたくしとメガネはロッカーの隙間から凝視する。


 すると


「イデデデデ」

「?」

 天海さんが謎の声を出した。


「ちょっと~シアン、ちゃんと目を開けないと見れないでしょー」

「だって、目がヘン」

 アカリさんが天海さんの瞼を開こうとしていた。


「だからーなにがどうヘンなのか見るんでしょーホラ目閉じない!」

「イデデデデ」

「お医者さんいきなよー」

「やだ」


「………」

「だそうですが」

 わたくしは早とちりメガネを見るとメガネはロッカーの扉に触れる。


「まあ、なにもないならいいじゃないか…そろそろ出よう」

「ちょ、ちょっとまちなさいよ!今出て行ったらアカリさんが…」



『えーっなんでふたりでそんな所にいるの!?もしかしてもしかして…キャーー!』

 アカリさんの声がわたくしとメガネの脳裏に響く。


「…それは、かなりいや、確実にありえる」

「誰が腐れメガネなんかと…冗談じゃねえですわ」

 とてつもなくおぞましいことを考えてしまいわたくしはゾクッとしてしまう。


「あっ天海くん丁度よかった」

 そこに先生が入ってきた。


「ごめんなさいね、少し手伝って欲しいことがあるのちょっといいかな?」 

「大丈夫です」

 ナイスタイミングですわ!先生!


「じゃあ、わたしここで待ってるね!」

「え!?」


 よりによって何でココで待つんですの!?後は帰るだけだから玄関で待ってればいいじゃありませんか!?ア、アカリさんのアホンダラ!


「いろのさん」

「!?」

 教室の入り口から声がした。


「あっクロロン!まだ帰ってなかったんだ!」

 緑風さん!?


「ついさっきみっくんと会ってね荷物を持って先に玄関でまっていてほしいって言ってたんだ」

 ナ、ナイスですわ!緑風さん!


「わかったじゃあ、クロロンも一緒に帰ろう!」

「うん、いいよ」

 二人は天海さんの荷物も持って教室から出て行こうとする。


 超絶ファインプレーですわ!


「ふう、これで一安心ですわ…」

 わたくし達は胸を撫でおろした。


「あっそうだひとつだけわすれもの」

「?」


 教室を出ようとした緑風さんは足を止めるとロッカーに歩みよってきた。

 そして、


「あまり覗き見はよくないよ」

 気が付いた時にはロッカーの扉を開けられていた。


「え?」

 わたくし達三人は緑風さんの突然の行動に唖然としていた。


「キャアアアアアアァァァ!」


 ロッカーから姿を現したわたくしとメガネをみるとアカリさんが叫んだ。

 悲鳴の方ではなく恋愛ドラマをみている時の叫びだった。


「あっちょ、アカ…」

 アカリさんは叫びながら物凄い速さで走って行った。


「はあぁー」

 わたくしとメガネは大きな溜息をつく。


「サイテーな一日ですわ…メガネなんかと狭い所に閉じ込められるし滅多に怒らない緑風さんの怒りに触れてしまったみたいですし…それもこれもぜーーーんぶどっかのバカメガネが勘違いしたせいですわ!」

「何言ってるんだキミだって僕の作戦にノリノリでついてきたクセにそれに誰かさんが騒がしくしなければ見つかることはなかったはずだ!」

「あーもーどーしますの!?アカリさんのことだからきっと皆に言いふらしますわ!あなたのせいで!こんなモヤシメガネとウワサになるなんてありえねーですわ!!」

「こっちだって暴力筋肉女となんてゴメンだよ!」

「なんですって!!」


「あー…ちょっとやり過ぎちゃったかな?」

 緑風さんは「あはは」と頬を掻きながら苦笑いをした。

                                


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