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空想世界の転移旅 ー防御脳筋こそ最強ー  作者: 寝ないネコ
第一幕 始まりの冒険編
7/41

1−5森林破壊、もとい木こり

(誤字脱字のご報告をお願いします)

《行動ミッションを達成ーー浮空諸島の木を伐採する(SP+1)》


「はぁはぁはぁ……つ、疲れた」


 それから俺はとにかく『空力斬(エアー・スラッシュ)』を使って、環境保護家が気絶するぐらい木を切りまくった。腕も反動で大分疲労していて、筋肉痛のような感覚に襲われている。


 もはやこの一連の行動は苦行とも言えるだろう。そもそも一本の木を切るのに『空力斬(エアー・スラッシュ)』を四回以上も使う必要がある、つまり俺は単純計算で手刀を二百回以上振ったことになる。しかも、『地図』を常時展開して周囲を警戒していたから、肉体面も精神面もかなり疲労困憊である。


「ご、五十本で最初のミッション達成ですか……」


 五十本伐採してやっとミッション達成のログが流れた。


 やっとの思いで一SPを稼げたが......もはや喜ぶ余力すら残っていない。


《ミッション達成回数が10回到達したことにより、SPが1増えました。そしてSPを消費して能力または補助スキル以外のスキル効果を上げることができるようになりました》


 おっ、なんかRPGゲームみたいなシステムが来た。ただ補助スキルにはスキルポイントが使えないらしい……補助スキルってことは『地図』系統か、まあレベル制のスキルは今のところないし、別に困るほどのことではないな。


 ちょっとステータスを確認しよう。


[名前]アラタ

[年齢]18歳

[種族]人間

[レベル]2

[魔法適性]

 火適性:E−

 水適性:E−

 地適性:E−

 風適性:E−

 光適性:E−

 闇適性:E−

[スキル]

 補助:『スキルショップ』『地図』『鑑定』

 特殊:『空力斬(エアー・スラッシュ)

 能力:『瞬足E−』『打撃耐性E−』

 一般:『採取E+』『体術E+』『棒術E』『伐採E+』


 能力ステータスが変わらん……。


「ん? 知らないスキルがいくつかあるな」


 いつの間にこんなスキルを貰ったんだ? そもそも交換なんてしなかったし、通知もなんもなかったぞ。


 ……まさか、普通に指定の行動をするとスキルが貰えるのか? そんなバカな、いや、その推測が合ってれば恐らく『採取』スキルは木の実を拾う、『棒術』スキルはゴブリン戦の時に棍棒の使用の影響で習得して、そして『伐採』の能力アップは間違いなくさっきの森林破壊。


 うーん、でもそれはどっちかというと朗報だよな。考えが正しければこれからは優先度の低いスキルは無理してSPを消費してまでゲットする必要がなくなるってことだ。しかし……そんなに簡単にスキルって付くものなのだろうか? それともこれはチート効果なのだろうか? 比較対象がいないから今のところ何とも言えんが……。


 それよりSPの使い方だ。今回から自分でスキル効果を上げることが許されたから、場合によっては『打撃耐性』を上げることを優先してもいい。さて、スキルショップを確認してみよう。


『スキルショップ』

 現在あるSP:2

 現在交換できるスキル一覧

 補助:なし

 特殊:なし

 能力:『火事場力E−(SP1)』『斬撃耐性E−(SP1)』

 一般:『格闘術E−(SP1)』

 スキル一覧を更新:SP1


『斬撃耐性』

 斬撃によって与えられるダメージを軽減する。防力の効果と相乗する。


「これを待っていた」


 防御脳筋を最優先する俺にとってこれは欲しいスキルだ。


《スキル『(下)斬撃耐性E−』を習得しました》


 まだSPが残っているけど、この『火事場力』はなんだろう?


『火事場力』

 攻力、速力、筋力が一時的に上昇する。効果時間は1分、使用後は激しい筋肉痛になる。


 何だこれ、いや名前のまんまだけど。これは戦闘で使えそうだけど、副作用があるのか。いや、防御を上げてくれないのならこれはいらない。


「よし、こんなもんか」


 初期と比べて色々出来ることも増えたな。よくここまで頑張ってきたものだ……。


「よーし、もう一踏ん張りするか!」


 俺は休憩を終えて再び森林破壊、もとい木こりを再開した。




 ――あれから一時間後。

 

「スッキリしたー」


 俺は無心にひたすら木を伐採していた。その過程はあまりにも地味だったから割愛させてもらうが、一時間経過してどうなったかというとステータスを見れば分かる。一つ気づいたのは、『空力斬(エアー・スラッシュ)』は間を開けて使えばそこまで反動はなく、逆に連続して使用すると半端なく腕にダメージを与えてしまう。それは今後気をつけよう。


[名前]アラタ

[年齢]18歳

[種族]人間

[レベル]2

[魔法適性]

 火適性:E−

 水適性:E−

 地適性:E−

 風適性:E−

 光適性:E−

 闇適性:E−

[スキル]

 補助:『スキルショップ』『地図』『鑑定』『空間収納』

 特殊:『空力斬(エアー・スラッシュ)

 能力:『瞬足E−』『打撃耐性E+』『斬撃耐性E+』

 一般:『採取E+』『体術E+』『棒術E』『伐採D』


「うん、頑張った」


 なんと一時間でSPをかなり稼げることができた。ほとんどは森林はか……ゲフンゲフン、木こりだったワケだが、途中で新しい果物を発見したし、天空スライムというよく分からんスライムにも出会った。


 天空スライムはそうだな……一言で表すと人畜無害の生物だったな。最初は興味本位で触って見たけど、逆に俺が粘液に囚われてしまった。粘液に触れた時は少し気持ち悪かったけど、途中から段々と気持ちよさに変わっていった。そしてなんとこの粘液が走り回って汗だくの体をキレイにしてくれて、疲れや腕の痛みまでリフレッシュしてくれた。


 うむ、非常に助かった。そのままペットにしたかったけど、俺をリフレッシュしたらどっか行ってしまった。どうやら俺の汚れと疲れしか眼中になかったみたい、スライムに目はないけど。


 SPは新しいスキル『空間収納』に使用した。それ以外は『打撃耐性』と『斬撃耐性』に使った。攻撃? そんなものは知らない。


 そして『空間収納』。まあ、新スキルは名前の通りアイテムボックスだ。異世界の中でも王道ともいえるスキル。使用すると目の前に穴が空き、その中に物を入れられる仕様になっている。しかも中では時間が固定されているためアイテムの保存に使うのは最適だ。道中で拾った果物やらよく分からん植物を採取しまくって、それらを全部中に入れた。


「さて、残りのSPはどう使おうか」


 実はまだSPが残っていた。木を切り過ぎて、気づいたらミッションを完全達成してしまったようだ。そしてミッションを完全達成すると報酬としてSPが貰えるみたい。


 そして俺は現在今世紀最大の決断に迫られている。


『スキルショップ』

 現在あるSP:5

 現在交換できるスキル一覧

 補助:なし

 特殊:『転移(テレポート)(SP2)』『???(SP2)』

 能力:なし

 一般:『気配消しE−(SP1)』

 スキル一覧を更新:SP1


転移(テレポート)

 現在いる座標からランダム方角、距離、高さの場所に転移する。


「これはもしや、ここから脱出できるのでは?」


『転移』はゲット確定として、問題なのは『???』、このスキルだ。


「ガチャなの……か?」


 ゲーム脳で考えるとこれはスキルガチャによるランダムスキルだと思う。特殊スキルは保証するけど、どんなスキルをゲットできるのは交換してからのお楽しみと……。


「スキル被りは流石に、ないかな……」


 既に持っているスキルが来く可能性を考えると……あまりポイントを無駄にしたくない。まあ……せっかくだし、初回お試し気分でチャレンジしてみるか、これで防御スキルが来たら最高だな。頼む、防御脳筋であってくれ! 『転移(テレポート)』と『???』を交換する。


《スキル『転移(テレポート)』と『起死回生(リスポーン)』を習得しました》


起死回生(リスポーン)

 一日に一回のみ発動できる。スキル所持者は死亡した一時間後に身体を再構築する。毒死、呪死、病死には発動しない。


 効果怖っ!? いや、新しいスキルだけど、防御脳筋ではないな……当たりと言えるか? 使う場面はかなり限定的だと思うけど……。まあポイントを無駄にしなかったって考えれば収穫はあったかな。


「防御脳筋はなかったと」


 でもこれでようやく脱出の目処が立った。まだ半日も滞在してないのに、俺としてはもう半月この島にいる気分だ。


「よし、ラストスパートと行こうじゃないか」



 

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