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空想世界の転移旅 ー防御脳筋こそ最強ー  作者: 寝ないネコ
第一幕 始まりの冒険編
4/41

1−2ミッションを達成

意外と筆が進むため連日投稿します!


(誤字脱字のご報告をお願いします)

 俺は今すっごく迷っている。


 SPを増やすためにはミッションを達成しないといけない、それはよく分かってる。


 しかし、しかしだ。現状ミッションを達成するために利用できそうなのが目の前の森ぐらいしかない。つまり、俺は命を守るために森を出たのに、今度は達成できるかどうかすら分からないミッションのために森に戻らないといけないジレンマに苦しめられている。


 長期的に考えると食料調達とか含めて森に入るしかないけど……。


「戻るの嫌だな……」


 怪物は精神的にキツいから接触したくない。


 入るしかない、入るしかない、入るしかない……えい、ままよ! もたもたしている場合じゃない、生き延びたければ覚悟を決めろ俺!


「行くぞ、森ぃぃぃ!」


 俺は勢いに任せて森に再度突入した。


 警戒心マックスで森に入り、今度は周囲への注意を怠らないようにする。


「相変わらず静かだな」


 やはり自分の小さな足音以外何も聞こえない、これなら急な物音にも気づくだろう。


 しかし入ったのはいいものの、具体的に何をやればいいか考えてなかった。


「今はまだ明るいけど、夜になったら一気にヤバくなるな」


 夜の森は間違いなく危ない、視野的な意味もあるし、何より夜の森はホラー要素高めで精神的に受け付けない。


 まだ明るいけどこのままだと今日中に島から脱出するのは無理ぽい。どこか休める場所も探さないとな……見たところ木の上が一番安全かも。


「おっ、開けてんな」


 色々考えながら歩いたらちょうど良い場所を見つけた。比較的に木が少なく、拠点にするのは良さそうな場所だ。


「よし、ここなら森の出口からも近い」


 ここら辺で色々試すか。ちょっと安直だけど、まずは落ちている木の実を拾ってみよう。


 よく見てみるとそこら中に木の実が落ちている。俺はテキトーに一個拾ってみた。どうやら拾うだけではミッション達成にはならないみたい。


 うーん、拾った木の実の見た目は小さい柿のような果物で、匂いを嗅いでみると果物特有の甘い香りがする。見た目と匂いからは食べても大丈夫な気がする、素人だからその辺りは微妙。


 とりあえずひと齧りしてみた。


 ガブッ


 ちょっとビビってたけど、大丈夫みたい。普通に甘味があって美味しい。


《行動ミッションを達成ーー浮空諸島特有の果物天空柿を食べる(SP+1)》


 やはりというべきか、まさかというべきか、果物を食べるミッションはあった。


《行動ミッションを達成ーー異世界での初めての食事(SP+1)』


 バカにしてんのか、こんなの食事と呼べないだろ。


 ともかく、これでまたSPが2増えたから、何か交換できるスキルないんか。


『スキルショップ』

 現在あるSP:2

 現在交換できるスキル一覧

 補助:なし

 特殊:なし

 能力:『打撃耐性E−(SP1)』

 一般:『採取E−(SP1)』『伐採E−(SP1)』

 スキル一覧を更新:SP1


 いいね、『打撃耐性』は生存力高めてくれるから交換しよう。そして俺は思ったんだ、死ななければどうにかなる、いかなる方法で生存能力を高めていくことこそ異世界を攻略する鍵だと信じてる!


《スキル『打撃耐性E−』を習得しました》


 今はこれでいい、他のスキルはスルーだ。


 そして一旦ログの見返す。


「なるほど、つまり周りにあるのは全て天空柿の木という木か」


 どうやらさっき齧ったのは天空柿という果物らしい。しかし言い得て妙だ、浮空諸島にしか存在しない柿ってところか、これもまた俺の記憶にはない設定だ。


 『地図』は大分便利なもんだが、地形と生き物の情報以外は何も確認できないからな。


 ともかくこれで果物を食べればミッションを達成できる、この調子でどんどん他の果物も探していこう!




 結局それから『地図』を使って周囲を探索したが、残念ながら天空柿以外の果物を見つけることはできなかった。


 楽勝かと思ったら、実はそうでもなかった。まさかこの一帯の木が全て天空柿の木とは思わなかった。


 はぁぁぁ、そりゃ簡単に達成してくれないよな……。もう少し進めてみるか。


「うん?」


 『地図』に突如赤い点が三つ現れた。


「よく見ると少しずつ動いている……」


 ま、まさかあの怪物か? それも三体となると……。

 

 胸が騒がしくなってきた。


「ま、まさかこっちに来てる!?」


 『地図』にある三つの赤い点が明らかに俺の方に向かって来てる。


 危機の後はまた危機、これは絶体絶命! 一体もまずいのに三体はヤバい、これは逃げるより隠れた方がいいかもしれん。どこに隠れば……草むらとか、いや、ここは木の上に登って隠れれば見つからないだろう。


 俺は近くにある比較的に高い木に掴んでよじ登る。


「よっと、登れた……」


 思ったより簡単に木を登ることができた。


 そして俺は身を伏せ、頑丈そうな木の枝にしがみつきながら正体不明の魔物の通り過ぎを待つことにした。


 すると数分後、三つの赤い点の正体が分かった。


 赤い点の正体はーーゴブリンだった。いきなり過ぎてて俺は焦って『地図』で調べるのを忘れた。


 三体のゴブリンは俺がいた場所の痕跡を見つけたのか、立ち止まって痕跡を調べ始めた。


 俺は少し安心した。ゴブリンは魔物の中でもスライムと並ぶほど弱い魔物とされていて、群を成すとそれなりに厄介だが、三体であれば俺でもすぐに逃げられるだろう。


 逃げんなって? そりゃ戦おうとしても武器は持ってないし、俺のステータスが通用するかどうかすら不明な状態ではバカなマネはできないさ。


 ラノベの主人公であればチートを駆使してゴブリン如きを蹴散らす場面だろうけど、チートなんて持っていない俺は命が惜しい。ここは静かにヤツらが立ち去るのを待つのみ、この木の上にいる以上なんの問題もないさ。


 それより俺はこの森にゴブリンが生息していたことに驚いている。てっきりこの森にはあの怪物しかいないかと思ったけど、思ったよりこの森の生態系は多様な生物に満ち溢れているかもしれない。


「えっ?」


 なんかゴブリン共が騒ぎ始めた。なんだ? 何が起きた?


 まさかバレた!? いや、そんなはずがない。ゴブリンは知能が低い魔物で有名だぞ、まさかこの世界のゴブリンは違うというのか?


 マズい! コイツら、木を叩き始めたぞ。や、やめろ、このままでは……!


 ちょうどその時だった、俺の目の前にログが流れ始めた。


《行動ミッションを達成ーー浮空諸島に二時間滞在する(SP+1)》


 じ、時間経過系か……そ、そうだ、スキルを交換すれば良いのでは? 


 俺は咄嗟にスキルショップを開いた。


『スキルショップ』

 現在あるSP:2

 現在交換できるスキル一覧

 補助:なし

 特殊:なし

 能力:なし

 一般:『採取E−(SP1)』『棒術E−(SP1)』『剣術E−(SP1)』

 スキル一覧を更新:SP1


 さっきのスキルとあまり変わらん! こんなスキルじゃ何の役にも立たないぞ! そうだ、更新……更新すれば良いのか。


 頼む、役の立つスキル来てくれ!


『スキルショップ』

 現在あるSP:1

 現在交換できるスキル一覧

 補助:なし

 特殊:なし

 能力:なし

 一般:『体術E−(SP1)』『格闘術E−(SP1)』『伐採E−(SP1)』

 スキル一覧を更新:SP1


 って、おーい! 役には立つかもしれんが、これはもうゴブリンと戦えって言っているようなもんじゃねえか! 俺に逃げ道はないのか!?


《スキルを習得せずでよろしいですか?》


 毎回それはズルぞ! あーもう、分かったよ。こうなったらもうヤケクソだ! やってやろうじゃねえか、ゴブリン如き倒してやる!


 スキル『体術』と交換する! 


《スキル『体術E−』を習得しました》


 俺のターン。待ってろよ、クソゴブリン!




いよいよ初戦闘!

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