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データ供養所

【振り返り特番】魔法のパイロット ドライバー・ツート【まだ間に合う】

作者: まい

 振り返り特番。


 と称した総集編です。


 これは放送前から決まっていた通常通りの進行であり、急な差し換え回ではありません。

――――20XX年。


 地球は様々なモノに狙われている。


(ベタな地球の大映し画像)


 知性を持った地球外生命体、地底人、海底人、異世界人、心の闇、オカルトからの使者、過去の大魔法使いの遺産等々。


(それっぽいシルエット達が入れ替わり立ち替わりして、動く動画)


 それはもう、ありとあらゆる存在から。



 そしてそれらは、(ことごと)く、地球人に(はば)まれている。




 ………………いや、正確に言おう。


 侵略者の天敵。


 地球人の中から自然と現れる“魔法少女”に阻まれている。


(白背景に変わり、4人分の魔法少女シルエットがバーン!)


 なぜ魔法少女なのか? 少女だけなのか?


 その疑問は、地球が狙われるようになり、魔法少女が出現するようになってから何度も研究がされたが、1度として解明されなかった。





 でも()は、その答えの欠片(かけら)を知っている。


(暗転)



~~~~~~



 僕の名前は、(はい)() (つとむ)。 


(ボサボサ頭で少し頼りなさげな少年が流れる桜並木を背景に、学校の制服で歩くシーン)


 変な名前だ? それはおかしい。


 だって()()()には()(ろう)(いん)とか、(ごう)(とく)()とか、大王門とか。 もっとカッコ良さそうな名字が一杯だ。


 なのに僕は杯呂なんて、一般的過ぎる面白味の無い名字だもの。


(例に挙げた名字達が大映しになって、杯呂の文字が押し潰される)


 東雲(しののめ)さんとか十六夜(いざよい)さんとか、小鳥遊(たかなし)さんとかの名字が、いそうで居ない山田さんより沢山居るのがニホンなのだから。


(東雲や十六夜や小鳥遊がスポットライトを浴びながらキラキラエフェクト)



 おっと、自己紹介の途中だったね。 中学の1年で、入学したてだ。


 小学校を卒業して、中学生になったからオトナなんだ!


(少年の歩くシーンが再び流れ、ガックリする少年)


 なんて浮かれていたのは、数日だけ。


 高校生のお兄さんお姉さんとかいて、その上にはもっともっとオトナな大学生がいて。


(高校生とか大学生とか書かれた人のシルエットがキラキラエフェクトを振りまき、中学生と書かれた人のシルエットはうなだれる)


 それを知って、悲しくなったのが先週の事。


 今はそこらの中学生として、真面目に授業を受けています。


(ボサボサ頭の少年の授業シーン)




 現在は3時間目の体育。


 体育の時間中にお腹が減ってきて、でも体育が終わってもお昼まであと1時間あると思い直して絶望する時間。


 今日の授業は中学生らしい体力作りとかって、校庭でマラソン。


(ジャージを着たボサボサ頭の少年のクラスが、マラソンをする風景)


 みんなでジャージに「ダサいジャージだ」とかグチグチ言いながら着替えて「やってらんねー」とだらだら走って()()んだ。




 そう、いた。


 走ってない理由は、校庭の真ん中にある。


(敵の初登場シーン)


 ついさっき校庭の真ん中から「ボコボコッ!」って凄い音がして、みんな足を止めて注目したんだよね。


 そうしたら強く押し固めてるはずの地面が勢い良く盛り上がってきて、()()()が出てきたんだ。


 ぼうぜんとして立ち尽くしていると、その鎧武者が何かをしゃべった。



(それがし)は、過去の(いくさ)にて()てた(つわもの)(なり)

 国の(めい)により戦を始め、理不尽に(いのち)を散らされた者也。

 その受けた理不尽を、現世に()くる者へ報復(ほうふく)せんとする者也』



 この時の僕は、この武者が何を言っているのか分からなかったね。


 勉強してない範囲の言葉を使われても、全然分からないからね。


 で、この騒ぎが後でテレビとかネットとかで映像付きで報道された時に、何を言っていたか翻訳されたから分かった。


『僕は殺されたのに、君たちは生きてる。 ムカつくから、今生きている君たちは死んじゃえ』


 無茶苦茶だよね。


 でも僕が戦う相手は、この後もみんな同じ。 人間同士の戦争で、殺されちゃった人達。


 武者だけじゃなくて、武士の時代を終わらせた兵士とか、滅茶苦茶な理由で始まった戦争の被害者とか、無茶な命令で突撃させられた兵士とか。


 可哀想だと思うけど、現場の僕はそんなの知らないし、理解する余裕もなかったね。


 武者が刀を手にとって、襲いかかってきたんだから。


(鎧武者が刀を振り回し、生徒達が逃げまどうシーン)



 運良くみんなは逃げ切れて、僕も1人で逃げて隠れたんだけど、その武者に見付かっちゃってね。


(校庭の体育用具倉庫に追い詰められる、ボサボサ頭の少年)


 殺される……っ!! って怖くなった時に、不思議なことが起きたんだ。


(光で画面が真っ白の後、暗転)




 えーとね。 僕は男なのに“魔法少女”になっちゃったんだよ。


 戦えるのが魔法少女だけだったのは、こんな理由()有ったのかと思ったね。


 うん。 変身を解けば戻れるから、魔法少女とイメージが繋がらないのは男として有難い話だったよ。



 ああ、魔法少女には分類が有るんだ。 あんまりにも数が居るからね。


(再び4つの魔法少女シルエットが線で分割されて、それぞれ顔?の部分で拡大)


 種類(タイプ)別に分けた方が、魔法少女を管理する国としても楽だろうからね。


 それで、ファンシーでファンタジーな魔法を主体に使う魔女(まじょ)っ子型。


(以降、説明に合わせてそれぞれのそれっぽい活躍動画)


 魔法は身体機能や能力を上げて接近戦をメインとして、強い魔法はトドメの一撃位にしか使わない戦士(グラディエーター)型。


 魔法も接近戦もこなして、持っている魔法の杖から派手なビームとかを出す魔砲(まほう)型。


 他のタイプを軽く押し退ける位に万能で強いけど、取り返しのつかない何かを犠牲(ぎせい)にして戦う生け贄(サクリファイス)型。


 大きく分けてこの4つ。


 最後のなんて、あんまりにも強いし代償もあるから、最終兵器扱いされるんだよね。


 でもその分戦闘経験が少なくて、上手く戦えなくて死んじゃう率も高いって言う、悲しいタイプ。


(ネックレスっぽいのにある、一番大きな宝石を壊されて倒れてしまう魔法少女)




 閑話休題(はなしをもどすね)


 それで、僕はどんなタイプだったかって言うと、第5種類。


(4つの魔法少女シルエットそれぞれに、バツマークがつく)


 今までに居なかった魔法少女でした。


 タイプ別に、大体の変身衣装は似てたんだよね。


 魔女っ子は地味なローブ姿が多いとか。 見習いの内は子供っぽく可愛いフリフリ衣装だけど、魔法を上手く使えるようになると地味になっていくとか。


(それっぽい魔法少女動画が再び。 それぞれの衣装が良く見える所で停止して、画面が拡大)


 戦士型は高校生以上でもフリフリのミニスカートで、パステルカラーが基本とか。


 魔砲型は軍服イメージが強い衣装が多いとか。


 生け贄型はそう言った衣装に統一性は無いけど、心臓や脳以外に壊されたら命が無くなる弱点を必ず持っているとか。



 でも僕のはどれも違った。


(暗転して、初変身時の長時間変身シーン)


 何て言うか、アニメのパイロットスーツみたいなんだよね。


 スッゴいピチピチで、体がクッキリと浮かび上がる、えっちなパイロットスーツ。


 腕とか足とか、股まわりはちゃんと防具(プロテクター)があるのに、胸とお腹辺りは丈夫な布1枚だけの変なスーツ。


 ……男としては女の子の柔らかい所が自分にあるって不思議だけど、自分のだから…………その…………うぇへへへへへ(気持ちの悪い笑い声)


 (咳払(せきばら)い)物凄く恥ずかしいけど、変身して戦わないと周りの人が死んじゃうのは嫌だし、頑張って戦うよ。


(変身完了時のカッコいい?ポーズ)


 それと、まるで阿修羅(あしゅら)像みたいに背中に機械の腕が4本くらい浮いてて、それぞれが人間の持てる銃器をもっている。


 僕自身の腕でも、なんかジョウロみたいな形の小さい鉄砲を持っていて、その装備で戦っていたんだ。


(それぞれの武器を使うシーンの切り抜き)



 僕自身は名乗ってないけど、新しい魔法少女だって確認と戦って欲しいってお願いをしに来た国の人から、魔法少女の名前を()()()付けられちゃった。



 魔法のパイロット ドライバー・ツート


(ボサボサ頭の少年が、ネットで名前を確認するシーン)



 変な名前だし、パイロットスーツっぽい衣装だからって、こんな名前はどうよ?


 って言うか、魔法少女が男だって分かっても普通に話してたし、国は男も魔法少女になるって知ってるんだね……。


(役人が少年の家を訪ねるシーン)



~~~~~~



(今まで戦ってきた敵との戦闘で、良いところを切り抜き)


 戦いは大変だった。


 今まではいくら敵が強くなっていっても、人だったんだ。


 だから色々工夫して、何とか戦えていたんだけど、今回は違った。



 相手は戦車だったんだ。


(戦車型の登場シーン)


 僕が持っているものは、どれも対人兵器。


 アニメとかでココを狙えば……! って言うところをなんとか狙って攻撃したけど、全然駄目だった。


(攻撃するも全く効かず、一方的にやられてしまう戦闘シーン)


 何度も攻撃されて、ボロボロになって、もう駄目だって思った時に、また不思議なことが起きたんだ。


(画面真っ白)


 頭に急に言葉が浮かんだ。


(下記のセリフが、字幕でドーン)



「チェンジ タイプ:サンドフォックス・ジーベック!!」



 そう叫んだら背中の腕が姿を変えて、僕を包み込んだ。


(新フォームへの初変身シーン)




 包まれたと思ったら、僕は機械に囲まれていた。


 目の前のパネルに()()()()があって、その中に僕が乗っている表示が。


(起動シーケンス)


 そう。 僕は戦闘用のロボットに乗っていた。


 サイズは……4(メートル)位かな?


 ずんぐりむっくりしていて、頭に暗視ゴーグルっぽいカメラアイを備えて見える人型で、足に付いているローラーで滑るように動ける。


(戦車型に逆転する、ロボTUEEEシーン)


 武器は持っている大きな銃と、伸ばせる腕のパンチだけなんだけど、他にも武器がある様な雰囲気がある。


 このロボットは強い。


 敵だった戦車は動く僕のロボットに狙いをつけられず、銃は戦車を簡単に貫く。


 新しい力で、僕は街のみんなを守りたい!!


(戦車型に勝利して、爆発する戦車を背中にポーズを決めて暗転)

 CMのあとは、変身した僕が使う武器や世界・僕を取り巻く登場人物達や戦っている敵達で分かっている事を詳しく紹介するよ!


(適当な切り抜き後にCMアイキャッチ突入)



~~~~~~



※ 番組は続きますが、この作品はここまでとなります。

  後半やこの作品の本編は有りませんし、書くことは無いです。 ご了承下さい。





~~~~~~



蛇足


サンドフォックス・ジーベック


 ジーベックは昔の帆船だが、コレは音だけ。

 サンドフォックス・ジーベック→スナギツネ・ジーベック→ジーベック・スナギツネ→ヂーベッツ・スナギツネ→チベットスナギツネ

 キツネはイヌ(ドック)の仲間です。

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