2 天界
【ラファエル視点】
この世界では、100年に1度地球の者を異世界に飛ばすイベント的なものがある。
今年の推薦者は私ラファエル。
推薦するには条件がある…
1,人生を充実せず若くして亡くなった者
2,優しい心を持っている者
最低でもこの2つの条件。
天界には、大きく分けて神様、悪魔、天使の三種類がいる。
私と一緒に人材を探したのは悪魔のフェニックス、リリス、天使のザフキエルだった。
みんな なんやかんや仲がよくて、わちゃわちゃしながら探した。
最初に声をあげたのは、リリスだった。
「あら、この子とかよろしいのでは?」
リリスが選んだ子はまだ子供で親に愛されず、辛いおもいをしている子だった。
まだ子供で、さすがにまだこっちには連れてこれないから却下で、とリリスに伝えた。
地球は平和だった。
さっきの子以外は。
あれから20年がたった。
天界と地球じゃ時の流れが違うけど…
20年間この子を見ていた。
大人になって、親から離れて、最初の一年間は幸せに過ごしていたわ…
でも…仕事に就いて、
朝から晩まで仕事仕事仕事…
家に帰れるのは、3日に1度…酷いときは一週間帰らないなんて…
今まで、見たことがないような辛い人生を送っている…
天界に送るというのはつまり死を意味する。
少し酷だが、異世界に行って幸せに過ごしてほしい…
リリスが隣に来て言った…
リリス「やっぱり…この子にすべきね」
ラファエル「そうね…私の力不足が目に見えるようでとても辛いわ…」
リリス「…」